爪をじっくり見てみると、指によって根元に爪半月(そうはんげつ)と呼ばれる白い部分がある爪とない爪があることに気づきます。
爪は健康のバロメーターと言われますが、中医学では特に爪半月の状態から体の不調箇所が分かると考えられています。
もちろん、西洋医学ではそのようには考えません。
ですが、爪の半月が出ていなかったら、自分の体調が心配になりますよね。
そこで本日は、爪の半月について西洋医療・中医学の両方の見解を詳しくお伝えしてきますね。
西洋医療と中医学の見解の違い
西洋医学では、爪の半月がない状態は、爪の伸びるスピードの速さ、つまり新陳代謝が良いか悪いかの違いであって、特に健康に問題があるとは考えられていません。
一方の中医学では、爪は指ごとに体の内部とつながっており、爪の半月に表れる異変は体の中からの不調のサインと考えられています。
爪一つをとっても、「健康」というものをどう考えるのか、西洋医学と中医学の違いが分かりやすく出ているなと感じます。
例えば肩こり。
肩こりに悩んでいる人は多いと思います。かくいう私も小学生の頃から筋金入りの肩こり持ちです。
しかし、肩こりは病気かと言うと、不調ではあるけど病気とまで考える人は少ないですよね。
私も肩こりはありますが、健康ですかと聞かれれば、迷わず健康と答えると思います。
中医学では、こうした肩こりのような不調を「未病」としてとらえます。
未病とは
- 身体の重要な血・水・気の流れに滞りがあると、それが不調として出てくる。
- その不調を軽視して放置して生活を改めないと、それが思いもかけない病気につながる。
中医学においては、爪に半月がないことも「未病」と考えられているのです。
それぞれの医療の考え方を詳しく見ていきましょう。
西洋医療では爪半月の大きさは新陳代謝の差
爪は、爪母(そうぼ)という部分で作られます。
出来たばかりの爪は、水分を多く含んでいるため乳白色をしています。
爪が伸びるにつれて水分が抜けてゆき、硬くなると同時に乳白色も消えます。
乳白色の爪半月(そうはんげつ)は、生まれたての水分たっぷりの状態です。
爪の伸びるスピードが早いか、水分の抜けるのが早いかによって、爪半月の大きさが変わってきます。
新陳代謝が活発な10代半ばが、爪半月が最も大きい時期です。
成人してからでも、爪の伸びるスピードが最も速い親指には半月がある人が大半。
おもしろいことに、爪の伸びる速度は、親指から小指に向かって並んでいる順に遅く、半月も親指から小指に向かって小さくなります。
つまり
中医学では爪半月から体の不調を読み取る
続いては中医学の考えを見ていきましょう。
中医学には、経絡(けいらく)という考え方があります。
経絡とは
中医学では、爪は経絡の最末端であり、各指と関係する内臓・器官の病気や不調を知らせてくれる場所となります。
健康な人の爪半月は、どの指にもしっかりとある。
つまり
それぞれの指から、具体的にどういう不調があると考えられるのか、次の表をご覧ください。
指 | 関係臓器 | 不調 |
親指 | 肺(呼吸器系)、脳 | 息切れ、喘息 物忘れ、記憶力の低下 |
人差し指 | 胃・大腸(消化器系) | 毒素がたまっている むくみ、便秘、軟便 |
中指 | 心、精神面(脳神経系) | ストレスがたまっている 極度になると登校拒否や出社拒否の心配がある |
薬指 | 免疫全般 | 交感神経が弱っている 自律神経失調症、アレルギー |
小指 | 腎臓 | むくみ、膀胱炎 |

あれは、指のツボを刺激することで体調を整える健康法です。
もちろん、爪に半月が出ていないからと言って、関係する内臓や器官に必ず病気があるわけではありませんので安心してくださいね。
いわば、爪の半月の状態に気づけたことは、体からのメッセージに気づけたということです。
その気づきを大事に、日々の生活を振り返り、自分の体をいたわるきっかけにしたいですね。
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まとめ
爪の根元にある白い部分は、爪半月(そうはんげつ)と呼ばれる部分。
爪半月は、生まれたばかりの柔らかい爪で、水分が多いため乳白色をしています。
爪が伸びるにつれて、水分が失われて透明になっていくのです。
爪の伸びるスピードが遅いと、爪の根元に現れるまでに、水分が失われてしまうため、爪半月はなくなります。
そのため、爪半月があるかどうかは、新陳代謝が活発かどうかの目安に過ぎないというのが西洋医学の考えです。
一方、中医学では、指は体の内臓・器官と経絡で結ばれており、爪の半月から関連する内臓や器官の不調が読み取れると考えられています。
爪の半月がないからといって、関連する臓器に必ず病気があるわけではありません。
普段はなかなか気づかない体からのメッセージに気づき、ご自分の体と向き合うきっかけを爪の半月がくれているのかもしれませんね。