お盆やお正月で弟家族が帰省すると、姪と一緒の部屋で寝ることが多いです。
普段、私は、部屋の電気は消して寝ます。
一方、怖がりの姪は枕もとのスタンドを点けてほしいと言います。
そうなると明るすぎて私は到底眠れないので、折衷案としてオレンジ色の小さな豆電球をつけることでお互い妥協し、それ以降は必ず豆電球だけを点けて寝ています。
私にとっては、いつもより明るい部屋で2~3日寝るわけなのですが、そのわずかな差でどうも寝た気がしません。
この微妙な差から感じる睡眠の質の違いが私の思い過ごしなのか、はたまた実際にそうなのか。
眠りにつくというのは生理的なことだけに、寝るときの明るさの違いが眠りの質にまで影響があるのか気になりますよね。
本日は、寝るときにちょうどよい明るさがあるのかどうかを中心に調べてきました!
■目次
寝室は真っ暗よりもほのかに明るいぐらいが適正
寝るときは真っ暗な方が良いのか、豆電球ぐらいつけた方が良いのか。
結論から先に言いますと、真っ暗よりも月明り程度の明るさがあった方が眠るのに適した明るさと言うことが分かりました。
電気を消した当初は目が慣れなくて何も見えませんが、闇に眼が慣れてくると、外からの光でうっすらと室内が見えるぐらいの明るさが眠るのにはちょうど良いということですね。
つまり、真っ暗な部屋も豆電球がついた部屋も眠るのに良いとは言えないということです。
私は、電気は消しますが、カーテンが遮光カーテンではないので、部屋は真っ暗にはなりません。
外からの光がカーテン越しに入った状態の部屋が寝るのに適しているとは知らなかったのですが、ずっと良い室内の照度で眠っていたということですね!
また、豆電球をつけると明るすぎて寝た気がしないという感覚もけっこう鋭かったのだと驚いています(笑)
さて、結論だけお伝えしても良くないので、なぜ少し明るい方が眠るのに良いのか、その理由を知ったうえで、真っ暗な状態と豆電球がついた状態だと睡眠にどういう影響があるのか、詳しく見ていきましょう!
少し明るい状態が睡眠に適している理由
なぜ少し明るい方が眠るのに適しているのかですが、理由は2つあり、一つは真っ暗だと警戒心が働いてリラックスしないということと、もう一つの理由は、豆電球の明るさが睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌に影響するためなのです。
真っ暗では警戒心が働く
光が無く真っ暗と言う状態は、多かれ少なかれ恐怖心を呼び起こすものです。
私も小さいころは、『闇』には何かが潜んでいるように思えてなりませんでした。
夜になると、近所の上の車庫が真っ暗になったのですが、その前だけは小走りで通り過ぎるぐらい怖かった記憶があります(笑)
そうした『闇』への恐怖は、本能的なものとも言えます。
人がまだ弱い存在で肉食の獣から身を守る必要があった原始時代、夜は火を起こして獣を遠ざけていました。
そのころの記憶が脳には残っており、眠るときに真っ暗だと脳が警戒モードでリラックスできないために、深い眠りに入れないのです。
電気がある現代でも、街灯がない暗い夜道だと緊張しますが、大昔の真っ暗になるとどこから獣に襲われるか分からない緊張感はその比ではなかったことは想像がつきますよね。
豆電球がついているとメラトニンの分泌が減る
質の良い眠りには、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌量が大きく影響します。
メラトニンは、光を浴びると分泌が減るという性質があるのですが、豆電球の明るさでもメラトニンの分泌が抑制されるということが分かっています。
眠るのにちょうど良い月明りは、明るさの単位であらわすと0.2~1.0ルクスと言う値です。
一方の豆電球はどうかというと約9ルクス。
月の10倍以上は明るいと言えそうです。
明るさが10ルクス以上になると、メラトニンの分泌量に影響が出るという報告もあります。
豆電球の明るさは先ほどお伝えしたとおり9ルクスですので、メラトニンにとっては十分明るすぎるのですね。
そして、メラトニンの分泌が足りないと、眠りだけではなく他にも体に良くない影響があるのです。
- メラトニンが不足する影響
- 不眠症
- うつ病
- 認知症
- がん
- 高血圧
ちなみに、昼間に光を浴びる量が少ないと、夜間のメラトニンの分泌量は減るという影響があるのです。
朝日を浴びて分泌が止まったメラトニンは、14~16時間後に徐々に分泌を再開します。
起きた時間が朝の7時だと、夜の9時ごろから11時ごろに分泌が始まる計算です。
一般的なリビングの明るさは500ルクスあるのですが、300ルクスの環境に長時間いるだけでもメラトニンの分泌には良くないと言います。
メラトニンの分泌が始まる時間帯には、明るい部屋にいることも睡眠の質に影響があるということですね。
ここで2013年(平成25年)に奈良県立大学が発表された興味深い実験結果をご紹介します。
高齢者528人を対象に寝ている時の明るさが平均3ルクス以上のグループと平均3ルクス未満のグループに分けて観察したところ、平均3ルクス以上の明るい状態で過ごしたグループの肥満症や脂質異常症になる率が3ルクス未満のグループの1.9倍もあったそうです!
寝るときの明るさが体重にも影響するのは驚きですね!
眠るのにちょうど良い寝室の照明とは
月明りぐらいの明るさが眠るときには理想の明るさということですが、寝室の照明でそれを再現する場合は、照明が直接目に入らないところで色は暖色系のライトを置くと良いでしょう。
また、完全に眠りに入ったら、寝室が真っ暗の状態がメラトニンの分泌を一層高めます。
トイレに行くなどで、目が覚めたときに、すぐ点けることができる明るすぎない照明を置くことができれば、それが理想の寝室といえそうですね。
まとめ
寝るときの電気は消して真っ暗にしてしまうのも、豆電球だけをつけておくのも、睡眠にとってはベストではありませんでした。
真っ暗だと脳が警戒してリラックスできない。
豆電球の明るさでは睡眠ホルモンのメラトニンが十分に出ない。
調べた結果わかったのは、月明りが差し込むようなほのかに明るい状態が、眠るのにちょうどよい明るさということです。
寝室で、眠るときに照明をつける場合は、照明が直接目に入らないところに暖色系のライトを置くようにしましょう。
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