カフェインはコーヒーや茶の木から作られるお茶に入っているものだと思っていたのですが、コーラーなど清涼飲料水にも入っていると最近知りました。
私は毎日、コーヒーは必ず1杯は飲んでいますし、多いときは3杯ぐらい飲むでしょうか。また、時々無性にコーラーが飲みたくなることもあります。コーヒー3杯の日に、うっかりコーラーを飲んでいたら、ちょっとカフェインの取り過ぎで眠れなくなるのでは?と心配になりました。
でも、それ以外に心配することは無いのでしょうか。そもそも眠気がなくなるという他にはカフェインにはどんな効果があるのでしょうか。
無闇に心配することはないと思いつつ、毎日、コーヒーやお茶などからカフェインを取っているだけに効果や副作用にどんなものがあるのかちゃんと知っておきたいですよね。
そこで、本日は、カフェインの効果と副作用の両方を確認したいと思います。一日の摂取目安量も思っていたより少なかったりしますので、その辺りも詳しくお伝えしていきますね!
■目次
カフェインの効果
カフェインは、コーヒー豆や茶葉、カカオ豆に含まれるアルカノイドの一種です。コーヒーからの分離に成功したことからカフェインと命名されました。
精神的な刺激性と興奮作用があることから、眠気覚ましのエナジードリンクや清涼飲料水に添加物として使われるほか、鎮痛作用から、頭痛薬の成分にもなっています。
身近なところに多く使われているカフェインですが、効果を整理すると、次の6点に集約されます。
- 中枢神経を刺激し覚醒する作用
- 交感神経を刺激し基礎代謝を促進
- 末端の血管を拡張し血流を良くする
- 腎臓の働きを活発にする利尿作用
- 脳血管を収縮し頭痛を緩和
- 胃酸の分泌を促進
何だか難しい言葉が並んでしまいました(笑)。具体的にはどういう効果があるのか、続けてみていきましょう!
覚醒作用
夜寝る前にコーヒーを飲むと眠れなくなると聞いたことがない人は少ないのではないでしょうか。これを裏返すと、コーヒーを飲むと目が覚めるということですが、これこそカフェインのなせる業だったのです。
カフェインには、脳の中枢神経を刺激し、眠気を押さえて集中力を高めるという効果があります。
普段、私たちがリラックスして眠気を感じるときは、脳が活動して生まれたアデノシンという物質がその受容体と一定数結びついたときなのだそうです。ある意味、眠いというのはそれだけ疲れている状態を表してもいます。
カフェインは、このアデノシンと構造が似ており、アデノシンの受容体とアデノシンが結合する前に、アデノシン受容体と結びつきます。そうなると、脳に十分なリラックスと眠気が生まれてきません。それどころか、覚醒度が高くなり、興奮状態に入っていきます。
これが、カフェインが体内に入ると、眠気がなくなり集中力が高まる理由だったのです。そして、このアデノシンに似ているということが、交感神経の活動や、ひいては利尿作用にも関連します。
交感神経を刺激
カフェインが脳を覚醒させると、交感神経の活動が優位になり、体全体の活動が活発になります。
結果、基礎代謝が上がるため体脂肪の燃焼も促進されて、カフェインはダイエットにも効果があると言われます。
末端の血管が拡張する
また、活発になった全身の活動を支えるために、全身に酸素と栄養を運ぶ必要が出てきますので、心臓の動きも強化されて全身に送る血液の量を増やします。
これが、カフェインによって血流が良くなる効果です。
利尿作用
アデノシン受容体には、腎臓で水分を再吸収させる働きもあるのですが、カフェインによって、まずこの水分の再吸収が抑制されます。また、全身の血流が良くなっていますので、腎臓に入ってくる血液の量も増えます。
この2つの作用から、カフェインをとると、腎臓の働きが良くなり尿が出やすくなります。
こうして利尿作用から余分な水分が体外に排出されるので、むくみもなくなり、血圧を下げる効果も出てきます。
頭痛の緩和
カフェインは、末端の血管を拡張する一方で、脳の血管を収縮させる作用をします。
多くの人が悩まされている偏頭痛は、脳の血管が拡張し、血管の周囲を圧迫することで起こるため、カフェインをとると痛みの原因である血管の拡張が収まって頭痛が楽になるのです。
また、利尿作用で、血管のむくみも取れることも頭痛の緩和に役立ちます。ちょっと頭が痛いというときには、お砂糖を少し入れたコーヒーや紅茶でカフェインを入れると早く頭痛が収まりますよ。
胃酸の分泌を促進
カフェインをとると、消化管が刺激されて胃酸の分泌が盛んになります。食後にコーヒーを飲むと、胃酸が分泌されて消化を助けてくれます。
ただ、食事の時間が夜遅い場合は、眠気覚ましになってしまいますので、注意するようにしてくださいね。
さて、ここまでカフェインの効果をご紹介してきましたが、カフェインが脳の働きに想像以上に大きな影響を与えることが分かりましたね。最近では、アルツハイマー病の発症リスクを減らすという報告まであるそうです。
こうした効果のあるカフェインですが、世界では1日にとる上限が定められている国もあります。(日本にはありません)つまり、取り過ぎると効果より副作用が出てしまう恐れがあるのですね。
よく言われる眠れなくなるというデメリット以外に、カフェインにはどんな副作用があるのかを詳しく見ていきましょう。
カフェインの副作用
カフェインが、眠気を作り出すアデノイドに代わって、その受容体と結びつくために、脳が興奮状態に入り眠気が吹き飛ぶと先ほど説明しましたが、本来眠らないといけないタイミングで起き続けるということですので、睡眠不足や疲労が解消したわけではありません。
そのため、エナジードリンクなどを飲んで眠らずに頑張っていると、どんどん体には疲労がたまり、次のような症状が起こり始めます。
- 不眠
- 吐き気
- 頭痛
- 集中力の低下
- 疲労感
- 軽いうつ症状
結局、カフェインの副作用とは、先ほど見てきた効果が、カフェインが切れると同時に反動としてあらわれてくる症状と言えます。頭痛に関しても、カフェインに頼り過ぎると、血管を収縮させる効果がどんどん低くなっていき、逆に血管が拡張し頭痛が悪化する事態に。
また中毒ともいえる状況になっていると、血液中のカリウムが低下する低カリウム血症や、利尿作用でカルシウムの排出が行き過ぎて低カルシウム血症といった深刻な状態になりかねないのです。
カリウムの血中濃度が低くなる低カリウム血症は、不整脈や筋肉の細胞が壊れはじめ、最悪の場合死亡することもありますので本当に注意が必要です。
ただ、カフェインは体内でとどまって蓄積されるいうことがありませんので、中毒性もそんなに強いものではありません。そうしたカフェインの特性を知って、適量をとること。そうするとカフェインの良い面、効果だけを受け取ることができます。
では、続いて、目安となるカフェインの摂取量と、1日の中でどの時間帯に飲むのが効果的かを見ていきましょう。
妊娠中や授乳期間中は、カフェインの量には神経を配っておられる方が多いですね。
カフェインは、胎児の発育に影響を与えて、低体重児や流産のリスクが高くなります。妊娠中にカフェインを全く取ってはいけないということはありませんが、安全とされる100~200mgを守て健康な赤ちゃんを産んでくださいね!
カフェインの効果的な取り方
カフェインは、体格や年齢によって個人差ありますが、大体3~4時間で体外に排出されます。
1日にとっても安全なカフェインの量
その上で、日本ではカフェインの量に関して基準は定められていませんが、欧州食品安全機関では、1日にとっても安全なカフェインの量が定められています。
- 健康な成人は体重1kgあたりで、1回に3mgまで、1日に5.7mgまで
- 小児~青年は体重1kgあたりで、1日に3mgまで
- 妊婦や授乳中の人は、体重に関わりなく1日に200mgまで
この基準を体重50kgの人にあてはめると、1回に150mg、1日では285mgまでが取っても安全なカフェインの量となり、マグカップでコーヒーを飲むと2~3杯程度の計算です。
また、その量も一度に飲むと血液中のカフェイン濃度が急激に上がって、先ほど見たような副作用が起こりやすくなります。エナジードリンク1本には、コーヒー2杯に相当するカフェインが入っていますので、眠気が覚めるからと何本も飲むと明らかにカフェインオーバーで体のためにもよくありませんよね。
カフェインの安全で効果的な取り方
先ほどの欧州食品安全機関の基準からも分かるように、カフェインを安全に取るためには次の3つを守る必要があります。
- カフェインは、1回で一度に取らない
- カフェインの排出時間を考えてカフェインをとる間隔をあける
- カフェインは1日の摂取量を守る
1日の時間帯の中では、やはり午前中に取ると、脳が目覚めて集中力が上がって、仕事や勉強にも成果が期待できます!午後以降は、寝る時間から5時間は逆算したいところです。
また、最近15~20分の短い昼寝が午後からの効率を上げるとして注目されていますが、昼寝前にコーヒーを飲むと、時間どおりにすっきりと目覚めることができます。
エナジードリンクなどによる急性カフェイン中毒が増えていますが、カフェインは本来中毒性が低いので、中毒からの離脱はそんなに難しくありません。
ただ、毎日継続的に一定量のカフェインを取った人がいきなりカフェインを断とうとすると、頭痛や眠気、注意力の低下などに悩まされます。徐々に量を減らしていけば、こうした深い症状に悩まされることなく1週間ほどでカフェインから離脱できます。
疲れている時にカフェインを取って元気が出るのは、疲労を先送りしているだけです。あまり無理をせずに、眠気は体からの『休もう』のサインですから、きちんを休むようにしてくださいね。
参考サイト:http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2017/09/0902.html
まとめ
カフェインは、コーヒー豆に含まれていることからその名が付きましたが、お茶の葉やチョコレートの原料カカオ豆にも含まれています。
昔から眠気を覚ます覚醒作用があることが知られていましたが、それはカフェインが、リラックスさせて眠気をもたらすアデノイドという脳内ホルモンに似た構造をしているためということが解明されてきました。
その結果、カフェインがもたらす主な効果には次の6つがあります。
- 中枢神経を刺激し覚醒する作用
- 交感神経を刺激し基礎代謝を促進
- 末端の血管を拡張し血流を良くする
- 腎臓の働きを活発にする利尿作用
- 脳血管を収縮し頭痛を緩和
- 胃酸の分泌を促進
ただ本来は、体を休ませましょうというサインである眠気をカフェインの興奮作用で先送りしているだけなので、カフェインを取り過ぎていると、反動が副作用としてあらわれます。
- 不眠
- 吐き気
- 頭痛
- 集中力の低下
- 疲労感
- 軽いうつ症状
中には、低カリウム血症や低カルシウム血症と言った症状が出ることもありますので、注意が必要です。
ですが、カフェインは体内に蓄積されるということもなく、個人差ありますが3~4時間で排出されます。そのため中毒性も低い物質ですので、徐々にカフェインの取る量を落としていけば、副作用からの離脱も比較的簡単です。
日本では基準はありませんが、ヨーロッパの方では体重1kgについて1回に3mgまで、1日に5.7mgまでという安全とされる量が定められています。安全な量と排出される3~4時間と言う間隔を守っていれば、カフェインをとることで脳が目覚めて集中力が高くなるという効果だけを得ることができます。
私も最近は1日に飲むコーヒーは1杯に落ち着いていましたが、このペースを守っていきたいと思いました(笑)