ツバメが家に巣を作ると幸福が訪れる・栄えると言われます。
私の場合、近所にツバメの巣がある家を見ると、思わず心の中で「おめでとうございます」とつぶやいてしまいます(笑)。
近所に巣があるということはツバメが暮らせる環境なのですが、我が家にはツバメの巣が作られたことはありません。
ツバメが巣を作る場所として条件が欠けているからなのでしょうが、それが分かれば、ツバメが巣を作る時期に合わせて何とかなるかもしれません。
そこで本日は、ツバメは、いつごろの時期でどんな場所巣を作るのか、詳しくお伝えしていきます。
私と同じようにご近所のツバメの巣がうらやましいという方、ぜひ参考になさってください!
ツバメの巣作りの時期
暖かい地域で暮らすツバメは東南アジアで冬を過ごし、春の訪れとともに日本へ戻ってきて子育てを始めます。
実は、ツバメが巣で暮らすのは子育ての期間だけ。
つまり、ツバメが巣を作る時期は、子育てを始める前=卵を産む前ということに。
- ツバメの子育て時期 ⇒ 4月から7月
- ツバメの巣作りの時期 ⇒ 3月下旬から6月下旬
いずれも幅がありますが、ツバメが卵を抱く姿が最も多く観察されるのは5月上旬から中旬。
巣作りは4月上旬から観察されることが増えてきます。
また、日本列島はご存知のように南北に長く南の地域が先に暖かくなります。
そのため、南の九州での巣作りが北の東北より早い傾向にあります。
巣作り時期の地域差
- 九州 ⇒ 3月から6月
- 関東 ⇒ 4月から7月
- 東北 ⇒ 5月から8月
どの地域も4ヶ月の幅があるのは、ツバメが年に1~2回産卵するため。
1回目の子育てを春に終えると初夏に2回目の子育てをするからなのです。
ツバメは1度目と2度目の子育ては違う巣をかけます。
ツバメに巣を作ってもらいたいと思うなら、1度目の子育てが始まる春が時期が分かりますので、巣作りの条件を整えるための準備をしやすいでしょう。
ツバメがどういった場所に巣を作るのか、続いてツバメの巣作りの条件を見ていきますね。
ツバメが巣を作る場所の条件
ツバメが巣を作るかどうかは、ツバメにとって子育てができる地域であることが大前提です。
その前提を満たした上で、さらに個々の住宅が立地条件をクリアしていることが必要です。
順番にお伝えしていきますね。
ツバメが子育てできる地域かどうか
ツバメにとって巣を作って子育てができる地域とは、次の2つの条件を満たしている地域です。
ツバメが巣を作る地域
- 巣の材料になる土や草があること
- エサになる小さな昆虫がいること
言われてみればなるほどですよね。
家そのものがツバメの巣作りの条件を備えていたとしても、近くに巣作りの材料がなければ巣が作れませんし、エサがなければ子育てはできませんよね。
都会のど真ん中だと条件的に厳しいと感じるかもしれませんが、都市部であっても近くにちょっとした自然が残されていれば大丈夫なケースも。
また、近所にツバメの巣がかかっているお宅があるなら、巣作り地域の条件はすでにクリアしていると考えてOKです。
ツバメが巣を作る条件
では続いて、ツバメが巣をかける家や建物の立地条件を見ていきましょう。
ツバメが巣を作る家
- 人の出入りや人通りがあること
- 雨露にさらされないこと
- 風通しと日当たりが良いこと
- 巣に出入りしにくい障害物がないこと
- 壁に巣を作りやすい段差があること
ツバメが人の生活圏に巣を作る最大の目的は、人の存在を利用してヒナを天敵から守ること。
そのため、個人の住居なら人の出入りのある玄関、人通りの多い駅のホームの天井などを好んでツバメが巣を作るのです。
また軒下やホームの天井がツバメに好まれる理由には、雨に濡れないこともあげられます。
泥や草を唾液で固めて作るツバメの巣は、水に濡れるとボロボロと崩れてしまうため、雨をよけることも安心して子育てをするために欠かせない条件なのです。
風通しと日当たりが良い衛生的な住環境を好む点は、人間もツバメも同じですね。
巣への出入りのしやすさが条件に上がるのは、ツバメのスイーとした飛び方を見れば納得できる条件です。
近ごろの住宅は、ツバメにとって巣をつくりにくいデザインが多いのですが、軒下さえあれば壁が少々つるつるでも問題はありません。
それよりは、巣が落ちにくいように壁に出っ張りや引っ込みなどの段差があるほうがツバメにとって好ましい場所。
このほかに、一度巣があった場所はツバメが再度巣を作る可能性が高いと言われています。
ただし、壊れた巣がある場所は、天敵に襲われた・子育てに失敗した場所とツバメが判断して避けることも。
いずれにしても全ての条件が揃っていても、ツバメが必ず巣を作るわけではない点が難しいところではあります。
ツバメに巣を作らせる方法がある?!
ここまで見てきて、ツバメが巣を作る地域で立地条件もそこそこ揃っているのに、ツバメが巣を作ってくれないと少しがっかりされている方もいらっしゃるかもしれませんね。
そんな場合、いささか強引な手法ですが人工巣を設置するという方法があります。
ツバメの巣は、泥や草などを唾液で固めたお椀型の形をしています。
あらかじめ巣の形に似たものを設置しておくと、ツバメにとっては巣作りの手間が省けるため、選ばれる可能性が出てきます。
人工巣に使う物は、紙粘土やカップラーメンの容器といった身近なものでOK。
では、人工巣の作り方をご紹介しますね。
- 風通しが良くて雨露がかからない玄関の軒下など、設置場所を決めます
- 設置する壁に合わせて、お椀の形を作ります
紙粘土はお椀型に整形、カップラーメンの容器は壁の形に合わせて切りましょう。
- お椀の中に藁やちぎった新聞紙を敷き詰めます
- 落ちてこないようにガムテープなどでしっかり取りつけます
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ツバメの巣作りにかかる期間
ツバメが巣を作り始めたのが分かったら、次に気になるのは完成までどれぐらいかかるか。
ツバメが一つの巣を完成させる期間は、新しく作る場合と、以前の巣を再利用する場合でかなり差が出てきます。
- 新しく作る場合 ⇒ 2週間から1ヶ月
- 以前の巣を再利用する場合 ⇒ 数日
また、ツバメは複数の巣を同時進行で作り始めます。
巣作りの途中に、近くでカラスなどの天敵がいると分かると、ツバメはその場所での巣作りを止めてしまいます。
つまり、複数の場所での巣作りは、天敵から身を守る術がないツバメのリスクヘッジなのです。
ポイント
良かれと思ってフン除けやカラス除けを設置してしまうのもツバメが巣作りを中止する原因になります。
ツバメの巣作りが始まったことに気づいたら、完成まではじっと見守るようにしてくださいね。
まとめ
暖かい地域で暮らすツバメは、春になると日本へは子育てのために戻ってきます。
ツバメが巣を作るとその家には幸福が訪れて栄えるとして喜ばれてきましたが、ツバメが巣で暮らすのは4月から7月の子育ての期間だけ。
そのため子育てが始まる前の3月下旬から6月下旬の間が、ツバメが巣を作る時期です。
- 巣の材料になる土や草がある
- エサになる小さな昆虫がいる
といった子育てができる環境であることが大前提。
前提を満たした地域で、かつ個々の家・建物に5つの立地条件が揃うと、ツバメが巣を作る可能性が出てきます。
ツバメが巣を作る家
- 人の出入りや人通りがあること
- 雨露にさらされないこと
- 風通しと日当たりが良いこと
- 巣に出入りしにくい障害物がないこと
- 壁に巣を作りやすい段差があること
これらの条件があう場所に、ツバメは数日から1ヶ月をかけて巣を完成させます。
ただ巣を作っている途中に近くでカラスなどの天敵を目撃すると、ツバメが巣作りを中断することがあります。
せっかく作り始めたと思って喜んでも、途中で放ったらかしになってガッカリということもありえますが、ツバメのためには仕方ないと思うしかありませんね。。。