食事には、お茶やコーヒー・紅茶、お酒などの飲み物が必ず出てきますよね。
お腹の調子が悪いときは、お酒を控えた方が良いとは聞きますが、他の飲み物はどうなのでしょうか。
飲み物によって、消化が良くなったり悪くなったりするのか気になります。
そこで本日は、飲み物と消化の関係について、詳しくお伝えしていきます。
飲み物の種類によっては、飲むタイミングも大切ですので、参考になさってくださいね。
■目次
消化を助ける飲み物
飲み物によって、消化を助ける作用があるかどうかですが、同じ飲み物でも温度や飲むタイミングで消化に良い・悪いが異なります。
一般的に胃酸を中和する働きがあり消化を助けない飲み物でも、胃酸過多で胃もたれや胸やけがする人が飲むと消化を助ける飲み物になります。
つまり、たった一つの共通点を除いては、飲み物の温度や飲むタイミングや、飲む人によって消化を助ける飲み物は違うということになります。
消化に良い飲み物の共通点
具体的にどんな飲み物が消化にいいのか、詳しく見ていきましょう。
食前・食後に飲む消化を助ける飲み物
食事と一緒にお茶を飲む。
ごく当たり前の食事風景ですし、お茶が消化に悪いということはありません。
ですが、しっかり噛まずに、お茶で食べ物を流し込むような食事の仕方をしていると、胃に負担をかけることになります。
食事中は水分に頼らずに唾液の力でしっかり噛んだ方がいいので、食事中の飲み物はあえてご紹介しませんね。

そのため、「味噌汁も食事の最後に飲んだほうがよい」と力説されていましたね。
食前に飲むと消化を助ける飲み物
食前に飲むと消化を助ける飲み物としてご紹介するのは、炭酸水とショウガ茶です。
炭酸水
炭酸水に限っては、常温ではなく冷やしたほうが消化を助ける働きがあります。
食前に、冷やした炭酸水を100~200ml飲むと、炭酸が胃腸を刺激。
胃腸のぜん動運動が活発になるため、消化が良くなるのです。
詳しくは→炭酸水の健康への効果!炭酸水好きには嬉しい限り
ショウガ茶
ショウガを煎じたお茶には、胃液の分泌を促す効果があり、
- 消化を良くする
- 食欲を増進する
といった効果があります。
ショウガに含まれる辛み成分のジンゲロールは、胃によい成分として知られています。
六君子湯や、平胃散など、健胃作用のある漢方薬にショウガが使われているのはそのためなのですね。
特に脂っこいものを食べる機会が多い夜の食事前に飲むと、消化を助けてくれますよ。
詳しくは→寝つきを良くする飲み物!寝る1時間前におススメの4つ!
食後に飲むと消化を助ける飲み物
緑茶やコーヒーは、食後に飲むと消化を良くする作用があります。
緑茶
緑茶に含まれるタンニンが、胃の働きを活発にし、消化を促進します。
そのため、胃腸薬として飲まれていたこともあるほど。
また腸のぜん動運動を良くする働きもあるので、便秘の解消も期待できます。
コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインとクロロゲン酸には、胃液の分泌を促進する作用があります。
クロロゲン酸とは
食前や空腹時にコーヒーを飲むと、胃が空っぽの状態で胃酸の分泌が始まるため、胃にとってはよくありません。
胃潰瘍や胃酸過多という人も食後にコーヒーは飲まないようにしましょう。
ちょっと一言
貧血気味の人は、食後30分は緑茶やコーヒーを飲まない方がいいですよ。
食前・食後のどちらに飲んでも良い飲み物
食前・食後、飲むタイミングを気にしなくてよいのが、白湯(さゆ)とカモミールティーです。
白湯(さゆ)
水を沸騰させた後、人肌まで冷まして作る白湯は、胃腸に全く負担のかからない飲み物です。
白湯を飲むと、体温が上がって血行が良くなりますので、代謝もアップしますので、カロリー消費も期待できますよ。
白湯の作り方
- やかんに水道水かミネラルウォーター(軟水)を入れて沸騰させます
- 沸騰したら、やかんの蓋を取り、弱火に落として10~15分ほど火にかけます
このとき、水面にぼこぼこと泡が上がってくる状態を維持します - 火を止め、人肌まで冷まして飲みます
カモミールティー
ハーブティーには胃腸の炎症を防止したり消化を促進したりする効果のあるものが多くあります。
本日は、ハーブティーの中からカモミールティーをご紹介しますね。
カモミールは、胃腸の調子を整える効果があり、消化を促進する力も高いハーブです。
同じく消化促進効果のあるミントをブレンドすると、胃腸の調子を整える効果が一層期待できます。
胃酸過多の人の消化を助ける飲み物
健康な人にとっては、胃酸を中和する飲み物は、消化に良くありませんが、胃酸過多で胸やけや胃もたれがある人には、不快感を緩和する飲み物です。
胃酸過多の不快感を緩和
- アルカリ性のミネラルウォーター
- 牛乳
牛乳には、胃粘膜を保護する働きがありますので、健康な人も1日1杯飲むといいですよ。
消化に悪い飲み物とは
消化を助ける飲み物を見てきましたが、飲むタイミングで同じ飲み物が逆効果になったりして、複雑でしたね。
一方、消化に良くない飲み物は、誰にとっても等しく消化に良くありません。
誰にとっても消化に悪い飲み物
- 冷たい飲み物
- アルコール
消化に悪い理由を詳しく見ていきましょう。
冷たい飲み物
冷たい飲み物は、体を冷やし血行が悪くなります。
食事の時は、胃腸に血液が集まり消化が活発になります。
冷たい飲み物をとると、消化のための血液が十分に胃腸に集まらず、消化不良を招きます。
さらに体の冷えは、消化だけではなく免疫を低下させる要因にもなります。
夏場はどうしても冷たい飲み物に手が伸びますが、胃腸の調子が悪いときは、せめて常温のものを飲むようにしましょう。
アルコール
お酒などのアルコールは、胃酸の分泌を高めます。
少量のアルコールは消化を促進するともいわれますが、アルコールは胃の粘膜を傷つけてしまうため胃腸にとって良いものとは言えません。
特に胃腸が弱っている時は、アルコールを飲むと胃酸過多になって胃にダメージを与えますので、控えた方がよいでしょう。
調子がいいときであっても、アルコールの飲み過ぎは胃もたれと消化不良を起こしますので、ほどほどの量を心掛けましょう!
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まとめ
食事には欠かせない飲み物ですが、同じ飲み物でも温度や飲むタイミングで、消化に良い・悪いが変わってきます。
一般的に、胃酸を中和する飲み物は消化に良くありません。
ですが、胃酸過多から胃もたれや胸やけといった胃の不調がある人にとっては、胃酸を抑える飲み物は消化を助ける作用があります。
また、消化に良い飲み物に共通する点は、常温もしくは温かい飲み物ということです。
食事の前後によって、消化に良い飲み物も変わります。
- 食前 ⇒ 炭酸水、ショウガ茶
- 食後 ⇒ 緑茶、コーヒー
- どちらもOK ⇒ 白湯、カモミールティー
お茶などで、しっかり噛まずに食べ物を流し込むのは胃に負担をかけます。
食事中には、味噌汁などを飲むときも、十分に噛むことが消化を助けることになります。
一方、消化の良くない飲み物は、冷たい飲み物とアルコール。
こちらは、いつでも誰にとっても胃腸の負担となる飲み物です。
体調の良くない時は、アルコールは控えて、冷たいものを飲むときも少しずつ飲むようにしてくださいね。