オクラをはじめとしたネバネバのある食品は、今や健康食品の代名詞ですね。
またオクラは、緑も鮮やかな緑黄色野菜ですので、さらに健康への効果が期待できる野菜です。
オクラもご多分にもれず、今では1年中手に入れることができますが、本来の旬は夏。
実際、夏の貴重な緑黄色野菜であるオクラには、夏バテを予防する栄養素がたくさん含まれています。
そこで本日は、オクラに含まれている栄養と効果について調べてきました。
オクラの効果的な食べ方や一緒に食べると良い食材もご紹介していきますね。
■目次
オクラの栄養成分表
緑黄色野菜であるオクラは、ビタミンやミネラルを数多く含んでいます。
特に多いのは、ビタミンでは体内に入るとビタミンAに変わるβ-カロテンと、ミネラルでは余分な塩分を排出するカリウムです。
オクラに含まれる栄養素の中で主だったものを表にまとめていますのでご覧ください。
オクラ100gの栄養成分表
エネルギー | 30kcal | |
水分 | 90.2g | |
ミネラル | ナトリウム | 4mg |
カリウム | 260mg | |
カルシウム | 92mg | |
マグネシウム | 51mg | |
リン | 58mg | |
ビタミン | A(β-カロテン当量) | 670μg |
K | 71μg | |
B1 | 0.09mg | |
B2 | 0.09mg | |
葉酸 | 110μg | |
C | 11mg | |
食物繊維総量 | 5.0g |
文部科学省「日本食品標準成分表」(2015年版七訂)から抜粋
ご覧いただいた中から、特に多く含まれていて高い効果が期待される栄養成分について、続いて説明していきますね。
オクラに含まれる効果の高い栄養
緑黄色野菜であるオクラにはビタミンやミネラルも含まれてはいますが、オクラならではの働きをする栄養素といえば、やはりネバネバのもととなる食物繊維です。
1度の食事でオクラを食べる量は多くても3~4本ぐらいですので、オクラから多くのビタミンやミネラルをとるのは難しいというのが正直なところ。
しかし、ネバネバ成分の量として見るならば、オクラを3~4本食べるだけでも十分な効果が期待できるのです。
オクラに含まれる栄養の中で、効果が高い成分としてご紹介したいのは、ネバネバ成分の食物繊維やビタミンAなどの4つです。
- ネバネバ成分の食物繊維
- ビタミンA(β-カロテン当量)
- ビタミンB1
- カリウム
それぞれの栄養素がどんな役割を果たしているのか、順番に見ていきましょう!
ネバネバ成分の食物繊維
オクラのネバネバの正体は、次の3つの水溶性の食物繊維です。
- ペクチン
- ガラクタン
- アラバン
この3つでは、唯一、ペクチンが耳覚えのある感じでしょうか。
ペクチンは、血糖値の上昇をおさえ便秘を改善する整腸作用が高く、リンゴやイチゴなどに含まれていることで有名ですね。
オクラのネバネバには様々な効果がありますが、特に大きいのはタンパク質の吸収を助けコレステロールの吸収を抑える効果です。
血液中のコレステロールの値が高くなると動脈硬化のリスクが高まりますから、これだけでもオクラの効果は十分と言えます。
オクラのネバネバ成分の主な効果は次のとおりです。
- オクラのネバネバ成分の効果
- 腸を整え、便秘や下痢を予防する
- 余分なコレステロールを排出し動脈硬化を防ぎ血圧を正常に保つ
- 胃の粘膜を保護し胃炎や胃潰瘍を予防する
- 脳細胞を活性化し認知症を予防する
- 免疫力を高めてがんを予防する
オクラと同じくネバネバ食品である納豆のネバネバ成分が加熱に弱いのに対して、オクラのネバネバは多少の加熱で損なわれることがありません。
また刻むことで食物繊維が壊されてネバネバが増えるという利点もありますので、夏バテで胃腸が弱りがちな季節はオクラの特性を生かした調理方法で食べるようにしたいですね。
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ビタミンA(β-カロテン当量)
緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換される栄養素です。
ビタミンAは、皮膚や粘膜、目の健康を維持するために欠かせませんが、あらゆる老化の原因となる酸化を抑える作用がある点においても注目されています。
- ビタミンAの主な働き
- ドライアイや視力の低下を防ぐ
- 皮膚や粘膜の細胞を正常に保ち免疫力を高める
- 有害な活性酸素を除去し老化やがんを予防する
30歳から49歳の成人女性が1日にとるビタミンA の目安量は、500μgとされています。
*厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)
オクラ100gに含まれるビタミンA(β-カロテン)は670μgです。
オクラ1パックが約100gを3食に分けて食べると、1日に必要なビタミンAを摂取できる計算です。
ビタミンAが不足すると、皮膚や呼吸器系の粘膜が弱くなるため、風邪などの感染症にかかりやすくなります。
また暗がりで目が見えにくくなったり、抜け毛が増えたりすることが分かっています。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質が体内でエネルギーに変わるときに欠かせないビタミンです。
主食がご飯という日本の食生活において、ビタミンB1が不足すると糖質の代謝が悪くなり疲れやすくなってしまいます。
ビタミンB1の欠乏症の代表格と知られる病気に「脚気(かっけ)」があります。「「
現在では「脚気」にかかる人は少なくなっていますが、偏った食生活やアルコールを飲む量が多い人の中にはビタミンB1が不足する傾向にありますのでご注意くださいね。
カリウム
カリウムは、余分な塩分(ナトリウム)を排出し血圧を正常に保つ作用から、高血圧の予防に効果があるミネラルとして有名ですね。
他にも、細胞の正常な活動全体をサポートし、エネルギー代謝を促進する働きもあります。
カリウムが不足してくると、疲れやすくなって、体がだるい・やる気が出ないという症状がでます。
足がよくつるという場合もカリウム不足が原因ということも考えられます。
オクラを食べるこんな効果があります
ここまで、オクラに含まれている栄養の中で特に効果の高いものを見ていただきましたが、あらためてオクラの効果を整理すると次の5項目になります。
- コレステロール値を下げて動脈硬化を予防する
- 腸内環境を整えて便通が良くなる
- 胃の粘膜を保護し胃炎や胃潰瘍を予防する
- 脳細胞を活性化し認知症を予防する
- 免疫力を高めてがんを予防する
1回の食事で食べるオクラの量は限られてきますが、さっと湯どおしして刻むだけでも1品になるのがオクラの良い点です。
オクラをうまく活用して、ネバネバ食品を日常的にとるようにしたいですね。
オクラの効果的な食べ方
続いて、オクラの最も効果的な食べ方と、一緒に食べると相乗効果が期待できる食品をご紹介していきますね。
オクラの効果的な食べ方
オクラの優れた栄養素であるネバネバを効果的にとるためには、次の食べ方がおすすめです。
- 細かく刻む・ピューレにする
- 茹で時間は1~2分まで
- お酢は厳禁
細かく刻んだりピューレにしたりすることで、食物繊維が壊れてネバネバが増します。
加熱時間が短すぎるとネバネバ成分があまり出てこず、長すぎるとネバネバ成分が流れ出します。
1~2分が、ネバネバ成分もしっかりと出てき、オクラの食感も楽しめる茹で時間です。
調味料にお酢が入ると、オクラのネバネバが無くなりますので、オクラにお酢は厳禁です。
一緒に食べるとさらに効果のある食品
続いてオクラと一緒に食べると、さらに効果的な食品をご紹介しましょう!
スタミナ増強
- 昆布
- なめこ
- ヤマノイモ
- 納豆
ダイエット効果span>
- ブロッコリー
- 白菜
- しいたけ
- トウモロコシ
免疫力アップ
- 卵
- 肉類(鶏・牛・豚)
オクラのネバネバは、タンパク質の消化吸収を良くしますので、肉や魚と一緒に食べるといいですよ。
オクラの旬は6月から8月
他の多くの野菜と同じく、オクラも1年中買い求めることが出来ますが、本来の旬は6月から8月です。
オクラは、もともとアフリカが原産地ですので、暑い時期が栽培に適しているのです。
また消化吸収を助けるネバネバ成分と、体内の塩分と水分を調整するカリウムを含みますので夏バテにもぴったりな野菜ですね。
めんつゆとの相性も抜群です。夏は素麺という方も、オクラをささっと刻んで加えるだけで、栄養バランスがぐっと良くなりますよ。
オクラの保存方法
オクラは鮮度が落ちやすい上に、暖かい地域で育つ野菜ということもあり低温が苦手。
できれば、買ってきたその日に食べるのが理想的ですが、保存する場合はオクラを新聞紙などにくるんで冷暗所に保存します。
冷蔵庫では必ず野菜室で保存しますが、乾燥も苦手なためポリ袋に入れるのを忘れないようにしてください。
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まとめ
夏の貴重な緑黄色野菜でもあり、ネバネバ食品でもあるオクラには、ビタミンやミネラルも数多く含まれています。
その中で特に多く含まれていて効果の高い栄養素は次の4つです。
- オクラに含まれる効果の高い栄養素
- ネバネバ成分の食物繊維
- ビタミンA(β-カロテン当量)
- ビタミンB1
- ミネラルからカリウム
1回あたりに多く食べる食材ではありませんので、オクラからとれるビタミンやミネラルは多いとは言えません。
ですが、消化吸収を助けて余分なコレステロールを排出するネバネバ成分には多くの効果があります。
オクラを積極的に食べることで期待される健康への効果は次の5つです。
- コレステロール値を下げて動脈硬化を予防する
- 腸内環境を整えて便通が良くなる
- 胃の粘膜を保護し胃炎や胃潰瘍を予防する
- 脳細胞を活性化し認知症を予防する
- 免疫力を高めてがんを予防する
さっと茹でて刻むだけで立派なおかずになる手軽さもオクラの魅力です。
貴重なネバネバ食品として、習慣的に食べるようにしたいですね。
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