冷蔵庫の野菜室から、緑色の謎の物体が出てきて驚くということが、皆さんも一度や二度はおありではないでしょうか。
“何これ?!”と驚いた次の瞬間に、“あ、これ、きゅうりやわ”と気づいてホッとすると同時に、きゅうりってこんな風になるのねと違う意味で驚いたりして(笑)。
きゅうりは、約95%が水分のため日持ちもしませんし、傷むとグジュグジュになりやすい野菜なのですね。
ですが、旬である夏ともなれば、袋詰めでまとまった本数を買うことも多いきゅうり。せっせと食べるにしても、やっぱり長持ちさせたいですよね。
そこで本日は、きゅうりの保存方法についてお届けします!基本は、冷蔵庫での保存ですが、冷凍した場合や保存食にして楽しむ方法までお伝えしていきますね!
■目次
きゅうりを保存する方法
水分が多いきゅうりは、風味が落ちやすく長期保存には向かない野菜ですが、次の4つの方法で保存することができます。
- 常温で保存(冬だけ!)
- 冷蔵庫の野菜室で保存
- 冷凍して保存
- 保存食にしてしまう
下に行くほど、保存できる期間は長くなりますが、それぞれを見ていく前に、きゅうりを保存するときの基本的な手順からご紹介しますね。
きゅうりを保存する基本の手順
きゅうりは暑い季節が旬の時期ですので、低温と乾燥が苦手です。ですが、乾燥を防ごうとして密閉すると、今度はきゅうり自身の水分で傷んでしまうというデリケートさがあります。
そのため、きゅうりを保存するときは、
- 冷やし過ぎないこと
- 通気性を保つこと
が、きゅうりを長持ちさせる2大ポイントになってきます。
風味の点からも1本を一度に使い切ることがおすすめですが、切ったものを保存するときも保存の手順は同じです。
- きゅうりを保存する手順
- きゅうりの皮についている水気を拭きとる
- ポリ袋に入れる
- ヘタを上にして立てて野菜室で保存する
水分がついている部分から傷みますので、きれいに拭き取ります。
通気を良くするために、袋の口は閉じないでおきます。
畑になっていた状態で保存すると野菜は長持ちしますので、きゅうりの場合はヘタを上にして立てて保存します。
牛乳パックやペットボトルの底を切り取って、ホルダーにすると立たせやすいですし、整理もできて便利ですよ。
これで、きゅうりを保存する基本の手順はOKです。では、この手順を踏まえた上で、キャベツを保存する4つの方法を順番に見ていきましょう!
きゅうりを常温で保存
きゅうりが好む温度は、10~13℃と言われます。決して高い温度でもないですが、寒さが苦手ということがわかる温度です。
このことから、気温が高い時期も常温保存はできませんが、気温が低い真冬も屋外での常温保存は無理という事が分かります。
また、季節によって常温で保存できる日にちも差がありますので目安となる日数を表にまとめましたのでご覧ください。
季節 | 保存期間 |
冬 | 3~5日 |
春・秋 | 1~2日 |
夏 | 常温保存不可! |
春と秋は、気温の変化が大きい季節ですよね。日中の最高気温が20℃を超すかどうかで保存できる長さが変わるので、上の日数はあくまで目安と考えてくださいね。
また、どの季節も風通しが良い冷暗所が保存に適した場所です。そこに、基本の手順でご紹介したように、ヘタを上にして立てて保存してください。
では、続いて冷蔵庫での保存方法についてお伝えしますね!
保存は基本的に冷蔵庫で
多くの野菜と同じく、きゅうりも冷蔵庫の野菜室での保存が基本になります。また、冷蔵庫なら使いかけのきゅうりも保存できますし、小口切りにしたものも短い日数なら保存可能です。
きゅうりは、低い温度が苦手ですので冷蔵庫の野菜室で保存します。もし、野菜室がいっぱいのときは、冷蔵室のドアポケットに立てて保存しても大丈夫。
反対に、冷やしすぎてしまうと、ビタミンCも壊れてしまいますし、そのうち、白く濁った汁が出てきて腐り始めます。
冷蔵庫での保存場所を踏まえつつ、まずは、1本の姿のきゅうりの保存について見ていきましょう。
きゅうり1本を冷蔵庫で保存するとき
あらためて、基本の保存手順をおさらいです。基本の手順で保存する場合、4~5日が保存できる期間です。
もし、旬の時期に箱買いしたり、まとまっていただいたりして、4~5日で使い切れない量のきゅうりがある場合は、次の手順をプラスすると1週間~10日間は新鮮なまま保存が出来ますよ。
使いかけのきゅうりを保存するとき
きゅうりは、風味が落ちやすく、傷みやすい野菜なので、できれば1本は一度に使い切りたいところですが、料理によっては2分の1しか使わないということがありますね。
保存できる日数は、2~4日が目安です。
使いかけの物は、切り口がどうしても酸化します。また場合によっては、切り口が変色することもありますので、使う時は必ず切り口を(変色した部分まで)切り落としてから使ってくださいね。
輪切りなどのきゅうりを保存するとき
調理しようと切ったものの使い切れなかった場合、ラップをするか密閉できるタッパーなどの容器に入れて冷蔵室に入れてください。
ですが、保存できる期間は1~2日です。翌日には、使うつもりで保存します。
小口切りの場合は、軽く塩もみしてしまうという手もあります。こうすると保存できる期間も1週間程度とかなり延びますね。使う時には、塩気を水洗いしてから調理してください。
ただ、塩もみして冷蔵保存は、栄養的にはあまりおすすめできる方法ではありません。塩もみの手間をかけるなら、そのまま冷凍保存してしまう方が、栄養の面からも保存期間の面からもおすすめですよ。
使い切れない時は冷凍保存も可能
きゅうりが大量にあって、1本ずつキッチンペーパーでくるんでも1週間で食べきれないぞというときは、思い切って冷凍保存です。冷凍すれば、2週間~1ケ月と保存期間が長くなります。
ただし、1本での冷凍はできませんし、生のきゅうりのポリポリとした食感はなくなってしまいます。輪切りや小口切りにした上で冷凍し、解凍後は酢の物やポテトサラダなどで使っていきます。(かなり限定されますね)
では、塩もみと砂糖とお酢でもむ2パターンをお伝えしますね!
塩もみして冷凍保存
- きゅうり1本を小口切りもしくは輪切りにする
- キッチンペーパーで水気を拭きとる
- 塩を1つまみ振りかけて、塩もみする
- 軽く水気を絞り、保存袋に入れる
- 金属トレーに乗せて冷凍庫に入れる
水分を抜いてから冷凍するため、1ケ月は保存できます。解凍しても少しシャキシャキとして食感が残りますし、色目も鮮やかです。
解凍は冷蔵庫で自然解凍です。そのまま食べてもいいですし、水にさらして塩気を抜いてサラダや酢の物にして食べてください。
砂糖と酢でもんで冷凍保存
- きゅうり1本を輪切りや千切りにする
- キッチンペーパーで水気を拭きとる
- 保存袋にいれて、砂糖小さじ1・酢小さじ1を加えてもむ
- 全体になじんだら、冷蔵庫で30分寝かせる
- 金属トレーに乗せて冷凍庫に入れる
塩もみと同じく、解凍は冷蔵庫で自然解凍させますが、保存できる期間は短めの2週間です。軽く絞れば、そのまま酢の物に使えますよ。
保存食にして楽しもう!
たくさんのきゅうりが手に入ったら、新鮮なうちに保存食にすると、きゅうりの楽しみ方がさらに広がります!
きゅうりの保存食で最もなじみ深いのは、やはり浅漬けやぬか漬けと言ったお漬物ですね。浅漬けには栄養成分を損なわないというメリットがありますし、ぬか漬けは、きゅうりのカリウム量が増える・乳酸菌も取れるというメリットがあります。
その他にも、ピクルスにするといった楽しみ方もできますが、いずれも2~3週間ほど保存可能です。
面白いところでは、干しきゅうりや、きゅうり酒といった楽しみ方もありますのでご紹介したいと思います。
- 干しきゅうりの作り方
- きゅうりを1cmの厚さに輪切りする
- 天日で2~3日干す
これで、1ケ月は保存が可能です。
水分とともに、きゅうりの青臭さが抜けて、うまみと風味が凝縮されます。また生の時とも漬物とも違うバリバリとした食感が出ますので、炒め物に入れて食べてみてください!
私は100均で買った野菜干しネットを使っていますが、こんなおしゃれなものもあるんですね~↓
- きゅうり酒の作り方
- きゅうり5本をよく洗う
- 水気を拭きとり、広口瓶に入る大きさに切る
- 広口瓶にきゅうりとホワイトリカー(35度)1リットルを注ぎ、蓋をする
- 冷蔵庫で3日寝かせて、きゅうりを取り出す
1日1回、寝る前に30mlずつ飲んでいくと、胃腸の疲労回復と消化吸収を助ける効果があるそうです。夏にはピッタリかもしれませんね!(きゅうり酒も保存できる期間は1ケ月が目安です。)
こんな状態のときは食べてはいけません!
ここまで、きゅうりの保存方法と保存できる期間をお伝えしてきましたが、季節や保存している環境によっては、食べられる期間は違ってきます。保存期間が過ぎていなくても、おかしいと思ったら、食べてはいけません!
ここでも頼りになるのは、自分の目と鼻ですが、食べてはいけない状態の判断ポイントをいくつかお伝えします。
- 切ってみたら、果肉が白くてフニャフニャしている
- 果肉が黄色や茶色に変色している
- きゅうりから液体が出ている
- 腐った臭いがする
- 皮にヌルヌルもしくはグジュグジュした部分がある
- カビが生えている
果肉の一部がおかしいとか、皮の一部がグジュグジュしているようなときは、取り除いて食べることもありますが、日にちが経過して鮮度が良くない証拠ですので、注意しないといけません。
もちろん、全体が変色している、嫌な臭いがする、ヌルっとしているような場合は、腐っている状態ですので、食べずに捨ててくださいね。
まとめ
きゅうりは、暑い季節が旬という事もあり、寒さと乾燥が苦手です。
10~15℃が保存に適しているため、夏以外は常温保存可能ですが、水分が多く傷みやすい野菜ですので基本は冷蔵庫の野菜室での保存が向いています。
乾燥が苦手な反面、ポリ袋の口を閉め切ると、きゅうり自身の水分で傷んでしまうため、袋の口は開けたまま保存します。この基本の保存手順で野菜室に保存すると、約4~5日間は保存することが出来ます。
さらに、1本ずつキッチンペーパーで包んでラップをすると鮮度を保ったまま1週間~10日間まで保存できますので、使い切れない量のきゅうりがあるときは一手間プラスすると良いですね。
また、きゅうりは小口切り・輪切りなど使いやすい大きさにしてから、塩もみもしくは砂糖や酢でもんで冷凍保存することもできます。冷凍すれば、保存期間は2週間~1ケ月とさらに長持ちします。
ぬか漬けや浅漬け、ピクルスと言った保存食すれば、さらにきゅうりの楽しみ方も広がりますし、保存できる期間も2~3週間と長くすることが出来ますね。
色々な方法を知っておくと、きゅうりを無駄にすることもなくなりますし、毎日の食事にもバリエーションが生まれて楽しくなりますね。
野菜の保存&使い切りレシピ(主婦の友社)