七夕に雨が降ると、天の川の水があふれて織姫と彦星が会えないと聞きますよね。
それなのに!7月7日は梅雨終盤で、雨降りということが多いと思いませんか?
よりによって、どうして梅雨の時期に七夕があるかなと疑問に思っていたのですが、それもそのはず。
七夕は、旧暦7月7日というのが本来の日程だったのです。
旧暦の7月7日を新暦に直すと8月の上旬から中旬。梅雨も明けて、雨の少ない季節です。
現に、今も旧暦で七夕を行う地域があるのです。
本日は、旧暦で七夕を行う地域がどこなのか、旧暦の七夕が2019年はいつかをご紹介していきますね。
旧暦の七夕、2019年はいつ?
ちょっと順番前後しますが、先に旧暦の7月7日が2019年はいつになるかからご紹介しますね。
- 旧暦7月7日 ⇒ 2019年は8月7日水曜日 です
この日なら、梅雨もしっかり明けていますから、天の川もきれいに見えますよね。
雨で織姫と彦星が会えないとヤキモキする必要もなさそうです(笑)。
ここで、どうして七夕が新暦になってしまったのかについても見ておきましょう。
七夕が新暦になったのはナゼ?
そもそも七夕は、中国に起源をもつ伝統行事。
日本に伝わったのは、奈良時代と言われていて、万葉集にも多くの七夕の歌が残されています。
この時代、中国や日本で使われていたのは月の動きをもとにした太陰太陽暦、いわゆる旧暦です。
そして日本が現在の太陽暦(新暦)を公の暦としたのは明治5年(1873年)のこと。
新暦改定をきっかけに、もろもろの伝統行事のほとんどが旧暦から新暦で行われるようになったのです。
旧暦よりも新暦の方が地球の公転周期とのずれが少ないため、暦としては優れています。
ですが、困ったのは新暦と旧暦では、同じ日付でも1ヶ月近い差があるため、旧暦の行事をそのまま新暦にすると季節感が合わないのです。
今回の七夕の旧暦の日付でも、それはよく分かりますよね。
もともと旧暦の7月7日は梅雨の心配のない時期なのですから。
それに星祭という七夕の性質からも
- 新暦7月7日は天の川、牽牛星・織女星の高度が低いが、8月上旬なら高い位置にある
- 旧暦の7日は上弦の月になるので、月光が弱く、星空がきれいに見える
という違いまであるのです。
こうした不都合から、七夕を伝統的な旧暦、もしくは単純に1ヶ月遅らせた8月7日(月遅れの七夕)で行う地域があるというわけなのです。
では、七夕を旧暦で行っている地域がどこなのかを見ていきましょう。
七夕を旧暦で行う地域
七夕を旧暦もしくは月後れの8月7日で行う地域は、徐々に減りつつ状況ですが、まだまだ残されていますね。
分かりやすく、地図と表をご用意しましたのでご覧ください。
七夕を行う分類 | 都道府県 |
全域が旧暦で七夕を行う県 | 秋田県、三重県、鳥取県、島根県 |
大部分が旧暦で七夕を行う県 | 北海道、長野県 |
一部地域が旧暦で七夕を行う府県 | 宮城県、福島県、群馬県、埼玉県、大阪府、徳島県、愛媛県、宮崎県 |
都市部は新暦 地方は新暦で行う県 | 青森県、富山県、静岡県、愛知県、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県、熊本県 |
地図で白く残っている都府県は、全域が新暦で七夕を行っている地域です。
東北は、秋田のねぶた祭りに代表される夏祭りなどが、七夕行事に由来しているというだけあって、旧暦で七夕を行うところが多いですね。
他の地域も、旧暦もしくは月後れ8月7日で七夕を行うところは、七夕のお祭りがあるというところと一致している様子が分かる結果でした。
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まとめ
七夕に雨が降ると天の川の水があふれて、織姫と彦星が会えないというのが七夕の伝説です。
ですが、7月7日は梅雨明け前で、雨が降ることが多い時期というのも不思議な話です。
それもそのはず、そもそも七夕の7月7日という日程は旧暦で定められたもの。
明治5年(1873年)に、新暦が公の暦となり、七夕をはじめとした伝統行事が新暦で行われるようになりました。
結果、七夕は梅雨の時期となってしまいました。
旧暦の七夕は、2019年では8月7日(水)。
梅雨も明けていて星空もきれいに見える時期です。
こうした不都合から、地域によっては七夕を伝統的な旧暦、もしくは1ヶ月遅れの8月7日に七夕が行われます。
青森のねぶた祭りのように、七夕に由来する夏祭りがある地域ほど、旧暦の七夕が残されている傾向です。
お住まいの地域が、新暦で七夕を行う地域という方も(私もですが)、旧暦7月7日の夜空を見上げて、本来の七夕の天の川を眺めてみるのもいいかもしれませんね。