小満と書いて、“しょうまん”と読みます。
1年を24の季節に分ける二十四節気の一つで、時期としては5月中旬から6月上旬にあたります。
気候としては、梅雨入り前で一年でも過ごしやすいのですが、ゴールデンウィークの疲れを感じる時期でしょうか。
そんな小満ですが2023年はいつからいつまででしょうか。
小満の日程はもちろん、小満という季節についてもピックアップしてお届けしていきます。
小満の由来と時期
小満とは、日本が太陰暦だったころに、季節の移り変わりを知るために使っていた二十四節気という区分の一つです。
小満の日というのは、この小満という時期の始まる日(節入り日)のことです。
小満という場合、節入り日の当日のみを指すこともありますが、本来は約15日間の期間を意味します。
2023年の小満はいつ?
- 2023年の小満の日時(節入り日時)は5月21日(日)16時
- 小満の期間は5月21日(日)から6月5日(月)
年によって1日前後しますが、例年5月20日ごろから始まり、次の二十四節気・芒種(ぼうしゅ)の前日にあたる6月4日ごろまでが小満の時期になります。
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小満とはこんな季節
小満は、立夏から数えて2番目の夏の二十四節気です。
一歩外に出れば、まさに初夏の陽気。
遠くに見える山の新緑も日に日にまぶしく、街路樹も一斉に葉を茂らせます。
小満は、太陽の光を浴びて木々も動物もすべての生命がすくすくと成長する季節なのです。
また、昔は、秋にお米を収穫すると、続けて麦を育てる二毛作が当たり前でした。
秋にまいた麦の収穫を小満の時期に迎えます。
無事に麦の穂がついて、少し安心する・良かったと満足することから小満という名前が付いたと言います。
麦の収穫が終われば、農家では休む暇もなく田植の準備が始まります。
二十四節気には、小寒・大寒、小雪・大雪のように対となる季節があります。
収穫の時期である小満に対しては、種まきの季節を意味する芒種が対と考えることができますね。。
小満にあたる七十二候
二十四節気をさらに5日ごとの季節に分類した七十二候では、小満は次のような季節になります。
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
5月20日から5月25日ごろは、桑の葉をもりもりと食べた蚕が大きく成長する時期です。
蚕は昆虫ですが、完全に家畜化されており、野生種は一切生息していません。
真っ白で目立つ蚕は、樹木に自分でとまるだけの力もなく、羽はあっても飛べません。
さらに致命的なことに、エサを自ら取ることもできないため野生では生きていけないのです。
5000年前には養蚕は中国大陸で始まっていたと言いますので、長い年月を経るうちに、蚕は野生で生きる力を完全に失ってしまったのですね。
その養蚕が日本にいつ伝わったのかは諸説ありますが、日本書紀や古事記に蚕について記述が残されています。
生糸と絹を作り出す蚕は、各地で大事にされ、「おかいこさま」という敬称で呼ぶ地域もあるほどです。
また、養蚕は日本の近代化を支えた主要産業でした。
紅花栄(べにばなさかう)
5月26日から5月30日ごろは、紅花が花開く季節です。
キク科の一年草である紅花は、6~7月頃に咲く初夏の花です。
咲いたときは鮮やかな黄色をしていますが、徐々に紅色へと花の色を変えていきます。
日本に伝わったのは飛鳥時代ですが、4000年前にエジプトではすでに栽培されており、薬用・染料に使われていました。
花びらからは、最初は黄色の色素が抽出され、その後に赤色の色素が抽出されます。
水に溶けでる黄色と異なり、赤色色素の抽出はとても手間がかかるため、赤は高貴な人だけに許される色でした。
麦秋至(むぎのときいたる)
5月31日から6月4日ごろは、麦が金色の穂をつける収穫の時期です。
「麦秋」は、旧暦4月の異名で、夏の季語になります。
かつて二毛作が主流だったころには、この時期に金色の穂が一面に広がる景色がそこかしこで見ることができたそうです。
“麦が豊作の年はお米も豊作”と言われ、麦秋の風景は、農家の人にとってとても心強いものだったのでしょうね。
小満の時期の気象データ
小満の時期、初夏の陽気が漂う一方で、本州で見られるのが「走り梅雨」。
「走り梅雨」とは、5月の中旬から下旬にかけて、梅雨の前触れとなるぐずついたお天気が数日続くことをいいます。
ちょうど花の盛りを迎える卯の花を腐らせるような雨だとして「卯の花腐し(うのはなくたし)」とも呼ぶそうですよ。
たしかに、梅雨入り前に雨が続くことがありますね。そして、いざ梅雨入りしたかと思ったら、意外と晴れが続いたり(笑)。
走り梅雨は、東日本で多いそうですが、気象庁のデータをお借りして、東京と私の地元京都の5月の降水量をグラフにしてみました。
1991年から2020年30年間の平均値ですが、京都でもしっかり走り梅雨がありますね!
ちょうど京都の走り梅雨が終わる頃に東京で雨が多くなる日が続くというのもなかなか面白い結果でした。
小満の時期の雑学
小満の時期は、農家にとっては麦の収穫や田植の準備と農家の繁忙期.
忙しさもあってか、小満ならではの風習や食べ物はありません。
また、5月は4月から始まった新生活が落ち着きを見せる時期です。
それなのに何となくやる気が出ない五月病になる人が多いと言われますね。
五月病の対策には、セロトニンという物質を活性化すると効果的です。
セロトニンを活性化する食べ物は、セロトニンを多く含むバナナや乳製品・大豆製品など。
小満の5月、これらを朝食のメニューに取り入れてみてはいかがでしょうか。
梅仕事
青梅が収穫されて、スーパーや八百屋の店先にも並び始めます。
同時に、梅干しやシロップ煮のために、青梅を仕込む梅仕事の時期を迎えますね。
梅は、昔から「体に良い」とされてきました。
伝統的な保存食である梅干しは、お腹をこわした時や夏バテ、暑気あたりに特に効果があるといいます。
昔の人は、農作業で忙しい中をぬって、梅仕事をして夏を迎える準備をしていたのでしょうね。
更衣(ころもがえ)
最近は、寒暖の差に柔軟に対応するところも増えましたが、6月1日は学校やオフィスの制服が夏服に変わる衣替えの日です。
衣替えは、平安時代に中国から伝わった宮中行事から生まれた慣習。
宮中では、旧暦4月1日と10月1日が更衣の日とされており、4月1日には冬装束から夏装束に、室内のちょうども夏のしつらえに変えられていました。
私は、制服というものを着たのは幼稚園の時だけということもあり、夏服に一斉に変わるという衣替えを経験したことがありませんでした。
ところが、思いがけないときに思いがけないところで衣替えを実感する羽目に。
それは何かというと、トイレの便座です。
節電対策として、6月1日から9月30日までは便座の暖房が切られることになったのです。
6月1日の朝に、会社でトイレに行ったら、便座が冷たくてビックリしたという(笑)。
宮中行事とは、かけ離れた衣替え(?)の思い出です。
まとめ
「小満」は、昔使われていた季節の区分、二十四節気の一つで、立夏から数えて2つ目の夏の節気です。
年によって1日前後しますが、例年5月20日ごろから始まり、次の二十四節気・芒種の前日にあたる6月4日ごろまでが小満の時期です。
ちなみに
昔は、秋にお米を収穫した後に、続けて麦をまく二毛作が多く行われていました。
秋にまいた麦が穂を付け収穫を迎える時期が、小満の頃。
無事に麦の収穫を迎えることができて、「安心した、よかった」と喜んだことから、少し満足するという意味の小満という名前がつきました。
小満の時期は、太陽が輝いて新緑まぶしい初夏です。
五月病に負けずに元気に行きましょう!
- 次の二十四節気は芒種(ぼうしゅ)です。
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