晩夏(ばんか)は、夏の終わりという意味で、陰暦6月のことを指しています。
気象的に夏といえば7月・8月ですが、時候の挨拶でいう「夏」は暦上の夏である立夏(5月5日ごろ)から立秋の前日(8月6日ごろ)までとなります。
暦でいう夏の終わりも感覚的なものではなく、陰暦6月(小暑と大暑)の間。
つまり、晩夏の候は小暑の日(7月7日)ごろから大暑の終わる日(8月7日)までに使う時候の挨拶です。
晩夏の候の読み方、意味、使える時期
読み方 | ばんかのこう |
---|---|
意味 | 晩夏は、暦の上の夏の終わりのことで、陰暦6月の時期です。 「晩夏の候」は、暦の上の夏終わりの時候の挨拶です。 |
使える時期 | 小暑の始まり(7月7日ごろ)から大暑の終わり(8月6日ごろ)まで 7月中旬7月下旬8月上旬 暦の季節と気候のずれが大きいため、あまり使われなくなっています。 |
晩夏の候を使った文例
晩夏の候のように、”~の候”とつく漢語調の挨拶は、時候の挨拶の中で最もあらたまった丁寧な言葉です。
ビジネス・公的な手紙や、目上の方に出す手紙の場合には、漢語調の時候の挨拶を使うのが慣例です。
では、よく使われる文例をご紹介しましょう。
ビジネスや公的な手紙
- 拝啓 晩夏の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 晩夏の候、貴社におかれましては、いよいよご発展の由、心からお喜び申し上げます。
- 拝啓 晩夏の候、貴社におかれましては、ますますご隆盛の段、大慶の至りに存じます。
ちょっと一言
貴社は、会社の尊敬語です。
団体や協会に送る場合は、貴社を貴会に変えればそのまま使えます。
団体や協会に送る場合は、貴社を貴会に変えればそのまま使えます。
目上の方に出すような改まった手紙
- 拝啓 晩夏の候、○○様におかれましては一段とご健勝のことと存じます。
- 拝啓 晩夏のみぎり、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 晩夏の折、御一同様におかれましてはいよいよご壮健のことと拝察いたしております。
ちょっと一言
「晩夏の候」は「晩夏のみぎり」「晩夏の折」に変えて使うこともできます。
親しい方に出す手紙ならこんな時候の挨拶はいかが
- 立秋を前にして、まだまだ暑い日が続いておりますが、皆様にはその後、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 暦の上で夏の終わりと言われてもピンとこない暑さですね。ご家族の皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。
tahe
「晩夏の候」は改まった印象が強いため、親しい方に送る手紙の場合、ご紹介したような柔らかい挨拶に言い換えることもできますので参考になさってください。
7月の時候の挨拶!上旬・中旬・下旬ごとの例文と結び文100選!
梅雨が明けると、季節は夏本番。 小暑・大暑にあたる7月は、暑中見舞いの季節です。 暑中見舞いを兼ねてご無沙汰のお相手に手紙を書くいい機会ですね。 ところが、いざ手紙を書くとなって悩むのが、手紙の初めの ...
8月の時候の挨拶!上旬・中旬・下旬ごとの例文と結び文100選!
夏真っ盛りを迎える8月ですが、暦の上では立秋を迎えて早くも秋が始まります。 まだまだ厳しい暑さが続いているにもかかわらず、”残暑お見舞い”に変わるのが立秋のタイミングですね。 残暑見舞いは、ハガキが一 ...