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穀雨2023年はいつ?一目でわかるカレンダーで詳しく紹介!

穀雨と書いて、“こくう”と読みます。

一年を24つにわける昔の季節の区分、二十四節気の一つです。

字を見るだけで、“育む”、“恵み”というイメージを受けるような気がしませんか。

同時に、緑が風でさやさや揺れる田んぼや草原の映像も浮かんできます。

そんな穀雨ですが2023年はいつからいつまででしょうか。

穀雨の日程はもちろん、穀雨という季節についてもピックアップしてお届けしていきます。

穀雨の由来と時期

二十四節気穀雨top
穀雨とは、日本が太陰暦だったころに、季節の移り変わりを知るために使っていた二十四節気という区分の一つです。

穀雨の日というのは、この穀雨という時期の始まる日(節入り日)のことです。

穀雨という場合、節入り日の当日のみを指すこともありますが、本来は約15日間の期間を意味します。

2023年の穀雨はいつ?

  • 2023年の穀雨の日(節入り日)は4月20日(木)
  • 穀雨の期間は4月20日(木)から5月5日(金)

穀雨2023カレンダー

年によって1日前後しますが、例年4月20日ごろから始まり、次の二十四節気・立夏の前日にあたる5月4日ごろまでが穀雨の時期になります。

二十四節気
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穀雨とはこんな季節

穀雨とは、「百穀をうるおす春の雨」という意味です。

穀雨の時期、たしかに小雨がよく降りますね。

春先の小雨がよく降ることを菜種梅雨とも言いますが、これから大きくなる穀類にとっては恵みの雨です。

昔も今も農家にとって、春先の雨は田畑をうるおす貴重な雨であり、穀雨は種まきの準備を始める時期とされてきました。

また、穀雨は二十四節気では春の最後の節気です。

徐々に天気も安定し、日差しが日に日に強さを増し、夏へと季節が移っていきます。

女性にとっては、紫外線対策が気になる季節の到来ですね。

穀雨にあたる七十二候

二十四節気をさらに5日ごとの季節に分類した七十二候では、穀雨は次のような季節になります。

葭始生(あしはじめてしょうず)

4月20日から4月24日ごろは、川岸や干潟に生育する葦(あし)が芽吹き始める時期とされています。

冬は枯れていた葦が芽吹き、水辺の景色も緑まぶしい景色に一変します。

葦は、水を浄化する働きがあることでも知られていますが、生活とのかかわりも深く、色々な使われ方をしてきました。

古代エジプトの紙として有名なパピルス。

これも葦から作られていたそうです!
(そういえば、モーゼの箱舟のモーゼが赤ん坊の時にかくまわれたのも川岸の葦の中でしたね。)

日本では、今でも葭簀(よしず)と呼ばれるすだれや屋根をふく材料に使われています。

葦

霜止出苗(しもやみてなえいずる)

4月25日から4月29日ごろは、気候も暖かくなり霜が降らなくなる時期です。

「清明には雪が降らなくなり、穀雨になると霜が降りることがなくなる」と言います。

穀雨の次候(2番目の七十二候)である霜止出苗が、まさにその時期ですね。

ですが、油断していると思いがけず冷え込んで、農作物に打撃を与える遅霜が降りることがあります。

ちょうど収穫期に入る茶葉には遅霜は厳禁です。

そのため、お茶の名産地として知られる静岡県では全国で唯一、茶葉の収穫期に出る遅霜注意報というものがあります。

遅霜注意報が出ると、茶葉農家の人たちは、茶葉に霜よけシートをかけたりして、茶葉が霜で焼けないように色々と対策をされるということです。

茶畑

牡丹華(ぼたんはなさく)

4月30日から5月4日ごろは、牡丹が大輪の花を咲かせる時期です。

牡丹の花は、直径10~20センチとサイズが大きい花です。

その圧倒的な大きさ、豪華さ、美しさから、花の中の花として「百花の王」と呼ばれたり、「富貴花」と呼ばれたり、牡丹には様々な名称があります。

日本はもちろんこと、原産地の中国でも唐の時代から愛されてきた花として、逸話や絵画などのモチーフに数多く用いられています。

牡丹

穀雨の時期の気象データ

では、ここで穀雨の時期の気象データとして、その冬に霜が最後に降りた日を見てみましょう。

ご紹介するのは、お茶所として知られる5府県の平年値データ(1991年~2019年の平均)です。

府県終霜日
静岡3月23日
三重3月10日

京都4月4日

宮崎3月19日

鹿児島2月26日


気象庁データから作成

全体に七十二候「霜止出苗(しもやみてなえいずる)」(霜が降りなくなる時期)よりも早めのデータでしたね。

それだけに、思いがけない遅霜への警戒が必要なのかもしれません。

穀雨の時期の雑学

牡丹の花

春の土用

穀雨は、二十四節気では春の最後の節気です。つまり季節の変わり目の時期を意味する「土用」の時期でもあります。

土用と言えば、7月下旬の「土用の丑」が有名ですが、こちらは夏から秋に移り変わる「夏土用」になります。

対する穀雨の時期の土用は、春から夏に変わるため「春土用」と呼びます。

季節の変わり目は、どうしても体調がおかしくなりがちですが、体調を整えるためにも旬のものを食べたいところ。

夏土用は、丑(うし)の日に、「う」のつくものを食べると良いとされており、鰻を食べる習慣が根付いています。(鰻の旬は冬ですが・・・)

春土用は、戌(いぬ)にちなんで、「い」のつく食べ物、もしくは白い食べ物を食べればよいと言います。

ちょうど、イカやいちごが旬の時期ですね。

「い」のつく食べ物で、五月病を吹き飛ばしていきましょう!

いちご

八十八夜

八十八夜とは、立春から数えて八十八日目の夜のこと。

毎年、穀雨が終わりに近づく5月2日ごろが八十八夜にあたります。

「八十八」という字を組み合わせると「米」の字になるため、この日は五穀豊穣を祈願する特別な日とされてきました。

そして、唱歌「茶摘み」にうたわれるように、八十八夜といえば茶摘みです。

八十八夜に摘んだ茶葉は、栄養価が高く、古くから不老長寿の縁起物とされてきました。

農家の方が、遅霜に細心の注意を払って、収穫されたお茶、大切に味わいたいですね。

tahe
唱歌は情緒があっていいですねぇ

ゴールデンウィーク

穀雨の時期で忘れてはいけないのは、お待ちかねのゴールデンウィーク

いわずとしれた、4月29日の昭和の日から5月5日のこどもの日までの大型連休ですね。

ゴールデンウイークという言葉は、1951年(昭和26年)に映画の観客動員を増やすためのキャッチコピーとして生まれた和製英語です。

なんでも、その時の映画の興行記録が、お正月・お盆に次いで多かったそうですよ。

早くも1952年1953年ごろには世間一般で使われるようになって、広く浸透していきました。

ただ誕生の背景が、映画業界の宣伝のためということから、NHKや新聞などではゴールデンウイークという言葉は一切使われず、「春の大型連休」が報道では使われています。

そう言われてみればそうかも!と気づかされますね。

ゴールディンウィーク

まとめ

「穀雨(こくう)」は、昔使われていた季節の区分、二十四節気の一つで、立春から数えて6番目となる最後の春の節気です。

年によって1日前後しますが、例年4月20日ごろから始まり、次の二十四節気・立夏の前日にあたる5月4日ごろまでが穀雨の時期です。

ちなみに

2023年は4月20日(木)から5月5日(金)までが穀雨です。

穀雨とは、「百穀をうるおす春の雨」

春先の雨は、田畑をうるおし、穀類を育てる恵みの雨のため、穀雨は、今も昔も農家の人たちが種まきの準備を育てる時期とされてきました。

穀雨の時期は、季節が春から夏に移っていく時期です。

春先のぐずついたお天気が安定してきたと思ったら、日差しの強い季節が始まります。

春だからと言って油断せずに、紫外線対策を始めないといけませんね。

  • 次の二十四節気は立夏(りっか)です。
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