お墓参りの花を母の代わりに買いに行った時のことです。
顔なじみのお花屋さんでお墓参り用のお花を2組、組んでもらいました。
そのときに、「昔よりもお墓に供える花のタブーも無くなったけど、やっぱりダメな種類もあるしね」とお花屋さんがおっしゃったんです。
いつも母に任せているので、あまりそんなこと考えたことなかったなぁと気づきました。
こんな状態だと、何かの拍子で、お墓の花を自分で選ばないといけないときに、知らずに供えてはいけない花を選ぶと困ります。
そこで、お墓参りで供えるお花について調べてみると、選んではいけない種類の花だけではなく、花の本数や色も基本のルールがあることが分かりました。
本日は、そうしたお墓参りのお花についてお伝えしていきますね。
一度、知っておけば、これからは安心して自信をもって選べるようになりますので、この機会に押さえておきましょう!
基本ルールは知っているよと言う方は、花の種類からご覧ください⇒選んではいけない花の種類
■目次
お墓参りの花の基本ルール
お墓に供える花には、色と本数が基本の決まり事としてあります。
最近は必ずしも基本どおりでなくてよい点もあるようですが、やはり基本を知っておくことは大切ですので、まずは、そうした基本からお伝えしていきますね。
お墓に供える花の色
花屋さんに行けば、それこそ百花繚乱、様々な色の花があって目移りしますが、お墓参りの花は白・紫・黄色の3色という基本ルールがあります。
ですが、実際にお墓などで、この3色だけのお花を見かけることは少ないですよね。
それは何故かと言うと、最近は白・赤・黄・紫・ピンクの5色をメインにした明るい色使いが一般的になってきているためなのです。
実は、先日のお墓参りでもオレンジ色のガーベラをお供えしています。
基本はあっても、花の色は神経質にならなくても良いようです。
ただし、気を付けないといけないのが、四十九日がまだ終わっていないときのお墓参り。
このときは、白い花をメインにしたお花をお供えします。
四十九日というのは、故人があの世で生前の行いに基づいて裁きを待っている期間です。
閻魔様に慎ましく正しく生きてきましたとアピールするために白い花がいいのだそうですよ。
お墓に供える花の本数
お墓の左右に花立てがありますよね。
お墓参りの花は、左右対称となるよう2束つくってもらい、それを一対としてお供えします。
1束に入れる花の本数は、3本、5本、7本といった奇数が基本です。
そして、花の高さは、一番前が最も低く、一番後ろを最も高くなるように、前から後ろに向けて高くしていき、正面から見たときにひし形になるよう作ります。
こうすると、お墓の花立てに入れたときに、前から見ると、全ての花が隠れることなく見える形になります。
花の本数は特にお花屋さんで指定したことはありませんが、お花屋さんがきちんとしてくださっていたのかなと思います。
また本数だけではなく、使う花の種類も3種類や5種類といった奇数でお供えすると良いですよ。
お墓参りで供えるお花の種類
花の種類も本当に増えましたよね。
おそらく、墓参りという風習が生まれたころには、そんなに花の種類も多くなかったので、選ぶといっても決まっていたと思うのです。
ですので、多くの種類の中から供えていい花を知るよりも、「こんな花は供えてはいけません」という種類を確実に知っておけば、まず間違いありません。
そういう意味もあって、先に選んではいけない花の種類をお伝えして、次によくお供えされる花の種類をお伝えしていきますね。
選んではいけない花の種類
お墓参りでは、次の5種類の花はお供えしてはいけないと言われます。
- 毒素のある花
- とげのある花
- 香りのきつい花
- つる性の花
- 花粉が落ちやすい花
お墓に花を供えるときは、お墓の花は、仏様に向けてではなく、お参りに行く私たちに正面が向くように供えますよね。
考えてみると、お墓の花は仏様に供えているのに何故こちらむき?と不思議に思いませんか。
ところが、そもそもお墓の花は仏様にささげるためではなかったのです。
お墓の花は、お参りしている私たちが、花のはかなく朽ちやすい姿から命の尊さを知り感謝する学びのために供えるという意味があったのです。
まさに仏様の慈悲の心を知るために供えるのがお墓の花であり仏花なのですね。
その意味合いから考えると、さきほどの毒素やとげがある、香りがきつい、支えが無いと立てないつる性の花はお墓の花として、ふさわしくないということになるのです。
(花粉などが落ちやすい花は墓石のシミになるというのが選んではいけない理由です。)
花の種類だけではイメージしづらい点がありますので、どんな花が実際にあてはまるのかご紹介していきますね。
毒素のある花
- 彼岸花
- すずらん
- 水仙
- 夾竹桃(きょうちくとう)
とげのある花
- バラ
- あざみ
香りのきつい花
- バラ
- 百合
つるのある花
- 朝顔
- 鉄仙(てっせん)=クレマチス
花粉の落ちやすい花
- 百合
実際のところ、絶対ダメな種類は、最近では毒性とつる性になるのかなと感じます。
とげがある花としてあざみは使ったことも見かけたこともありませんが、バラは故人の好きな花としてとげをとってもらえばお供えしても良いようです。
また百合も私もよく使いますし、お墓でも見かけることが多いですね。
百合を使う場合、花粉は確かに心配なので、お花屋さんで花粉をとってもらえば、OKだと思います。
買った時に蕾だったものが開きそうだなというときも、花粉がはじける前にティッシュを使ってとれば、指や洋服も汚れないので大丈夫ですよ。
近頃は、タブーにこだわらずに故人が好きだったお花を供えすればよいと言われるようになっています。
ただ、身近にいる目上の人やお墓に一緒に行く人がしきたりや決まりごとに厳しい場合は、選んではいけないとされる花は外したほうが無難だと思います。
仏教では、供花は修行の一つとされています。
また、お墓の花は、お墓参りに行った私たちが花のはかなく朽ちやすい姿から命の尊さを知り感謝する学びを得るためのものです。
その本来の趣旨からすると造花をお墓に供えるのは良くないという意見があります。
ただ、遠方からの墓参で生花の準備が難しい場合や、生花が枯れてお墓を汚すという理由で造花を選ぶ人もいらっしゃいます。
気温の高い時期は造花が主流と言う地域もあるようです。
大切なのは、お墓参りをするという供養の気持ちである一方、お墓に造花はもってのほかと言う価値観があるのも事実です。
良かれと思ってしたことが親類やお寺とのトラブルとならないよう、周りの意見を聞いて造花を準備していいかどうか決められてはいかがでしょうか。
お墓参りによく使われる花
さて、続いては、実際にお墓参りの花としてよく選ばれる花をご紹介していきますね。
お墓の花といえば、真っ先に浮かぶのが菊ですね。
菊は、長持ちするということと、菊の香りそのものに邪気を払う魔除けの力があると考えられており、お墓に供えるのに適した花とされてきました。
最近は、真ん丸の可愛い菊もありますが、お墓参りの花のメインとして菊は間違いがない花ですね。
菊をメインに、四季おりおりの美しい花を選んでお供えしてください。
菊、小菊、洋菊、カーネーション
- 春~アイリス、キンセンカ、スターチス、ストック、スイートピー
- 夏~グラジオラス、スターチス、アストロメリア、お盆の時期は、ほおづき
- 秋~桔梗、トルコ桔梗、けいとう
- 冬~千両、オンシジウムなどの蘭
お墓の花の値段としては、一対で1000~1500円ぐらいで作ってもらえると思います。
お花屋さんに行く時間がなかったときは、墓地で700~1000円ぐらいで販売されていることもありますよね。
普段は、これぐらいの金額にしておいて、お正月の墓参りにはちょっと豪華というのも我が家ではよくやります(笑)。
お墓に供えた花についてあれこれ
お墓のお花は、左右対称の2束で一対のものを、お参りする側に正面を向けてお供えするのですが、先にお参りした人の花が花立いっぱいに入っている場合や、霊園やお寺によっては花やお供えを持ち帰ってくださいというところもありますよね。
そんなときにどうしたらいいのか一緒に見ていきましょう!
先にお参りした人の花があるとき
花立てに、先にお参りした人の花が残されているとき、ありますよね。
すでに萎れてきている、枯れだしているようなときは、自分が持ってきた花と入れ替えて良いです。
でも、ついさっき、入れ違いだったなというようなときや、まだキレイな花が残っているとき、どうするか。
ちょっと手間ですが、私は、花立ての花と、自分の持ってきた花を組みなおしてお供えします。
そのほうが、華やかさも増しますし、前の人の供えた気持ちも生かせるのでお墓の中の人も喜んでくれると思うのです。
お供えした花を持ち帰るかどうか
我が家のお墓がある霊園は、供えた花を片付けてくれるため、そのままにして帰りますが、お墓のある場所によっては持ち帰らないといけないとこともあるようです。
次にお参りしたときに、花立てに枯れた花がそのままになっているのは嫌ですよね。
虫が湧いたりするとお墓が痛むことにもなりかねませんので、そんな場合は持ち帰るか、処分して帰りましょう。
お墓に備えた花を持ち帰った場合の注意点としては、家の仏壇にお供えしないこと。
お墓で一度供えたものなので、それを仏壇にお供えするのは失礼にあたると考えられています。
まとめ
お墓参りの花は、お墓参りに行った私たちが花のはかなく朽ちやすい姿から命の尊さを知り感謝する学びを得るためにお供えするという意味があります。
かつては白・紫・黄色の3色の花を3本・5本・7本と奇数の本数使うという基本のルールがありましたが、色については、最近は白・赤・黄・紫・ピンクの5色をメイン、明るい色を使えばよいと変わってきています。
最近は花の種類も増えましたが、
- 毒素のある花
- とげのある花
- 香りのきつい花
- つる性の花
- 花粉が落ちやすい花
は、お墓参りでは使ってはいけない花の種類になります。
花のはかなさから仏様の慈悲の心を知るためにお墓に花を供えるという意味合いから考えると、毒素やとげがある、香りがきつい、支えが無いと立てないつる性の花はお墓の花として、ふさわしくないとされています。
(花粉などが落ちやすい花は墓石のシミになるというのが選んではいけない理由です。)
ですが、近頃は、タブーにこだわらずに故人が好きだったお花を供えすればよいと言われるようになっています。
ただ、身近にいる目上の人やお墓に一緒に行く人がしきたりや決まりごとに厳しい場合は、選んではいけないとされる花を選ぶと無用のトラブルになりかねませんので、避けた方がよいでしょう。
お墓にお参りするという気持ちと、花を供えることには命の尊さを学ぶという姿勢が、やっぱり何より大切ですね!
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