手洗い表示のものは、もちろん家で洗う。ドライクリーニング表示であっても、綿・麻・ポリエステル素材であれば、やっぱり家で洗う。
という考えで、綿90%以上にポリウレタンが混紡の服も、綿100%の服と同じように手洗いしてきました。
それが、先日クリーニング屋さんに行った時に、カウンターに「ポリウレタンの洋服は数年でダメになります!」みたいなことを書いた紙が貼られていることに気づき、家で洗濯していることが不安になりました。
手持ちの洋服もポリウレタンが入っているものが、かなりあります。間違った洗濯をしていて、ダメにしてしまうのはあまりにもイタすぎます。
そもそも、おしゃれ着洗い洗剤の使ってよい繊維・使ってはいけない繊維にポリウレタンの表示がないことが気にはなってもいたのです。そこで、衣替えも近いこの時期にポリウレタン混紡の洋服の洗濯方法について調べてみることにしました。
本日は、調べてみて分かったポリウレタン混紡の服の洗濯方法についてシェアしますね!
■目次
ポリウレタン混紡の服の洗濯方法
今回調べてみて、初めて知ったことが、ポリウレタンは劣化が早く寿命が短い素材ということです。単に、ストレッチがきいて動きやすくなる素材ということしか知らなかったので驚きました。
劣化の早い繊維であるために、クリーニング屋さんでは、クリーニングでの洗濯をきっかけに傷みが表面化することも多いようで、取り扱いにはかなり苦労されているようです。
ただ、ポリウレタンが強い繊維ではないということを理解したうえで、洗濯表示とメインの繊維が何かを基準にすれば、家で洗濯しても良いというのが、今回調べた中から出した私の結論です。
では、ここからは、私が今までポリウレタン混紡(ポリウレタン10%未満)の服を家で洗ってきた経験と、調べて分かった注意点をお伝えしていきますね。
家で洗濯するかどうかの判断
まずは、家で洗濯するかどうかを判断しないといけません。
家で洗濯するかどうかは、ポリウレタン混紡かどうかにかかわらず、判断材料は2つあります。
- 洗濯表示に従う
- 素材の繊維で判断する
それぞれについて説明していきますね。
洗濯表示に従う
洗濯表示が、手洗い可もしくは洗濯槽洗い可であれば、家で洗濯できます。その場合でも、他に洗う水温の指示や注意書きがあれば、その内容もきちんと守ることが大事なのは言うまでもありません!
家で洗ってよい洗濯表示を掲載しておきますので参考にしてください。
素材の繊維で判断する
洗濯表示は、家での洗濯不可であっても、素材によっては家で洗えることがあります。
実際、私は、素材が綿・麻・ポリエステル・ウールの割合が90%以上なら、ほぼ家で洗っています。
使う洗剤は、中性洗剤のおしゃれ着洗用か、色柄物に使えるワイドハイター。それと素材が良くても、デザインが繊細なものは、さすがに家では洗っていません。

ポリウレタン素材を洗濯する6つのポイント
ポリウレタン混紡(ポリウレタン10%未満)の洋服を家で洗濯する場合の守るポイントが6つあります。
- ポリウレタン素材を洗濯する6つのポイント
- 洗う水温は30度以下
- 洗剤は中性洗剤を使う(塩素系漂白剤は厳禁)
- 強い力で洗わない
- 脱水は短時間
- 干すときは陰干し
- スチームアイロンは厳禁
なぜ、このポイントを守らないといけないのか、理由を見ていきましょう。
水温30度以下で洗濯
ポリウレタンという繊維は、水分や熱、そして紫外線に弱い繊維です。
そのためポリウレタンの洗濯方法として、水洗いをしてはいけないと紹介されているところもありますが、それは、色々調べた結果として、ポリウレタン混紡ではなく、ポリウレタンが表面にコーディングされている洋服は水洗いしてはいけないということだと理解しました。
ただ、その場合も熱に弱い繊維ですので、30度以下の水で洗うことが、洗濯による縮みや劣化を防止するために大切です。
また、長時間水につけておくようなこともやめましょう。
中性洗剤で洗濯
中性洗剤は、繊維を傷める心配が最も低い洗剤です。俗にいう『おしゃれ着洗い洗剤』は、すべて中性洗剤です。
また、塩素系漂白剤は、黄色く変色するおそれがありますので、絶対使わないようにしてください。
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強い力で洗わない
ポリウレタン素材は、強い力で洗うと洋服のねじれの原因になります。
手洗いの場合なら、押し洗いで洗うようにして、もみ洗いはしてはいけませんよ。
また、洗濯機を使う場合は、必ず洗濯ネットを使います。洋服のファスナーやボタンは閉じて、洗濯ネットの大きさにあわせて畳んでネットに入れます。
洗濯機の水流設定は、もちろん弱です。
ポリウレタン製の合成皮革・人工皮革については、必ず洗濯表示を確認してください。そして、洗濯表示が、手洗いもしくは洗濯槽での洗濯できる表示の場合のみ家で洗濯できると考えてください。
もし、表面がひび割れていたり、べたつきが出ていたりするようなら、家で洗濯してはいけません!ポリウレタン自体の劣化が進んでいる状態ですので、洗濯そのものが難しいですが、クリーニング屋さんに相談するようにしましょう!
脱水は短時間で
ポリウレタン混紡の服は、いったんシワがつくとなかなか取れないです。
脱水をかけるときは、1分以内の一番短い設定にします。脱水が終わった後も干すまでに時間を置くと、シワと型崩れの原因になります。
シワと型崩れの防止ということもありますが、水分に弱い繊維でもありますので、すぐに干すようにしましょう。
干すときは陰干し
ポリウレタンという繊維は、紫外線にも反応して劣化していきます。
洗濯表示に陰干し指定がなくても、風とおしの良い日陰で陰干ししましょう。
スチームアイロンは厳禁
ポリウレタンは、高温多湿に弱い繊維です。そのため、洗濯の最後の仕上げ、アイロンがけでは特に注意が必要になってきます。
まずはスチームアイロンですが、ポリウレタンが苦手とする高温と多湿の両方が一度に揃ってしまいます。これはポリウレタンを縮ませる原因ですので、スチームアイロンは絶対やめましょう。
アイロンの温度は、洗濯表示に指示があれば、その指示に従います。もし不明な場合は、混紡の服は一番低温の繊維に合わせるのが原則ですので、80~120℃の低温に設定し、あて布の上からアイロンをかけます。
生地の表面にデザイン性を持たせるためにポリウレタンがコーティングされている服があります。
そうした服をアイロンがけすると、コーティングそのものがはがれ落ちてしまいますので、アイロンがけは絶対NGです。
ポリウレタンという素材について
ポリウレタンは、使用頻度に関係なく、製造と同時に劣化が始まります。劣化の原因となるのは、水分、熱、紫外線のほかに、皮脂や大気ガスもあげられます。
扱い方や手入れ方法によって劣化のスピードは変わってはきますが、一般に2~3年の寿命とまで言われます!あまりの短さにビックリですね。
なぜそんな弱い素材が、この数年で洋服に使われるようになったのか疑問に思いますよね。
要は、スリムでタイトなシルエットがトレンドだったため、動きやすさを洋服にもたせるストレッチ素材がポリウレタンだったということになります。
洋服に伸縮性を持たせる場合は、ポリウレタンを糸に加工して使います。この場合は、べたつきやひび割れなどはありませんが、弱った糸が洗濯で切れてしまい表面に白い繊維がぷつぷつと飛び出ることがあります。
生地をコーティングしたり、合成皮革・人工皮革として使われている場合は、湿度によってベタベタしたり、ひび割れやはがれたりすることが。
一番困るのは、使っていてもいなくても時間の経過で劣化が進むということです。
しばらく使っていなかった革小物の裏地がボロボロになったり、スニーカーのソールが崩れたりするのは、空気中の水分に反応して劣化が進んだ結果なのですね。
長く使うようなものや高価なものを買うときは、ポリウレタンが入っているものは避けるということも考えたほうが良いかもしれません。
また、アウトレットやリサイクルショップで購入するときも、製造からの年月が分かりにくいと思われますので、ポリウレタンが入っているかどうかはチェックポイントに入れておいたほうが良いでしょう。
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まとめ
衣類に伸縮性を持たせることができるなどの理由から、ポリウレタンが素材に入っている洋服を多く見かけますが、ポリウレタンは水分・熱・紫外線などに弱く、時間とともに劣化が進んでいきます。
使用状況や保管状況にもよりますが、ポリウレタンの寿命は短く3~5年といわれます。
そうした性質から、ポリウレタンは洗濯方法を間違えると縮みやねじれ・型崩れなどを起こしてしまいます。
家庭で洗えるかどうかの前提は、もちろん、家庭での洗濯が可能という洗濯表示があることになりますが、綿・麻・ポリエステルなどと混紡の場合は家庭での洗濯不可であっても家で洗うという選択肢もあります。
ただし、洗濯表示に指定されている以外の方法で洗濯することになるので、今まで試したことのない場合は、あくまで自己責任の範囲として慎重に判断が必要になります。
その上で、家庭でポリウレタンが素材に入っている洋服を洗濯する場合、守らないといけないポイントが6つあります。
- ポリウレタン素材を洗濯する6つのポイント
- 洗う水温は30度以下
- 洗剤は中性洗剤を使う(塩素系漂白剤は厳禁)
- 強い力で洗わない
- 脱水は短時間
- 干すときは陰干し
- スチームアイロンは厳禁
ポリウレタンは傷みやすい素材ではありますが、正しい洗濯方法を守ることで、長くきれいな状態で着れるようにしたいですね。
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