衣替えは、服の入れ替え自体も大仕事ですが、これからしまう洋服の洗濯もけっこう大変です。
そして、衣替えの洗濯で判断に困るというか厄介なところは、一見汚れていないということなのですよね。
汚れていないと思ってしまった洋服が、翌シーズン出してみたら虫に食われていたり、しまう前にはなかった黄ばみやシミが出来ていたり。
私も経験ありますが、それがお気に入りの洋服だった日には大ショックです。
そこで、衣替え前にする洗濯である「しまい洗い」についての情報を集めました。
これで、衣替えでしまっておく間に洋服をおじゃんにする黄ばみ・虫食い・シミとはサヨナラしましょう!
衣類の黄ばみや臭いを防ぐ衣替えの洗濯
シーズンが終わった衣類を衣替えでしまうと、次に出してくるのは約半年後。
それだけの期間、ある意味密閉して風をあてない、洗いもしない状態に衣類を置くと、繊維の奥の落としきれなかった汗や皮脂汚れが酸化を始めます。
これが、衣類を黄ばませる、嫌な臭いがする原因なのです!
さらには、色が濃い洋服の場合、食べジミに気づかないことが往々にしてあります。衣替えでしまう時のチェックで大丈夫と思っても、翌シーズンに出してみたら、小さな虫食いがいっているというのはこのためです。
そうならないためには、衣替えの時に「しまい洗い」として洗濯をしてから収納することが大事になってきます。
特に汗をかく季節である夏の衣類。大体、洗濯したものがタンスにしまわれているわけですが、普段の洗濯では落としきれない汗・皮脂をしっかり落とさないと、白いTシャツなどは黄ばみの餌食になりかねません。
衣替えでしまう洋服全てを洗濯?!と考えると、いささかゲンナリはしますが、このひと手間二手間が、翌シーズンに黄ばみや嫌な臭いにガッカリすることを無くしてくれますので、先行投資と考えて頑張りましょう!
また、全部を家で洗うわけでもありません。
洋服の洗濯表示によっては、家で洗ってはいけないものもあります。衣替えの時に、しまう衣類の洗濯表示を見ながら、家で洗うもの・クリーニングに出すものを振り分けていきましょう。
家で洗濯するかクリーニングに出すか
家で洗うか、クリーニングに出すかの振り分けですが、3つの考え方をご紹介します。
- 家で洗うかクリーニングに出すかの考え方
- 洗濯表示に従う
- 洗濯表示を参考にしつつ出来るだけ家で洗う
- クリーニングは使わない
それぞれの考え方とメリット・デメリットを下に説明していますので自分にあっていると思う考え方で、家で洗うもの・クリーニングに洗うものを振り分けてしてください。
洗濯表示に従う
つまり、家で洗ってはいけないものは、全部クリーニング屋さんにお願いする考え方ですね。
一番楽ですが、一番お金もかかります。
あとは、クリーニングに出したからと言って、きれいにならない場合があること。あのクリーニングから戻ってきた独特の臭いが嫌という人もいますね。
私もどちらかというと、あの臭いがすると、どうも洋服自体もきれいになっていないような気になるほうです。
洗濯表示を参考にしつつ出来るだけ家で洗う
私はこの考え方です。ドライクリーニングの表示があっても、素材やデザインを見て、これなら家で洗えると判断したものは家で洗います。ウールのジャケットは難しいですが、綿や麻のジャケットも家で洗ってアイロンかけしてしまっています。
また、もう一つの基準として、特にニットなどは買った年は型崩れさせたくないのでクリーニングに出しますが、2年目・3年目ともなると自分で洗っています。
もちろん、カシミヤやアンゴラが入ったものはクリーニング屋さんにお願いしていますが、ウール100%のものなら、水に中性洗剤で洗い型を整えて平干しすれば、まず大丈夫です。
最初は失敗が怖いと思いますが、日本製品はそうそう縮んだり色落ちもしません。手間はそれなりにかかりますが、クリーニング代の節約は魅力です(笑)
クリーニングは使わない
中には、クリーニングをほぼ使わないという人がいらっしゃいますね。
昔、上司にそういう人がいました。スーツもすべて自分で洗ってアイロンがけするとおっしゃるので仰天したことがあります。
男性だったんですけどね(笑)
ただ、この方法は難易度高いです。洗剤や繊維についての知識がしっかりある人だけができる方法です。
ある意味、完璧主義者の方が好まれると言えますね。
2016年(平成28年)11月に洗濯表示記号が変わり、新しい洗濯表示には、「家庭での洗濯禁止」マークが登場しました。
では、変わる前の洗濯表示では、どのマークだと家で洗ってはいけないのかですが、新しいマークのように明確なものはありませんので、次の3点での判断が必要になります。
- 洗濯機洗い・手洗いマークがない
- 手洗いできないマークがついている
- ドライクリーニングマークがついている
新旧これらの洗濯表示がある衣類は、メーカーがクリーニングに出してほしいと考えている衣類になります。
消費者庁「家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について(2017/3/31)から作成
家で洗う「しまい洗い」洗濯のコツ!
家で洗う衣類の選別が終わったら、間をおかずに、お天気のいい日に一気に洗濯をし、衣替えを完了させましょう!
ここで衣替えで長い間しまう前の洗濯として、普段の洗濯と違うコツをご紹介しますね。
「しまい洗い」のときにやってはいけないこと
普段の洗濯でしていることが、「しまい洗い」では臭いやカビの原因になることがあります。
次に紹介することは、「しまい洗い」では絶対にやらないようにしましょう。
洗濯槽のカビとりをしてから洗濯機で洗う
特に夏物衣類をしまう秋の衣替えの時には洗濯槽のカビとりは必須です。
梅雨から夏にかけて、洗濯槽はカビが最も多い時期。
カビの多い洗濯槽で洗濯をした衣類はしまい込むとカビを発生させる可能性があります。
洗濯槽用洗剤で、洗濯槽をきれいにしてから洗濯するようにしましょう。
お風呂の残り湯を使わない
これも普段の洗濯では問題ありませんが、残り湯には垢(タンパク質)がいっぱいです。
この残り湯で洗うと、衣類にタンパク質が付着して、しまっている間に黄ばみや臭いを発生させることになります。
エリや袖口は部分洗いで皮脂を完全に落とす!
エリ、袖口、脇の下は、皮脂の分泌が多くて、どうしても汚れる箇所です。普段の洗濯でも白いシャツのエリや袖口をきれいにするのは苦戦しますよね。
見た目にきれいになっていても、奥の繊維の皮脂まで落とすことが「しまい洗い」の目的です。
そこで、染み抜きの達人として有名な茨城県のクリーニング屋さん横倉さんが使っておられる「魔法の水」を使った洗濯方法をお伝えします!
重曹 大さじ1杯
液体の酸素系衣料用漂白剤 大さじ3杯
食器用中性洗剤 3滴
- 魔法の水での洗濯方法
- 用意した重曹と洗剤を軽く混ぜる
- きれいなタオルを下に敷き、歯ブラシに「魔法の水」をつけてエリや袖口に塗って広げる
- 衣類を傷めないよう、こすらずにたたくように塗る
- 「魔法の水」をすすいでから、手洗いもしくは洗濯機へ
※色付きの衣類は目立たない場所で色落ちしないか試してから!
※しつこい食べジミにも使えます!
汗・皮脂汚れをきちんと落として黄ばみと臭い防止
くどいようですが、普段の洗濯では、きれいになったように見えて、繊維の奥の汚れまで落としきれていないことが多いのです。普段の洗濯が液体洗剤という場合は、粉洗剤よりもすすぎの回数が少ない分、特に汚れが落ち切っていないと考えてください。
夏物の衣類はもちろん、寝具や下着の衣替えの際には「しまい洗い」で黄ばみ・臭いとサヨウナラしましょう!
全体的にしっかり洗うためには、さきほどの「魔法の水」につけ置きあらいしてから、そのまま洗濯機に入れて回してください。
「魔法の水」を使わない場合、洗濯機に衣類がつかる程度の水と洗剤を入れて1時間ほどつけおきして通常に洗濯機を回せばOKです!
完全に乾かしてからしまうこと!
いつも以上に完全に乾かしてから、衣替えで収納しましょう。
水分が残った状態でしまうと、カビと臭いを発生させることに。コインランドリーで乾かすのも一案です。そうすることで、繊維にひそんでいるダニもかなり除去できるので、高温乾燥が可能な洗濯表示があればお試しを!
クリーニングに出すときに知っておきたいこと
水洗いできないものやドライクリーニング表示があるなど、自宅で洗えない衣類はクリーニング屋さんに「しまい洗い」を頼みましょう。
ただ、クリーニング屋さんにも3種類の洗い方がありますので、それぞれを知ってからクリーニングに出すと一層きれいになりますよ。
- ドライクリーニング
- ウェットクリーニング
- ランドリー
石油を原料とする有機溶剤で洗うため、油汚れは落ちるが水溶性の汚れは落ちない。。
型崩れや縮み、色落ちの心配はない。
水洗いのため、汗などの水溶性の汚れを落とすが、シミは落とせない。。
ワイシャツやシーツなどを専用の洗濯機を使い、お湯と弱アルカリ性洗剤で洗う。
油溶性の汚れは落ちない。
型崩れをおこすため、最後にのり付けしアイロンで仕上げる。
高温プレスできないデリケートな衣類、生成り色、色落ちしやすい素材は不可。
お任せでお願いするのもありですが、「しまい洗い」で落としたいのは皮脂と汗汚れです。汗は水溶性の汚れですので、衣替えのためにクリーニングに出す場合は、ウェットクリーニングを追加でお願いすると完璧です。
そして、クリーニングに出した衣類は、必ずビニール袋から出してしまうこと!
クリーニングの薬品の臭いがこもるということもありますが、一番の理由はスチームアイロンの湿気が衣類に残り勝ちだということです。
湿気は、カビのもとです。吊るして収納する場合は、不織布のカバーでホコリ除けをするようにしましょう。
まとめ
衣替えで衣類をしまうときは、「しまい洗い」洗濯をして、皮脂や汗汚れを完全に落とすことが黄ばみや臭い防止のために必要です。
洗濯をしていたものでも、見た目はきれいでも、普段の洗濯では汚れが落ち切っていないものです。
特にエリや袖口、脇といった皮脂の分泌が多い部分は、汚れがしつこく残っています。
衣替えをしながら、しまうシーズンの衣類を家で洗えるもの、クリーニングに出すものを振り分けて、きちんと「しまい洗い」をして収納しましょう。
気づいていなかった小さい食べジミが虫食いになることも防げますよ。