春雨とビーフンの違いを徹底解説!日本に来たイキサツの違いも面白い!


年末に乾物を整理していたら、春雨とビーフンがあるのを見て、本当に似たような見た目をしていると、あらためて思いました。

ですが、姿が似ているのに対して、味は明らかに違いますよね。
名前も、ビーフンはいかにも中国語っぽいですが、春雨は日本語です。

そんなことをツラツラ考えていたら、春雨とビーフンの違いを調べてみたくなりました(笑)。

そこで、本日は、春雨とビーフンの違いについて、原材料と製造方法、栄養とカロリー、さらには歴史や日本に来た経緯まで、徹底的に調べてみました!
なかでも日本に来た時期や背景が全く違うのが個人的には一番面白かったです。

ではでは、始めていきますね。

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似ているけど全く違う食べ物!

春雨ビーフン違いtop
味が違うので、何となく想像はついていたのですが、春雨とビーフンは姿かたちが似ているだけで全く別の食べ物でした。

もし誰かに春雨とビーフンの違いを聞かれて一言で説明するとしたら、

春雨はじゃがいもや緑豆のでんぷん、ビーフンはお米のでんぷんから出来ている

でOKです!

ただ、ちょっとややこしいのが、春雨そのものも種類があったりします。
詳しく見ていきましょう!

原材料と栄養の違い

春雨に種類があるということを踏まえつつ原材料の違いから説明しますね。

原材料の違い

春雨もビーフンも、でんぷんから作られると言う点は共通していますが、でんぷんの素が違います。

  • 普通春雨 じゃがいもやサツマイモのでんぷん
  • 緑豆春雨 緑豆やえんどう豆のでんぷん
  • ビーフン うるち米のでんぷん

普通春雨は、国産の春雨で、奈良県が主な生産地です。

一方の緑豆春雨は、中国からの輸入品。昭和の初めに国産化に成功するまでは春雨と言えば緑豆春雨だったようです。この辺りは後ほど歴史のところで詳しく説明したいと思います。

また、最近は米由来のでんぷん100%というビーフンは減って、コーンスターチ(トウモロコシ由来のでんぶんですね)を加えるようになりました。コーンスターチが加わることで、風味も良くなり、茹でたときに伸びにくいという欠点も無くなることが大きいようです。

さて、原材料が違うとなると、もちろん栄養にも違いも気になりますね。カロリー含めて確認しましょう。

栄養とカロリーの違い

茹でると、春雨は約4倍に、ビーフンは約3倍に増えます。茹でた後の栄養成分で比較したかったのですが、ビーフンは茹でた後の栄養成分が見当たりませんでしたので、乾麺で比べることにしましたm(__)m

春雨とビーフンの栄養とカロリーの違いを表にしてみました。

100gあたりの栄養素普通春雨緑豆春雨ビーフン
エネルギー350kcal356kcal377kcal
たんぱく質0g0.2g7.0g
脂質0.2g0.4g1.6g
炭水化物86.6g87.5g79.9g
食物繊維総量1.2g4.1g0.9g
カリウム14mg13mg33mg
カルシウム41mg20mg14mg
マグネシウム5mg3mg13mg
ビタミンB10mg0mg0.06mg
ナイアシン0mg0mg0.6mg
葉酸0μg0μg4μg
パントテン酸0mg0mg0.09mg

文部科学省「日本食品標準成分表」(2015年版七訂)から抜粋

え?春雨のカロリー(エネルギー)はこんなに高いの?と驚かれたかもしれませんが、水で戻す前の乾麺100gのカロリーですのでご安心くださいね。
調理師さん

1食で使うg数はレシピによって様々ですが、20gと仮定した場合のカロリーは、春雨もビーフンも約70kcal。カロリーは、ほぼ同じと考えてよさそうですね。

栄養成分としては、さすがでんぷんが主原料。炭水化物が80~90%という高さです。

それ以外の栄養成分については、表にはしましたが、食品表示基準上、“含まれている”と言えるのは緑豆春雨の食物繊維だけという状況。つまり、春雨もビーフンも炭水化物として食べると思った方がよいということですね。

ただ、春雨にはビタミン類が含まれていないのに対して、お米から作られるビーフンはビタミンB群を少しとはいえ含んでいます。この点が、春雨とビーフンの唯一の栄養の違いと言えますね。

では、続いて製造方法にはどんな違いがあるのか見ていきましょう!

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製造方法

姿かたちが似ている春雨とビーフンですが、

  • 春雨は、落下式製法
  • ビーフンは、ところてん式製法

と違う製法で作られています。

ところてん式は何となくイメージできますが、「落下式製法って何?!」ですよね(笑)。

春雨は落下式製法で作られる

春雨は、落下式製法と呼ばれる次のような手順で作られています。

  1. でんぷんを熱湯で糊上に練り、春雨の生地を作る
  2. 直径1mm弱の穴が開いた容器に生地をいれ、熱湯に押し出して茹でる
  3. 茹で上がったら、水で冷やし冷凍する
  4. 冷凍したものを再び解凍して天日干しで乾燥させる
  5. 食べやすい長さにカットして完成!

生地を湯に落とすから「落下式製法」と呼ぶそうです。

緑豆春雨も、国内で生産される普通春雨もこの製法で作られるのですが、緑豆春雨には、いったん冷凍して解凍するという凍結工程はありません。なぜ、わざわざこんな手間をとっているのかですが、この工程があるか無いかで食感に大きな違いが生じます。

凍結工程を経ると、春雨の表面に凸凹と麺の中にも細かい空洞が生まれます。これが普通春雨の味付きが良くなり、なめらかな食感を生み出す秘密だったのです!

ビーフンはところてん式製法で作られる

では、ビーフンを作るところてん式製法とはどんなものでしょうか。同じく手順を見てみましょう。

  1. 米を水に浸し水分を吸わせる
  2. ①の米に水を加えながら挽いて液状にする
  3. ②をろ過してでんぷんを抽出
  4. でんぷんに水を加えて加熱し、ビーフンの生地を作る
  5. 小さな穴が開いた筒状の容器に生地を入れ、ところてんのように押し出す
  6. ⑤でひも状のビーフン生地を熱湯でゆで冷やす(この工程を飛ばして乾燥させることも)
  7. 乾燥させて、食べやすい長さにカットして完成!

生地を練る→成型→(茹で)→乾燥→という基本は、春雨とビーフンは似ています。何が違うのか分からないぐらいですが、成型の時に生地が落ちていくのを待つか、押し出すか、ここがポイントですね。

ところてん突き
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日本に来たイキサツ

生春巻き
さて、ここからは春雨とビーフンの歴史になります。

そもそも春雨もビーフンも中国で生まれた食べ物なのですが、日本に来た時期には大きな隔たりがありました!

ともに生まれたのは中国

春雨は、西暦1000年ごろに中国で誕生しています。現在は、中国東部に位置する山東省が主な産地です。中国では、「粉条(フェンティアオ)」「粉絲(フェンスー)」と言う名前で呼ばれています。

一方のビーフン。こちらは中国南部の福建省周辺で生まれました。中国語では、「米粉(ミィーフェン)」といい、ビーフンと似た感じですね。

麺類といえば、日本のうどんを始め、小麦粉で作られることが多いものですが、小麦粉の生産が少ない東アジア全般では米粉で作る麺類が主流をしめます。中国語では、小麦粉で作る「麺(ミェン)」と米粉で作る「粉(フェン)」と単語も違ってきます。

日本では春雨が大先輩

春雨が日本で食べられるようになった歴史は古く、なんと鎌倉時代に日本に伝わってきました。ただ、当時は一般庶民の食べるものではなく、禅宗の精進料理に使われていたとのこと。

昭和12年に奈良県桜井市の森井食品が初めて春雨の国産化に成功するまでは、中国や朝鮮半島から輸入する食品でした。それまでは、「豆麺」と呼ばれていたのですが、国産春雨が出来たからでしょうか。“細くて透明”なところが春の雨のようだと「春雨」という名前で呼ばれるようになりました。

国産1号春雨

ビーフンが日本に来たのは第二次大戦後

では、ビーフンはいつ日本に来たの?と調べたところ、こちらは第二次世界大戦後とぐっと歴史が浅くなります。ビーフンと言う名前は、「米粉」を台湾語で発音した外来語です。

終戦後に、ビーフンが日常的に食べられている東アジアの地域から引き揚げてきた人たちの間で、「もう一度ビーフンが食べたい」という声が多かったそうです。その声にこたえる形で、「ケンミンの焼きビーフン」で有名なケンミン食品が1950年に最初の即席ビーフンを製造し販売を開始しました

まとめ

姿かたちが似ている春雨とビーフン。ともに主原料はでんぷんですが、春雨はさつまいもやジャガイモのでんぷんから、ビーフンは米のでんぷんから作られています

栄養面では、でんぷんが主原料だけあって、80~90%が炭水化物になり、ビーフンに少しビタミンB群が含まれるほかは、カロリーも大きな違いはありません

でんぷんを練った生地を加熱し、麺の形に整えて乾燥して長さを揃える。
春雨とビーフンは製造方法も基本の流れは似ています。ただ、成型のときに、春雨は生地が容器から落ちるのをまつ『落下式製法』をとり、ビーフンは生地を容器から突き出す『ところてん式製法』をとります。

春雨もビーフンも中国で生まれた食品ですが、日本で食べられるようになったのは、春雨は鎌倉時代までさかのぼります。当時は、禅宗の精進料理に使われていました。

ただ、春雨が国産化されたのは昭和初期のこと。それまでは、中国や朝鮮半島から輸入されており、『豆麺』と呼ばれていました。透明で細い様子が春の雨に似ているとして『春雨』という名前が付いたのも昭和初期のころです。

一方のビーフンが日本で食べられるようになったのは、第二次世界大戦後と比較的最近のことです。終戦後にアジアから引き揚げてきた人の『ビーフンが食べたい』という要望に応えて国内で生産されるようになり、普及していきました。

鎌倉時代と昭和初期。日本に伝わってきた時代の幅があるのが驚きの違いでした。個人的には、この日本で食べられるようになった歴史や経緯が一番面白い違いでした(#^^#)

春雨は消化に良い食べ物!でも調理次第では消化に悪いことも!

2018.01.06

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