紫外線は、シミやそばかす、小じわの原因と、美肌の敵。
紫外線をカットするアイテムの一つが日傘ですよね。
私も社会人になるや否や、母から日傘を持たされましたが、日傘を使っている同世代が少なく恥ずかしかったことを覚えています。
今でも、まだまだ、日傘はオバサマが使うものと言うイメージでしょうか。
あまり知られていませんが、日傘の効果は日焼け予防だけではありません。
本日は、日傘の良さを多くの人に知ってもらうべく、日傘の効果について詳しくお伝えしていきますね。
■目次
日傘が酷暑の必需品の理由
日傘を差すと得られる効果は、次の3つです。
日傘の3つの効果
- 日焼けを防止
- 暑さがマシ
- まぶしくない
日焼け防止は、多くの人が真っ先に思い浮かぶ日傘の効果ですよね。
また、日傘は『my日陰』を作って動くようなものですので暑さ対策にもなります。
近年は本当に暑さが厳しいため、男性も日傘を使う方が増えています。(前職の上司も奥様から還暦祝いに日傘を贈られていました(笑))
最後の夏の日差しがまぶしくないというのも意外とありがたい効果です。
私は、夏は外では目を開けているのが辛いため、日焼け予防よりも目のために日傘を使い続けてきたと言えるぐらいです。
実際のところ、日傘を差すときと差さないときで、どれぐらいの違いがあるのでしょうか。
続けて詳しく見ていきたいと思います。
日焼けを防止
日焼けの原因が、太陽光線の中に含まれる紫外線(UV)というのは広く知られていますね。
紫外線は、波長が短くて人の目では見えない光です。
カルシウムの代謝に必要なビタミンDを皮膚で合成する働きがありますので、一概に悪者と言うわけではありません。
ただ、浴びすぎると肌や目にダメージが起こります。
紫外線によるダメージ
- 急性⇒日焼け、紫外線角膜炎(白目の充血、異物感、涙が出る)、免疫機能の低下
- 慢性⇒しわ・シミ、皮膚がん、白内障
日焼けというと、つい肌のことばかり考えますが、紫外線は目にも大きなダメージを与えるのです!
では、実際にどれぐらい日傘で紫外線がカットできるのか、次の数字をご覧ください。
日傘の紫外線カット率
(実践女子大学生活科学紀要第44号「日傘の紫外線および日射防御性」より)
近年、オゾン層の問題もあって、地表に届く紫外線の増加も心配です。
そんな中、環境庁が出している「紫外線環境保健マニュアル2015」でも、日中の日傘の使用を推奨されています。
紫外線によるダメージからお肌と目を守るためにも日傘、使わない手はありませんよ。
暑さがマシ
夏になると日差しが強くて、日なたにいると本当に暑いですよね。
あの暑さは、太陽光に含まれる赤外線と可視光線からもたらされます。(紫外線は暑さとは関係がありません)
温暖化の影響か、日本の夏は暑くなる一方ですよね。
日傘を差すと、日陰に入るのと同じことですので、日差しから受ける暑さがかなり和らぎます。
先ほどと同じく実践女子大学の実験数値から、どれぐらい温度が変わるのかを確認してみましょう。
日傘で下がる温度
(実践女子大学生活科学紀要第44号「日傘の紫外線および日射防御性」より)
10℃も変わると大きいですよねぇ。
京都は8月の日中はほぼ35℃を超しますが、それが25℃ぐらいになるわけですから、かなり楽です。
それだけ暑さに差があると、熱中症対策にもなりますので、やはり暑い季節の日傘は優秀アイテムですね。
まぶしくない
太陽の光をまぶしく感じるのは、太陽光に含まれる可視光線の仕業です。
日差しを遮ることで、紫外線・赤外線・可視光線の全てを遮ることが可能です。
日傘の下に入ると、どれだけまぶしさが変わるのか、こちらも実践女子大学の実験数値で確認してみましょう。
日傘のまぶしさ抑制率
(実践女子大学生活科学紀要第44号「日傘の紫外線および日射防御性」より)
まぶしさに関しては、白い日傘は、24%、黄色い日傘は33%にとどまるという結果が出たそうです。
あまり夏の日差しのまぶしさが気にならないという方には、この効果はあまり意味が感じられないかもしれません。
私の場合は、夏に日なたに出ると、まぶしくて目を開けているのが辛いため、日傘でまぶしさを防げるのは非常にありがたい効果です。
ただ、ずーっと白色やアイボリーの日傘を使ってきました。
この数値を見て、次の買い替えでは、日傘の色を考えないといけないなと思っています。
ここまで日傘の3つの効果を見てきました。
最初は日傘を母にしぶしぶ持たされていたものの、効果を実感して持ち続けてきた私としては納得の数値が確認できました!
効果が分かると気になるのは、どんな日傘を持てばいいかです。
やはり、同じ持つなら効果の高い日傘がいいですよね。
効果の高い日傘とはどんなものか、続けて一緒に見ていきましょう。
効果の高い日傘ってどんな日傘?
日傘は、日差しを遮ることで、日焼けや暑さ除け、まぶしくないといった効果が生まれます。
つまり、効果の高い日傘とは、日差しを遮る率(遮光率)が高い日傘だということですね。
私が日傘を使い始めたころは、麻や綿素材が主流で、UVカット加工も無かったように思います。
それが今や、ポリエステルが使われていてUVカット加工はされているし、撥水加工されている晴雨兼用が主流です。
そんな素材も機能も多彩になった日傘ですが、効果が高い日傘とは次のようなものになります。
効果の高い日傘
- 加工は遮光率の高いものが、効果が高く、次いでUVカット加工のものが、効果が高い
- 生地の素材は、ポリエステル、綿、麻の順番に効果が高い(「被服地 の紫外線透過 について」家政学雑誌11巻から)
- 生地の厚さは厚手であるほど効果が高い
- 色は、黒色が最も効果が高い
それぞれについて詳しくお伝えしていきますね。
遮光加工とUVカット加工
遮光加工とUVカット加工、同じことを言っていると思っていましたが、加工方法も違えば効果にも違いがありました。
遮光加工
太陽の光そのものを遮断する効果があります。
つまり紫外線だけではなく、可視光線も赤外線もカットするので、暑さとまぶしさを和らげる効果も高い素材です。
1級遮光率というマークは、日差しの99.99%以上を遮光する生地にのみ許されたマーク。
また遮光率が99%以上でないと遮光傘と表示できません。
遮光生地は、生地の織り方や加工などから工夫されているため、何年使ってもカット率が落ちないという大きなメリットがあります。
遮光性のある生地の製造方法は、繊維メーカーによって異なりますが、いずれも技術を競っておられるようです。
例えば、東レさんが出しておられる遮光生地、サマーシールド®は次のような商品紹介がされています。
サマーシールド®は、特殊三層ラミネート構造からなる優れた遮熱体感効果、高い遮光性・UVカット性を兼ね備えたファブリック(生地)です。
従来のコーティング加工では成し得なかった複数の機能を同時に高いレベルで実現しました。
日傘、パラソル、帽子などに用いられています。
完全遮光の日傘を作っておられる芦屋ロサブランさんは、『日本の技術を持ってしかできない』高密度1級遮光生地を使用されています。
また、サンバリア100さんは、『3層構造の生地自体で遮光率・紫外線カット率100%』の生地を使用されています。
UVカット加工
UVカット加工は、紫外線遮蔽(しゃへい)加工とも言いますが、次の基準をクリアしたもののみが、UVカット加工と表示できます。
- 日傘 紫外線カット率70%
- 晴雨兼用 紫外線カット率90%以上
UVカット加工は、紫外線はカットできますが赤外線と可視光線に対しては遮る力は持たない加工。
日焼けは防げても、暑さとまぶしさを和らげる力は弱いということになります。
紫外線を吸収もしくは反射する物質を生地に練り込むか表面にコーティングして作られます。
そのため、使っているうちに紫外線をカットする物質が落ちてしまい、日焼け防止効果も低くなっていきます。
遮光加工とUVカット加工の違いは、かなり大きいものでしたね。
ある意味、遮光率100%の日傘を買えば全て解決と言えるのですが、なかなかお値段も張ってきます。
遮光加工とまではいかなくても、生地の素材・厚さで日傘の効果は十分高くなります。
ポリエステルと天然素材
完全遮光以外も日傘の場合、生地の素材によって紫外線のカット率に差が出ます。
ポリエステルは、UVカット加工をしていなくても約90%の紫外線がカットされます。
ですので、黒い雨傘でもかなりの紫外線を防げています。
また天然素材の日傘でUVカット加工をしていないものでも約85%の紫外線(A・Bとも)はカットします。
日傘によく使われている天然素材である麻と綿で比較すると、綿の方が、紫外線カット率が高くなります。
生地の素材で日傘を選ぶなら、ポリエステル→綿→麻の順と覚えてくださいね。
生地は厚くなるほど効果がある
実は、私は麻や綿などの天然素材の日傘を使い続けてきました。
今回、完全遮光の日傘の存在や素材でUVカット率が違うことを知って、かなり心が揺らいでいます。
一方で、やはり日傘は天然素材が好きと言うこだわりも捨てきれず。。。
そんな場合、天然素材でも生地に厚みのある日傘を選べばOK!
最近では、麻や綿の二重張りになっている日傘も人気がありますしね。
もちろん、これはポリエステル素材の日傘にも言えることです。
生地の厚みがある程度ないと、日傘の効果は期待できません。
ただし、気を付けたいのはレースで日傘の表面に日差しを通す穴が開いているデザイン。
とても優雅で涼しげですが、日傘の効果としては低いと言わざるを得ません!
どうしてもという場合以外は避けた方が良さそうです。
色で選ぶなら黒い日傘
日傘の色は、白と黒が人気を二分していますが、涼感を誘うという点では白に軍配が上がるところです。
ですが、日焼け・暑さ・まぶしさを避けるという3つの日傘の効果、いずれも黒など濃い色目が、白などの薄い色目よりも効果が高いのです。
もちろん、完全遮光素材の場合、生地そのものに遮光が施されていますので、白色でも黒色でも効果が変わりません。