近ごろ、夏の急なにわか雨が増えていると感じませんか?
そんなお天気事情に役立つのが、晴雨兼用の折り畳み日傘。
ですが、紫外線のことを考えると、純パラソルの方がいいような気がして迷いますよね。
そこで本日は、晴雨兼用日傘の効果について、純パラソルと比較しつつ詳しくお伝えしていきます。
晴雨兼用日傘の効果とは
晴雨兼用であっても、日傘としての日焼け防止効果は期待したいところ。
その上で、雨傘としても立派に機能してほしいのはもちろんです。
ところで、晴雨兼用の傘には、
- 晴雨兼用の日傘
- 晴雨兼用の雨傘
の2種類があります。
ここに純パラソルも加えると、日焼け防止できる傘は3種類あることになります。
この3種類の傘について、洋傘協会さんが設けておられる基準を参考にご紹介しましょう。
項目 | 晴雨兼用の雨傘 | 晴雨兼用の日傘 | 純パラソル | |
紫外線遮へい率(UVカット加工生地の場合) | 90%以上 | 70%以上 | ||
防水性 | 耐水度 | 250mm以上 | 150mm以上 | - |
はっ水度 | 3級以上 | - |
日本洋傘振興協会JUPA基準から抜粋
耐水度は、やはり晴雨兼用の雨傘が一番高いですね。
ですが、日焼け防止に直結する紫外線遮へい率は、純パラソルが70%以上と最も低い基準なのです。
もちろん、この数値は商品としての基準です。
実際には、もっと性能が高くて日焼け防止効果が高い日傘も作られて販売されています。
とはいえ、純パラソルの基準値が低いのは意外です。
ただ、これが紫外線遮へい率ではなく、遮光率となると一律99%以上という基準になります。
この数値も遮光加工の生地を使う前提の基準ですので、遮光生地そのものが高性能なのでしょうね。
いずれにしても日焼け防止と防水の機能を考えると、純パラソルではなく晴雨兼用の日傘の方が賢いお買い物に思えてきました。
晴雨兼用の効果は素材で違う?
晴雨兼用の日傘もポリエステル100%のものから、綿や麻などの天然素材100%のものまで素材が色々あります。
続いて、素材によって性能に違いがあるかを見ていきましょう。
日焼け防止効果は?
ポリエステルと綿・麻をUV加工なしで比較すると、最も紫外線をカットする率が高いのはポリエステルです。
次いで綿、最後に麻という順番になります。
ですが、最近の日傘は、どの素材もUVカット加工を加えたものが主流。
UVカット加工ありならば、素材による日焼け防止効果に差はありません。
UVカット加工とは
年数が経つと加工が落ちて効果が低くなるという特徴があります。
ところで、UVカット加工の効果は、綿・麻よりもポリエステルが長持ちするとお聞きになった方もいらっしゃるかもしれません。
UVカット加工の持続性について、横浜市の消費生活総合センターが、面白い実験をされていましたのでご紹介しましょう。
夏用手袋の紫外線遮蔽効果について
- 実験対象:綿100%、ポリエステル100%など10種類の夏用手袋
- 実験方法:用意した手袋を10回洗濯し、紫外線の遮へい率の変化を測定
- 実験結果:綿100%、ポリエステル100%であっても、紫外線の遮へい率は新品の時と変化がなかった
この結果を見る限り、綿よりもポリエステルの方が、紫外線遮へい加工が長持ちするとは言えませんね。
今までの情報を整理すると、晴雨兼用日傘を選ぶときには
- UVカット加工がされていれば、素材は気にしなくてよい
- UVカット加工が無い場合は、最も日焼け防止効果が高い素材はポリエステル
となりました。
防水効果は?
防水効果も、素材的にポリエステル100%の晴雨兼用日傘が、効果が高そうなイメージがしますが、実際のところはどうでしょうか。
兵庫県立健康生活科学研究所が「晴雨兼用傘の実用性」について検証された資料を参考に見ていきます。
晴雨兼用傘の実用性について
- 実験対象:綿、麻それぞれ100%、ポリエステルと綿の混紡、ナイロン100%など、10本の晴雨兼用日傘
- 実験方法:晴雨兼用日傘を31日間屋外にさらした後に、20分間やや強めの雨降り状況におく
- 実験結果:どの素材の晴雨兼用の日傘も、傘の中に水が入ることはなかった(透かし模様や刺繍が入った日傘は、模様から水滴が落ちる、刺繍から水が染み出した)
つかり、防水性についても、ポリエステル・綿・麻といった素材で差がなかったのです。
ちなみに、綿100%の純パラソルでも同じ実験をされたのですが、傘の生地全体に水がしみ込みはしたものの、傘の中に水は入って来なかったという結果に。
少々のにわか雨なら、純パラソルでも雨除けにはなります。(ただ、雨染みの残る可能性は高いです)
まとめ
晴雨兼用の日傘には、日焼け防止効果と防水効果があります。
日焼け防止については、紫外線遮へい加工(UVカット加工)の生地を使ったものだと、紫外線のカット率が90%以上と洋傘協会の基準で定められています。
純パラソルの場合は、同じ条件で紫外線のカット率が70%以上という基準です。
意外なことに、日焼け防止については、純パラソルよりも晴雨兼用の日傘の方が、効果が高い基準が設けられていました。
防水加工については、純パラソルには防水基準がありません。
晴雨兼用の日傘の場合は、防水度で150mm以上という基準をクリアする必要があり、晴雨兼用の雨傘の場合は250mm以上という基準が設けられています。
晴雨兼用の日傘は、紫外線をカットする効果も純パラソルより高い基準があり、なおかつ防水効果も備えています。
にわか雨が増えている最近の夏を思うと、晴雨兼用の日傘が賢いお買い物かもしれませんね。
完全遮光の日傘について、こちらで詳しくまとめていま!⇒日傘には効果がない?日焼け防止だけでなく夏は絶対使うべき!