冬、こたつから出ると、足のすねの皮膚がカサカサになってしまって、白く粉をふいたようになっていることがありませんか?
我が家はリビングの暖房は、こたつとファンヒーターの両方を使っています。足が乾燥してかゆみを感じるとしても、こたつに入らないわけにもいかないのも悩みどころだったりします。
数年前は、湿疹になってしまって、皮膚科にお薬をもらって、ようやく治まりました。
そのときに皮膚科の先生が、一般に乾燥しにくいお腹の皮膚の毛穴がきゅっと閉まっているので、少しアトピーの気があるから、こたつが家にあるならしっかり保湿しなさいと言われたのです。
今年は、いつもよりあご部分の肌が乾燥しているので、特にこたつの乾燥に気を付けた方が良いかもと調べてみたところ、こたつで起こる足の乾燥にも2種類あるということも分かりました。
その症状の違いと、こたつで起こる肌の乾燥の対策をお伝えしていきますね。
■目次
冬の乾燥肌がこたつでさらに乾燥する
冬は、ご存知のように空気の乾燥する季節。
そして、乾いた空気が肌の水分を奪うために、肌の乾燥が悩ましい季節です。
また、寒くなると血行も悪くなりますので、手足も冷たく、肌に必要な栄養がいきわたらないため、肌にとってはさらに乾燥しやすい条件が揃います。
では、肌が乾燥すると、どうしてかゆくなるのか。こたつで一層肌が乾燥するという話の前に、肌の仕組みを見てみたいと思います。
肌が乾燥してかゆくなる仕組み
この本当に薄い角質層が、体の内部と外側と隔てるバリアであり、体内の水分の蒸発や異物の侵入を防ぐという重要な役割を担っています。

美しい肌とされるのは、この角質層が規則正しく整っている状態のことというのは、女性なら誰もが知っていることかもしれませんね。
角質層は、重要な役割を担う一方で非常にデリケートな存在です。空気の乾燥や摩擦で簡単に傷ついてしまいます。
これがよくいうターンオーバーの乱れですね。冬の肌が荒れやすく、くすみやすいのはこうした理由なのです。
そして、角質層が傷つくと、バリア機能にほころびが出来て、そのほころびから水分がどんどん蒸発していきます。こうなると、皮膚は外からの刺激をかゆみとして感じるようになります。
こたつでさらに進む肌の乾燥
乾いた空気で乾燥してかゆみを感じやすくなっているところに、冬を過ごすために欠かせない暖房で室内の空気はいっそう乾燥した状態です。
その中でも、こたつは他の暖房器具と比べても、熱源と体の距離が近い暖房器具です。しかも、その状態で数時間いることもあります。
こたつの中の温度は、一番低い温度設定でも体温より高い約40℃あるといいます。そうすると、人間は汗をかいて体温を調節しようとするので、こたつに入っているときは知らず知らずに汗をたくさんかいています。
さらに、こたつの中で足は、熱源の近くで直接熱を浴びているわけですから、こたつの中で足の皮膚はどんどん水分を失っていっていると簡単に想像できます。
こたつは体全体の水分も奪いますが、こたつの中にいれる足は直接熱を受けるために、特に乾燥してかゆみが出やすいということなのです。
こたつで足に出るかゆみは2種類
こたつに入っていて足がかゆくなる場合、温熱じんましんか皮脂欠乏性湿疹が考えられます。
「足がかゆくなる」ことに変わりはありませんし、そもそも2種類にかゆみが分かれるとは思っていなかったので驚きました。
温熱じんましんと皮脂欠乏性湿疹、何がどう違うのかをもう少し見ていきましょう。
温熱じんましんの症状となりやすい人
温熱じんましんとは、皮膚が急にあたたまることが原因のじんましんです。
皮膚が温水や温風など体温よりも温度が高いものに触れると、かゆみを出すヒスタミンという化学物質が分泌されて引き起ります。ヒスタミンで皮膚の血管が拡張して、血液成分が血管外にもれるため、赤く盛り上がりのあるじんましんが出ます。
体全体が温まる状態では全身に出ますが、こたつのように下半身だけが熱に当たる場合は熱に当たった場所だけじんましんが出ます。小豆大ぐらいの大きさで少し盛り上がりがあり、強いかゆみがあります。
温熱じんましんになりやすい人は、次のような人たちです。
- 温熱じんましんになりやすい人
- 寒がり
- 血行が悪い
- やせている
- 敏感肌
- 乾燥肌
温熱じんましんではないのですが、顔全体がかゆくて赤くなったことがあります。
お医者さんが見るなり一言、「ヒスタミンが出ている」とおっしゃって、飲み薬を処方いただきました。それが、ヒスタミンという言葉を初めて知った時であり、お薬を飲んですぐに治ったので、“ヒスタミンには薬が効く”という刷り込みがあります(笑)
この温熱じんましんは強いかゆみもありますので、早めに皮膚科に行くことをおすすめします。
皮脂欠乏性湿疹の症状となりやすい人
皮脂欠乏性湿疹は、空気の乾燥や肌のうるおいを奪う洗浄剤・薬剤などとの接触から、皮膚が乾燥してカサカサしたり、白い粉をふいたりするかゆみのある湿疹です。重症になると、皮膚がひび割れてかゆみだけでなく痛みを伴うこともあります。
以前は、皮脂の分泌が衰えてくる高齢者に多かったのですが、最近はアトピー性皮膚炎や石けんやボディーシャンプーの使い過ぎなどもあり若年層や子供の世代にも増えてきています。
- 皮脂欠乏性湿疹になりやすい人
- 高齢者
- アトピー性皮膚炎の素因のある人
- 石けんやボディーシャンプーで洗いすぎる人
- 洗浄剤を使う美容師・看護師
- 紙(紙幣)をさわる銀行員
- 主婦
症状が軽い場合は次でご紹介する乾燥肌対策で治まることがありますが、こちらも重症化すると、かゆみから、ついついかいてしまい悪化させることにもなりかねません。そうならないうちに、適切に皮膚科を受診してくださいね。
対策としてできること
こたつに入って出る足のかゆみ対策としては、こたつの入り方として気をつけることと、一般的な乾燥肌対策を分けてご紹介しますね。
こたつの入り方でできる対策
水分補給をこまめに
こたつに入っている時は思っている以上に汗をかいているので、こまめに水分をとりましょう!
こたつでみかんを食べることもとても理にかなっています。みかん以外では、一番いいのは白湯ですが、常温の水もよいです。
こたつは低温設定で使う
先ほども述べましたが、こたつは低温設定でも体温より高い40℃近い温度になります。
高温設定では、こたつの中は60℃にまで上がりますので、体の水分や足の乾燥を考えるとこたつは「低温設定」で使うようにしましょう。
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乾燥肌全般で使える乾燥対策
お風呂の湯温はぬるめで短時間
42度以上の熱すぎるお風呂に長く入ると、必要な皮脂まで洗い流すことになります。
肌の皮脂にとって良い温度は36度前後だそうですが、少しぬるすぎないか心配です。
熱すぎずぬるすぎない38~40度のお風呂を短時間。これが必要な皮脂を残すためにも最適なお湯の温度ですよ。
入浴時のナイロンタオルをやめる
ナイロンタオルで洗うと必要な皮脂まで洗い流すことになります。汚れは、手に石けんを泡立てて、手の平で洗うだけでも十分に落ちます。
また、石けんや洗浄剤は、刺激の少ないもので優しく洗うこと!
肌着・パジャマは天然繊維のものにする
ポリエステルやナイロンでできた肌着やパジャマは、保湿性が低く肌の水分を奪います。静電気も発生するので、冬の乾燥する季節には普通肌の人でもかゆみを感じることがあるでしょう。
綿やシルクは、天然繊維の中でも保湿性に優れています。
シルクの靴下は、肌の保湿という点からもとても効果的です。
ボディクリームで保湿する
肌から水分が蒸発するのを防ぐためにボディクリームで保湿しましょう。お風呂から上がって5分以内に塗ると保湿効果も高まります。
また、ボディクリームも香料や着色料の入った刺激の強いものは避けた方が良いです。
血行を良くする
温熱じんましんが出た人は、体を温めて血行を良くすることも対策として効果的です。
冷えた体が急に温まることで出るじんましんですから、血行を良くして普段の体温を高めておくことで症状を緩和できます。
肌にうるおいを与える食事
肌にうるおいを与えるのは、ビタミンA・B・C・E、セラミド、α-リノレン酸、亜鉛などを含んだ食品です。具体的には、レバー・うなぎ、大豆・納豆・わかめ、パプリカ・アボカドなどがあります。
体を冷やすので塩分をとりすぎないようにしましょう。

まとめ
空気が乾燥する冬は、肌も乾燥して刺激に対してかゆみを感じます。
暖房器具のこたつは、熱源が体に近く、こたつの中の温度は体温以上となることから、汗として体全体の水分が失われることと足のすねの乾燥が局所的に強くなってしまいます。
症状としては、急に温まることで出る温熱じんましんと皮脂の分泌が少ないことから起こる皮脂欠乏性湿疹の2種類に分かれます。
対策としては、こたつの温度を低めに設定すること、こまめに水分を補給することと言ったこたつの入り方でできるものと、乾燥肌対策全般が有効です。
こたつの温もりは捨てがたいものがあります。乾燥肌対策で、こたつに入ってもかゆくならない足を目指したいですね。
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