混ぜるだけで、栄養満点のご飯のお供になる納豆。
よく混ぜるほうがいいのか、数回ちょこっと混ぜるだけでいいのか気になりますよね。
我が家では、父は数回しか混ぜない派で、私はけっこうぐるぐる混ぜる派。
私が、納豆をよく混ぜるのは、その方が栄養的によいと聞いた覚えがあるから。
ですが、父は教えてあげても、そんなの関係がないといって聞きません(笑)。
そんな父を見ていて、納豆の混ぜる回数が多いほうが良いというのは本当なのか私のほうが気になりだしました。
そこで本日は、納豆の混ぜ方や回数によって栄養や美味しさに違いがあるのかについて詳しくお伝えしてきますね。
■目次
混ぜる回数が多いと増えるのは旨み成分
健康食品の代表格でもある納豆ですが、納豆の混ぜ方混ぜる回数次第でより効果的に食べられるなら、それに越したことがありませんよね。
結論からお伝えしますと
ただし!納豆をよく混ぜると、納豆の旨み成分であるグルタミン酸と、甘みである直接還元糖が増えるため、納豆がおいしくなることが分かりました!
農林水産省食品総合研究所が、納豆を混ぜる回数で旨み成分と甘み成分がどう変わるかを実験されていましたのでご紹介しますね。
納豆を混ぜる回数 | アミノ酸の量 | 甘み成分の量 |
100回 | 1.5倍 | 2.3倍 |
200回 | 2.5倍 | 3.3倍 |
300回以上 | 変わらない | 4.2倍 |
PHP出版が2000年10月に出されている「通学」という書籍で、この実験結果引用されていました。
それによると
よく混ぜると、鎖がほどけてグルタミン酸が溶け出すため、納豆の旨味が増します!
混ぜ初めに醤油やタレをいれると、水分で、納豆に混ぜる力が加わらず、鎖が十分にほどけません。
納豆をある程度混ぜてから、醤油・タレを加えることも旨みを引き出すポイントです。
また、よく混ぜることで、納豆が空気を含むので、味だけではなく食感もまろやかに変化します。
私もどれぐらい混ぜているのか数えてみたのですが、せいぜい頑張って50回ぐらいしか混ぜていませんでした(笑)
NHKの「ためしてガッテン」ででも、納豆は何回混ぜれば一番おいしいかを検証されていましたので、続いてご紹介しますね。
納豆がおいしくなる混ぜ方と回数
農林水産省食品総合研究所の実験数値によると、200回から300回ぐらい混ぜると納豆が最もおいしくなると思われます。
実際に1999年1月に放送されたNHKの「ためしてガッテン」で裏付けるような結果が出ていました!
ためしてガッテンでは納豆を混ぜる回数は424回
さて、NHKの「ためしてガッテン」では、納豆を混ぜる回数は424回と具体的な数値が放送されていました。
納豆メーカーが納豆の旨味の指標としているホルモール態窒素の変化を測定した結果から導き出された数字です。
しかも、424回、ただ漫然と混ぜるのではなく、何回目のタイミングで醤油や薬味を入れるというところまで検証されていました。
究極の納豆の混ぜ方!
- 納豆だけで305回混ぜます
- 醤油を入れて119回混ぜます
- 最後に薬味と辛子を入れます
納豆のメーカーや、粒の大きさなども影響しますので、424回という数値が必ず絶対と思わない方がよいとのこと。
納豆の糸が切れるようになるタイミングが、おいしさの目安ということです。
すでに昭和の初めに、漫画「美味しんぼ」でおなじみの美食家・北大路魯山人が、納豆はよく混ぜるほうが美味しくなると雑誌に寄稿していることも分かりました!
魯山人的混ぜ方
北大路魯山人(1883-1959年)は、画家・陶芸家・書道家とマルチな芸術家であると同時に美食家としても有名です。
その魯山人が、1922年(昭和7年)に雑誌「星岡」に、納豆の拵え(こしらえ)方として、納豆はよく混ぜることで旨味が出ると述べています。
魯山人が推奨する納豆の混ぜ方とは次のような順番です。
魯山人推奨の納豆の混ぜ方!
- 何も加えずに納豆だけを糸がたくさん出て硬くなるまで混ぜる
- 納豆が硬くまとまり出したら醤油を加えてさらに混ぜていく
- 辛子やネギなどの薬味を入れる
魯山人は、混ぜる回数については特に触れていませんが、納豆が硬くなるまでというのがポイントでしょうか。
納豆をよく混ぜてからタレや醤油を入れるという点は、ためしてガッテンも魯山人も共通していて説得力がありますね。

動画の中で納豆を混ぜているツールは、タカラトミーさんが販売されている『ねば~る君』です。
自分で回数を数えなくても424回混ぜることができて、かつ遊び心満点。
さすが玩具メーカーさんから販売されているだけのことはありますね!
ねば〜る君の納豆鉢 【あす楽対応】 |
旨み成分グルタミン酸にも健康効果
グルタミン酸は、「味の素」にもなる旨み成分です。
もし、グルタミン酸に栄養としての効果があるなら、納豆をよく混ぜることは栄養的にもプラスになるといえるのではないでしょうか?
そこで調べてみたところ、やはりグルタミン酸にも栄養としての効果がありました!
グルタミン酸は、体内でも作れる非必須アミノ酸の一種であり、筋肉や免疫力をアップするタンパク質を構成します。
そんなグルタミン酸には次のような効果があるといわれます。
グルタミン酸の効果
- 脳の働きを活性化
- アンモニアの解毒と利尿作用
- 肌を健康にする
- 脂肪の蓄積を抑える
- 血圧を下げる
また、グルタミン酸の旨みが食欲を刺激しますので胃液の分泌が盛んになり消化が良くなるという作用も。
グルタミン酸は身近な食品に多く含まれており基本的に不足する心配がありません。
納豆をしっかり混ぜて補う必要はないかもしれませんが、栄養的にプラスになることは間違いありませんよね。
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まとめ
混ぜる回数によって納豆に含まれるビタミンや納豆特有の栄養素ナットウキナーゼが増えるということはありませんでした。
ですが、納豆はよく混ぜることで旨み成分のグルタミン酸と甘み成分が溶け出て、おいしさが増すということが分かりました。
農林水産省が行った実験でも、納豆を混ぜる回数によって旨みと甘みが増すことが立証されています。
NHKの「ためしてガッテン」でも、納豆は424回混ぜたときが最も美味しくなることが実証されています。
ためしてガッテン的、究極の納豆の混ぜ方!
- 納豆だけで305回混ぜます
- 醤油を入れて119回混ぜます
- 最後に薬味と辛子を入れます
納豆を混ぜると増える旨味成分のグルタミン酸には、血圧を下げるなどの効果が報告されています。