年が明けて、数日すると、気持ちも新たに仕事始めですね。仕事始めに備えて、用意しておかないといけないものの一つのが、新年の抱負ではないでしょうか。
実際、新年最初の部のミーティングなどで、今年はどういう年にしたいのか、上司から聞かれることも多いものです。
さらに、人によっては、新年の訓示や組織としての抱負を前で話す立場ということもありますよね。
そんな新年の抱負や訓示で使えるのが、新たな年の干支にまつわる意味や特徴です。
そこで、本日は2019年の干支、亥年の意味や特徴について、詳しくお伝えしていきますね。
■目次
2019年の干支は己亥(つちのとい)
まず初めに、干支というと亥(いのしし)とか子(ねずみ)が思い浮かびますが、これは正確には十二支であって干支ではありません。
干支という場合、“干”にあたる十干(じっかん)と、“支”にあたる十二支を組み合わせたものになります。
もちろん、亥年だけにも意味がありますし、己にも意味があります。というか、2019年は亥と己が似たような意味があり、なかなか興味深い年になるような予感がしています。
では、2019年の干支、己亥にどんな意味があるのか、一緒に見ていきましょう!
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己亥の意味とは
干支(十干と十二支)は、はるか昔、古代中国の殷の時代(紀元前15~14世紀)に誕生したと考えられています。そして、十干と十二支は、ともに草木の成長に例えられるという共通点があります。
植物は、種から芽吹きますが、十干の最初の甲(こう・きのえ)、そして十二支の最初の子(ね・ねずみ)が種にあたるというような感じです。
2019年の干支、己亥(つちのとい)は、草木の次のような状態を意味しています。
- 己 → 草木が十分に生い茂って整然としている状態
- 亥 → 草木が枯れ落ちて、種の内部に草木の生命力がこもっている状態
何だか分かったような分からないような表現ですね(笑)。では、詳しく見ていきましょう。
己(つちのと)は自己実現から人・社会への貢献へと変わる時期
己(つちのと)は、十干では6番目にあたります。
己という漢字をよく見ると、3本の直線が整然と並んでいる形をしていることが分かります。この形から、己は「紀(すじ)」という意味もあり、草木としては“成長を終えて形が整った”ことを表します。
最初の甲、種の状態から、6番目の己で樹木の状態となるわけですが、十干では、草木の成長を最初の甲から6番目の己までと、7番目の庚から最後の癸までの2段階に分けて考えます。
- 十干を植物の成長に例えると
- 甲から己までは、草木そのものの成長の時期
- 庚から癸までは、花を咲かせ種を生み出す時期
- これを人の成長に置き換えると
- 甲から己までは、自分自身の成長時期
- 庚から癸までは、子孫や後進を育て社会に貢献する時期
と言い換えることができるのです。
つまり、己(つちのと)の年は、完成した自己や成熟した組織が、足元を固めて、次の段階を目指す準備をする年なのです。
亥(い)は発芽に備えてエネルギーを貯める時期
2019年の十二支、亥は、十二支の最後です。
植物の成長としては、葉っぱも花も散ってしまい、種に生命を引き継いだ状態が、「亥」です。
十二支には、それぞれに季節が割り当てられていますが、亥の季節は冬です。春の芽吹きまで、じっと固い種の中でエネルギーを内にこめている。まさにそうしたイメージが亥年の持つ意味です。
亥に木編を補うと「核」となり、内側の芯を意味するというのも、象徴的ですよね。
- 亥の年は、翌年から始まる次の種の成長に備えて、
- 個人は、知識を増やす、精神を育てる
- 組織は、人材育成や設備投資、財務基盤を固める
など、外に向けての活動ではなく、内部の充実を心がけると良い年です。
一方で、貯め込むエネルギーには、負のエネルギーも含まれますから、
- 自分自身も不満を貯め込まない
- 子どもや部下が不満を抱えていないか目配りする
ということも頭の片隅に置いておいてください。
ここまでは、新年の抱負に役立つ亥年の意味を見てきましたが、続いて話の小ネタにできる亥年の特徴をお伝えしていきますね。
十二支の歴史は大変古く、紀元前15~14世紀の古代中国には使われていた記録があります。もともと、1年に12ある月を表す暦でしたが、時代が進むと年や時間、方角にも使われるようになります。
そして、お馴染みの十二支の動物は、子(ねずみ)、丑(うし)、寅(とら)は、さらに後の時代に民衆が覚えやすいようにセットにされたものです。
寅年生まれの女性は気が強いとか巳年の人は執念深いとか聞きますが、十二支の由来とは関係のない後付けの迷信です。
とはいえ、十二支を語る際には、セットの動物から出てくる話も多いのは事実です。
ちなみに亥は、猪肉の栄養価が高く病気予防になることから、無病息災の象徴とされています。風水でも猪は、無病息災の象徴で、また目標に向かって猛進していく人を助ける「火の神の化身」とされています。
年頭の挨拶や抱負として、亥年ですから成果を出すべく猪突猛進しますというのもシンプルでいいですよね。
「亥年」の特徴3つ
亥年は、政治・経済、そしてあまり嬉しくない話ですが、災害の3つに関して特徴がある干支です。順番に見ていきましょう。
亥年は選挙の年
亥年は、春は統一地方選挙があり、夏は参議院選挙があるという選挙の年です。
統一地方選挙が4年ごと、参議院選挙は3年ごとなのですが、2つが重なる最小公約数の12年にあたるのが亥年なのです。
ちなみに、亥年の参議院選挙は、自民党が弱いというジンクスがあるそうです。春の自分の選挙で地方議員が疲れてしまい、夏の参議院選挙の応援に力が入らないことが原因なのだとか。
このジンクスは「亥年現象」と呼ばれていますが、さてさて2019年はどうなるでしょうか?
亥年の株は小幅な値動き
株式の相場では、亥年は小幅な値動きにとどまる年と言われていて、これを「亥固まる」と呼びます。
亥年の前の戌年は笑う、次の年の子年は繁栄と言いますので、亥年は谷間の1年ですね。
亥年は災害に備える
火山帯の上に国土がある日本は、昔から大きな地震にたびたび見舞われてきましたが、なぜか亥年に地震が多いと言われています。
ざっと上げるだけでも、記憶に新しい大きな地震が亥年に起こっていることが分かります。
- 1707年 宝永地震、富士山宝永噴火
- 1923年 関東大震災
- 1983年 日本海中部地震、三宅島噴火
- 1995年 阪神大震災
- 2007年 新潟県中越沖地震
近頃は、大雨による災害も起こりやすくなっています。災害への備えが必要なのは、亥年に限ったことではありませんので、この機会に見直すのはいことですよね。
まとめ
2019年の干支は己亥(つちのとい)です。
己(つちのと)は、十干(じっかん)の6番目。植物の成長に例えると、草木が成長を終えて姿が整った状態を表します。
亥(い・がい)は、十二支の最後にあたり、同じく植物に例えると、草や花が枯れ落ちて、植物の生命が引き継がれて種の中にエネルギーがこもっている状態です。
- 己、亥の状態を人間や組織に当てはめると、
- 己 → 完成した自己や成熟した組織が、それまでの主義、規律、秩序などを見直し、次の段階を目指す準備をする年
- 亥 → 個人は知識を増やす、精神を育てる、組織は人材育成や設備投資、財務基盤を固める
といったように、外に向けての活動ではなく、内部の充実を心がけると良い年だということが分かります。
己、亥、そろって意味していることは、内なる充実をはかり、次のステージの準備をする年ということですね。
今現在が順調であっても、2019年はインプットをいつも以上に意識して、2020年の新たな展開につなげられるといいですね。