ラジオ体操と言えば夏休みの朝ですが、実はとてもよく考えられた全身運動ということをご存じでしょうか。
え?あのラジオ体操が?と思われたかもしれませんね。
ですが、それは正しいやり方をしていなかったために、運動効果が十分でなかっただけなのです。
私も運動不足の解消のために、数年前から手軽に毎日できるラジオ体操をするようになりました。
いざ始めてみたら、正しいラジオ体操のやり方も分かり、おかげで冷え知らずになりました。
そこで本日は、手軽に始めることができるラジオ体操の効果についてお伝えしてきます。
多くの方の健康づくりの参考になれば幸いです!
■目次
ラジオ体操の効果
ラジオ体操は、アメリカのメトロポリタン生命がアメリカ人の健康寿命を延ばすために作った体操をかんぽ生命が日本に持ち込んできたものです。
健康寿命とは、自分の足で歩くことができて自分の意思で生活できる年齢です。
つまり、健康で長生きの状態を伸ばす目的で作られたのがラジオ体操と言えることもできるわけですね。
そのために必要になるのは、全身の筋肉が衰えないようバランスよく動かすこと。
実際、ラジオ体操には
- 有酸素運動
- 筋肉トレーニング
- ストレッチ運動
- バランス運動
の要素がちりばめられていて、総合的な運動ができるようになっています。
その結果、体全体の血流が良くなり筋肉の弾力性が生まれて、次の4つの大きな効果が発生します。
ラジオ体操の4大効果
- 姿勢が良くなる
- 新陳代謝が良くなる
- 骨の生成を活性化する
- 肩こりや腰痛が改善する
これらの効果には副産物的な効果も数多くありますので、順番に見ていきましょう!
姿勢が良くなる
日常の生活では前かがみになる動作が多く、知らず知らずに体の重心が前にかかるため姿勢が悪くなりやすいのです。
ラジオ体操には
- 前かがみになりがちな背骨をただす背伸び運動
- 前かがみの肩を正常な位置に戻す胸を広げる運動
- 背骨の癖を矯正する体を横に曲げる運動
- 背骨をしなやかに保つ体を前後に曲げる運動とねじり運動
が多く組み入れられているため、前かがみになった姿勢を正しくする効果があります。
また、体幹の筋肉に働きかけますので、ラジオ体操を続けると正しい姿勢を維持できるようにもなるのです。
新陳代謝が良くなる
人間の体には、自分の意思で動かせる約650個もの筋肉があります。
ラジオ体操第1は70%にあたる約400個の筋肉を動かす動きで構成されており、体の全ての筋肉群を動かすようになっています。
筋肉を動かすと、エネルギー(カロリー)が消費されて熱が発生します。
ラジオ体操は第1も第2も約3分の短い運動ですので、カロリー消費量は決して多くはありません。
ですが、体幹から末梢まで体全体をバランスよく動かすことで、血液やリンパの流れも良くなり、効率の良い代謝が生み出されます。
こうした習慣を継続すると、10~15%の基礎代謝のアップが期待できるため、
- 免疫力が向上する
- 冷え性が改善する
- むくみが改善する
といった健康の底上げも実現するのです。
実際、私も冷え症でしたが、ラジオ体操を続けているうちに、冬場に手足が冷たいということがなくなりましたので、効果を実感しています。
ダイエットに関しては、3分ほどの運動ですので、目に見えて体重が落ちるというよりは、基礎代謝が上がり太りにくくなる、徐々に体重が落ちるということになりそうですね。
骨の生成を活性化する
骨密度の低下から引きおこる骨粗しょう症は、年齢とともに危険も高まります。
骨を強くするために必要なのは
- カルシウムの摂取量が十分であること
- 摂取したカルシウムが骨に定着すること
ですが、ラジオ体操の動きには骨を刺激してカルシウムの定着を促す効果があります。
カルシウムがスムーズに骨に定着してくれれば、骨密度の低下を防ぐどころか、骨密度を高めることも期待できますよね。
ラジオ体操を習慣にすることで、骨に刺激を与えてカルシウムの定着を助けるため骨粗しょう症の予防や改善する効果があるのです。
肩こりや腰痛が改善する
最後は、国民病と言っても言い過ぎではない肩こりや腰痛の改善効果です。
これまでご紹介してきたラジオ体操の効果である
- 姿勢が良くなる
- 新陳代謝(血流)が良くなる
の副産物的な面はあるのですが、お悩みの方も多いため、あえて別項目としてご紹介させていただきますね。(私も頑固な肩こり持ちです・・・)
ただし、ラジオ体操で肩こりや腰痛が改善するかどうかは、症状がどれほど深刻かによっても変わってきます。
私の場合、年末年始やお盆など長期休暇でラジオ体操を休むと、てきめん肩こりがひどくなります。
ただ、ラジオ体操をしているから肩こりが無くなったかというと、残念ながらそこまでの効果はありません。
仕事中はほぼPCとにらめっこ、それ以外の時間もスマホを見ること多い。
私に限らず、こうした人はとても多いと思います。
ここまで目と肩を酷使している生活を毎日送っているわけですから、3分少々のラジオ体操ではすっきり解決というのは難しいというのが正直なところです。
でも、全く体操をしない状態よりは格段にましなことも事実ですし、ラジオ体操の回数を増やすと劇的に改善するのかもしれません。。。
肩こりや腰痛に関しては、ご自身の状態も考慮して、ラジオ体操でどこまで効果があるか試してみてくださいね。
ラジオ体操の効果についてはここまでとして、次はラジオ体操の効果的なやり方についてお伝えしていきますね。
ラジオ体操第1の運動別の効果
№ | 動作 | 姿勢 | 肩こり | 腰痛 | 下半身太り |
2 | 腕をふって脚を曲げ伸ばす | 〇 | |||
3 | 腕を回す | 〇 | 〇 | ||
4 | 胸をそらす | 〇 | 〇 | ||
5 | 体を横に曲げる | 〇 | 〇 | 〇 | |
6 | 体を前後に曲げる | 〇 | 〇 | ||
7 | 体をねじる | 〇 | 〇 | ||
8 | 腕を上下に伸ばす | 〇 | |||
9 | 体を斜め下に曲げ胸を反らす | 〇 |
大切なのは効果的なやり方をすること
ラジオ体操に限らず、どんな体操や運動にもいえることですが、ただ何となく体を動かしているだけでは、せっかくの効果も得ることはできません。
これから、ラジオ体操の効果を十分に引き出すために大切な3つのポイントをお伝えしていきますね。
正しい動作をとる
多くの人は夏休みにラジオ体操をされた経験がおありのことと思います。
ですが、一通り知っていることと、正しい動作ができているかは、まったく別問題です。
例えば、ラジオ体操第1の4番目、“胸を反らす運動”ですが、腕を横に広げて胸を反らす時に顔が上を向いてはいけないのですね。
小学生のラジオ体操は運動不足解消よりも夏休み中の生活リズムを正しく保つことが目的なので仕方ないところもありますが、正しいラジオ体操の動作を知ると、いかにいい加減に動いていたか実感しました(笑)。
他には、腕をひろげるときは指先までしっかり伸ばす、脚の屈伸をするときにはかかとをくっつけるなどなど。
そうした細かい点を意識して動かさないと狙った刺激を筋肉に与えることが出来ないのです。
ラジオ体操を始められる場合、正しい動作で運動できるように、この機会に一度NHKのラジオ体操の番組を見られることをおすすめします!
⇒ラジオ体操の放送時間は朝だけ?第1と第2は同じ時間に放送される?
どの筋肉を動かしているかを意識して体操する
正しい動作を行うと同時に、どの筋肉を動かしているかを意識するとしないで、体操の効果が全く違ってきます。
この体操は太ももを鍛える動きだなと意識して負荷をかける、胸の筋肉を伸ばすんだなと意識して腕を後ろに引き上げる。
最初は感覚がつかめないかもしれませんが、徐々に意識して動かすことが出来るようになりますので焦らずに運動してみてください。
呼吸を止めない
筋肉に負荷をかけるときや引き伸ばすときには息を吸い、力を抜いて筋肉を緩めるときには息を吐くことが体操の効果を高めるためには必要です。
硬くなった筋肉を伸ばそうとすると、痛みを感じたりして、つい息を止めていることがあります。
呼吸を止めてしまうと運動の効果が薄れますので、呼吸を止めないことを意識してラジオ体操を行ってみてください。
ラジオ体操をする時間で効果が変わる
さて、かつては朝の目覚めとともに運動するというのが大変健康的と考えられていましたが、スポーツ科学の進歩で、その常識が変わってきています。
ラジオ体操も例外ではなく、体操をする時間帯によって効果が変わってくることが分かってきました。
起床直後のラジオ体操は危険
朝の運動はとても健康的なイメージですが、年齢が上がるにつれて非常にリスクが高くなります。
眠っている間も、汗や呼吸などで体からは水分が奪われていきます。
起床直後というのは、血中の水分量が少ないので血液がドロドロしているのですね。
血液ドロドロの状態で心配されるのは脳卒中や心筋梗塞といった病気です。
事実、朝はこうした病気の発症率も高め。
血液ドロドロの状態のときにラジオ体操で体を動かすのは大変危険になります。
また寝起きの状態は、体温が上がりきっていないため筋肉もこわばっています。
ラジオ体操は激しい運動ではないですが、こわばった筋肉には思いがけない負荷となって何らかの疾患を引き起こす恐れもあります。
特に冬は気温も低くリスクが高まりますので、朝起きて、しばらくしてからラジオ体操をするようにしてくださいね。
就学・就業前のラジオ体操は集中力アップの効果
朝起きて、しばらくすると徐々に体も目覚めてきますので、起床直後にラジオ体操をする場合のリスクは、ほぼ無くなります。
リスクが低くなるどころか、集中力がアップするという大きなメリットが出てきます。
目安としては、起床してから30分は経っていること。また体操前に水分をとっていることが望ましいです。
ラジオ体操で体全体の筋肉を動かすと、内臓に集中していた血液が脳や筋肉に循環していきます。
結果、脳も目覚めて神経も活性化しますので、勉強や仕事に集中して入っていけるようになるのです。
よく就業前の朝礼でラジオ体操を行う企業がありますよね。好きかどうかは別として理にはかなっているわけなのです。
安全で効果が期待できるのは夕方16~18時
夕方16時から18時は、人間の体温が一番高くなる時間帯にあたります。
このタイミングで運動を行うと
- ダイエット効果がある
- 睡眠の質が良くなる
という2大特典が付いてきます!
体温が高いというのは身体の活動が活発ということでもあります。
夕方のラジオ体操でさらにエネルギー消費が増えるため、ダイエット効果が高まるのですね。
また、夜によく眠れるかどうかは体温が鍵を握っています。
夕方にラジオ体操をしてさらに体温を上げることで夜眠りやすくなり、睡眠の質も良くなるのです。
睡眠の質を上げることは、認知症予防にも繋がりますので、夕方のラジオ体操は一石三鳥の値打ちがありますね!

まとめ
誰もが知っているラジオ体操ですが、その効果の高さは意外と知られていません。
ラジオ体操は、全身の筋肉をまんべんなく使うように考えられている体操です。
ラジオ体操を継続的に行うと、体全体の血流が良くなり筋肉の弾力性を高めるため、次の効果が期待できます。
ラジオ体操の4つの効果
- 姿勢が良くなる
- 新陳代謝が良くなる
- 骨の生成を活性化する
- 肩こりや腰痛が改善する
しかし、ラジオ体操は3分少々と短い時間でできる体操ですので、1回ですぐに効果を得られるという性質ではありません。
ラジオ体操を継続的に行ってこそ、効果を得ることができ、効果を維持することができます。
また、ラジオ体操に限らず、運動で効果を得るためには、次の3つのポイントを意識して行う必要があります。
ラジオ体操をするときの3つのポイント
- 正しい動作をとる
- どの筋肉を動かしているかを意識して体操する
- 呼吸を止めない
かつては健康的なイメージのあった朝の運動ですが、思いがけないケガの原因になることがあります。
そのためラジオ体操も朝の起床直後は避けて、起床から30分が経っている時間か、夕方16時から18時ごろに行うことが効果的です。
なんといっても自宅で手軽に始められるというのはラジオ体操の大きな魅力だと思います。
健康のための習慣として、取り入れてみてくださいね。