唇の端、口角にピッと裂け目が出来る口角炎。
出来ない人は、まったく無縁のようですが、私は子供の頃から年に数回はなってしまう方です。
大きな病気になったり熱を出したりしない分、小さな不調はよく出るタイプといいましょうか。
この口角炎、何が辛いって、カサブタができて治るかなというタイミングで、口を開くとまた裂けるということを繰り返すために、なかなか治りきらないということ。
口を一日開かずに過ごすなんて不可能なうえに、私の場合、口角炎の出来ている時に歯医者に行くということが多く、そのたびに歯科衛生士さんにワセリン塗ってもらってました。
それだけ、口角炎にも歯医者にもご縁があっただけかもしれませんが(笑)。
今も小さな口角炎が治ったばかりです。
ちょっと考え込むことが続いていて眠れなかったり夜中に目が覚めたりする日が続いていました。
ですが、それが口角炎の原因になっているのか、小さいころからの付き合いの口角炎の原因にはどんなものがあるのか、無性に気になりだしました。
本日は、口角炎の原因についてと早く治すための注意点についてもお伝えしていきますね!
口角炎の4つの原因
口角炎は、単なる肌荒れと思っていましたが、今回調べてみてカンジダ菌などの細菌による炎症の場合もあると初めて知りました。
ただ、口角炎がすべてカンジダ菌によるものかというとそうでもないようです。
カンジダ菌による口角炎の特徴の一つに、唇の両端が切れるということがあります。
私が口角炎になるときは、必ず左側の口角だけです。
どうもカンジダ菌や細菌が繁殖する手前段階で、口角が切れてそのうち治るというのが私の口角炎のようです。
しかし、いずれの場合も引き金となるのは胃の不調や体力の低下など共通の原因があるといえます。
口角炎の主な原因を整理したものが次の4点です。
- ストレス・睡眠不足などによる免疫力の低下
- 食べ過ぎなどによる胃の不調
- 乾燥や唾液かぶれなどの肌荒れ
- 食生活の偏りからくるビタミンB不足
いずれの場合も私のようにカンジダ菌が炎症を起こす手前で口角が切れるということもありますし、完全にカンジダ菌が増えて唇の両端ともに切れるということもあります。
カンジダ菌は普段から人の皮膚に存在する常在菌ですが、免疫力が落ちるなどすると一気に増えて炎症にまで進んでしまうのです。
では続いて口角炎の原因について、それぞれを詳しく見ていきますね。
免疫力の低下
ストレスや睡眠不足が続くと疲れがたまり免疫が低下し口角炎ができます。
確かに、私の口角が切れているときも食べ過ぎが思い当たることもありましたが、最近疲れているなぁということも多いように思います。
こうした状態が続くと、カンジダ菌などの細菌からくる口角炎に進んでしまうことになります。
そうなると、病院で抗真菌の薬を処方してもらう必要も出てきますので、早い段階で生活のリズムを整えて疲れを取るようにしたいですね。
胃の不調
子供の頃に口角炎が出来ると、「胃が荒れている」とは言われたことを思い出しました。
この考えは東洋医学に基づいており、口は胃や腸と同じ消化器の一部であるとされています。
そのため、食べ過ぎや油っこい食事が続くと胃の調子が悪くなり、同じ消化器である口角が切れます。
その逆に、口角が荒れると胃の調子も悪くなるとも考えられているそうです。
この考えは面白いですね!
口は、物を咀嚼する場所と考えると、食物を運んでいけばよいという感覚ですが、消化器の一部と考えると今までとは違う見方が出来る気がします。
乾燥・かぶれなどの肌荒れ
健康な時は問題がないのですが、乾燥やかぶれなどで皮膚が傷ついていると、カンジダ菌やブドウ球菌などが繁殖してしまい口角炎がおこることがあります。
空気が乾燥する時期というと、秋から冬と思いますが、最近は夏の冷房でも室内の空気は乾燥しがちです。
そして、口角は唾液や食べ物との接触が避けられない場所です。
肌が敏感な人や、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎など皮膚の弱い人は、こうした刺激でも皮膚がかぶれやすくなっていますので、特に気を付けたい原因です。
食生活の偏り
口角炎になる原因の最後は食生活の偏りです。
食生活は、口角炎に限らず健康な生活の要ですが、口角炎といった皮膚疾患の場合、皮膚や粘膜の健康に不可欠なビタミンB2とB6の不足が心配されます。
特に、ビタミンB2は皮膚や粘膜を健康に保つために不可欠なビタミンです。
不足すると、口角炎だけではなく口内炎や眼精疲労、脂漏性皮膚炎(小鼻の脇にできる小さな脂肪のおでき)などのトラブルが。
先ほどの胃の不調とも関連してきますが、揚げ物を食べる機会が多いとビタミンB2を意識してとる必要があります。
そしてビタミンB6は、たんぱく質の代謝に必要なビタミンであり、ビタミンB2と同じく皮膚や粘膜の健康に関連してきます。
ビタミンB6はあまり不足することがないビタミンではありますが、不足すると湿疹や肌荒れの原因となります。
口角炎で唇の端が数ミリ切れただけでも体の健康状態が色々と読み取れるのだなぁと驚きました。
さて、こうして口角炎の原因が分かってくると、原因に対して予防はできるものなのか気になりますね。
口角炎は、とにかく一度出来ると治りにくいものですから、早く治すための注意点も一緒に見ていきましょう!
口角炎と間違えやすい唇のトラブルとして口唇ヘルペスがあります。
カンジダによる口角炎との違いは、唇の片側に出来ることと、痛痒い水ぶくれが一緒に出来ていること。
俗にいう『熱の花』と言われる唇のトラブルが口唇ヘルペスです。
ストレスや疲労、風邪気味といった、やはり免疫が落ちている時に発症しやすい皮膚疾患です。
人に移りますので、タオルなどを一緒に使わないように注意が必要です。
口角炎は予防できる?
原因が分かっているということは、原因を作らなければ口角炎を予防できるということになりますよね。
先ほど4つの原因を見ていただいたので、想像がつかれる予防策をあると思いますが、それにプラスして、ちょっとした生活の工夫もお伝えしていきますね。
- 規則正しい生活で免疫を下げない
- 胃の調子を保つために食べ過ぎない
- 肌を清潔に保ち保湿する
- バランスの良い食事
しっかりと睡眠をとる、適度な運動を心掛ける、そしてストレスをためすぎない。
口角炎に限らず健康な生活には守りたいことばかりですね。
年末年始のお酒の席が増えるシーズンや、冷たいものを食べたり飲んだりしておこる夏バテも要注意ですね。
食事の後、口の周りを清潔な濡れたタオルで強くこすらないように拭うだけでも唾液と食べ物の刺激がやわらぎます。
また意外なところでは、歯磨きで使う歯磨き粉の刺激です。
歯磨きの後は、口の周りに歯磨き粉が残らないよう丁寧にすすぐようにしましょう。
そして、やはり何と言っても保湿です。
健康な状態であればリップクリームで十分ですが、肌の弱い人はワセリンを使った方が良いかもしれません。
先ほどお伝えしたビタミンB2、B6以外にもビタミンAと鉄分を合わせてとる食事が口角炎の予防によい食事です。
それぞれ、多く含む食材としては次のようなものがあります。
ビタミンB6:牛レバー、鶏ささみ、カツオ、サバ、さんま、玄米、ニンニク、バナナ、など
ビタミンA:レバー、うなぎ、ニンジン、ほうれん草、ブロッコリー、トマトなど
鉄分:いわし、焼きのり、鶏レバー、卵黄など

早く治すための注意点
口角炎は、一度出来ると本当に治りにくいものです。
私の口角炎は、毎回比較的軽い方ですが、寝ている間に出来たカサブタが朝食でペキッと裂けて元の木阿弥という経験を何度もしています。
出来るだけ口を開かないようにというのは誰しも気を付けるところですが、無意識にやりがちなのが、口角炎が気になって舌でなめてしまうことです。
唾液もよくありませんし、舌の触ることも刺激になります。
また予防のための保湿にはリップクリームでも大丈夫でしたが、口角が切れている状態ではリップクリームの香料が刺激になることがあります。
薬局でも買える白色ワセリンでの保湿がおすすめです。
もし、リップクリームを使うなら最低限無香料の物を使ってくださいね。
長引くようなら病院へ
そして、長引いて治らないようなら、やはり病院で診てもらいましょう。
口角炎は、皮膚科か口腔外科もしくは内科で診察してもらえます。
診断された結果から、保湿剤や抗真菌薬、抗生物質、ビタミン剤などが処方されます。
また先ほど口角炎の原因の一つにビタミンB2不足があると述べましたが、ビタミンB2が不足する原因として肝疾患や糖尿病が隠れていることがあります。
もし口角炎が1ヶ月以上治らない場合や頻繁に発症する場合などは、こうした内臓系の疾患が疑われます。
口角炎と一緒に体重や尿に変化があるようなら特に注意が必要となってきます。
必ず病院に行って検査を受けるようにしましょう。
まとめ
子供の頃から、年に数回こしらえてきた口角炎。
大人になっても、ちょっと考え込んだり悩んだりすると口角炎ができるため、原因になるものを調べてみたところ、口角炎の原因はストレスだけではないことが分かりました。
- ストレス・睡眠不足などによる免疫力の低下
- 食べ過ぎなどによる胃の不調
- 乾燥や唾液かぶれなどの肌荒れ
- 食生活の偏りからくるビタミンB不足
予防として出来ることは、
- 規則正しい生活で免疫を下げない
- 胃の調子を保つために食べ過ぎない
- 肌を清潔に保ち保湿する
- バランスの良い食事
があげられます。
口の周りを清潔に保つためにも、日常生活では食事の後に口の周りをきれいに拭うことや、歯磨きの後に歯磨き粉をしっかりすすぐことを心掛けると良いでしょう。
口角炎は一度出来ると、口を開くときに治りかけのカサブタが裂けるためになかなか治りにくい疾患です。
保湿をして口を大きく開かないようにということも必要ですが、つい舌でなめないようにすることも気を付けないといけません。
それでも治らない場合は、やはり皮膚科や口腔外科または内科を受診して保湿剤や抗真菌薬などを処方してもらいましょう。
また口角炎が長引いたり頻繁に起こったりする場合は、糖尿病などの内臓疾患の可能性もあります。
体重や尿の変化なども同時にある場合は、必ず検査を受けるようにしましょう。