空気がさらっと乾燥していて、気温も過ごしやすい秋!
夏が好きな人には、秋の訪れは嬉しくないかもしれませんが、それでも秋の爽やかさは格別なはず。
そのためでしょうか、秋は他の季節と比べ物にならないほど、「○○の秋」と表現されることが多い季節です。
何種類ぐらいあるのかリストアップしたところ11種類を数えることができました。
その中で、一番よく使われる「○○の秋」って何なのかなぁと気になりましたので、この1年間で新聞や雑誌に登場した回数を調べてみました!
結果とあわせて、「○○の秋」の由来についても簡単にご紹介していきますね。
○○の秋11種類の紙面登場回数
「○○の秋」、私が調べたところでは全部で11種類あり、2017年の9月24日から2018年の9月24日の1年間で、11種類の「○○の秋」が新聞紙面に登場したのは2,512回!
使われた回数が多いもの少ないものありますが、登場回数と順位を表にしましたのでご覧ください。
順位 | ○○の秋 | 登場回数 |
1位 | 実りの秋 | 792 |
2位 | 芸術の秋 | 449 |
3位 | 食欲の秋 | 427 |
4位 | スポーツの秋 | 271 |
5位 | 読書の秋 | 246 |
6位 | 収穫の秋 | 225 |
7位 | 行楽の秋 | 61 |
8位 | 紅葉の秋 | 20 |
9位 | 音楽の秋 | 10 |
10位 | 睡眠の秋 | 7 |
11位 | 美術の秋 | 4 |
日経テレコンと朝日新聞デジタルから独自集計
どうですか?皆さんの予想された順位と一致していましたか?
私はてっきり食欲の秋がトップかと思っていたのですが、実りの秋がトップでしたね。
また、芸術の秋が2位に来ていることも個人的には驚きでした。
ただ、これは新聞や雑誌という媒体の性質を考えると分からなくはない気がします。
記事になりやすい「○○の秋」が上位に入っているなと推測できますよね。
食欲の秋、実りの秋、収穫の秋の3つを合わせると1,444回と、「○○の秋」紙面登場回数2,512回の半数を超えるという点も注目です。
芸術の秋に美術の秋と音楽の秋を合わせると463回。
芸術の秋が単独で449回ですから、美術の秋と音楽の秋は少し存在感が薄いですね。
睡眠の秋にいたっては、紙面登場回数が7回とうんと少ないという結果です。
夏の寝苦しさから解放された秋は、夏の疲れもあって熟睡を実感できる季節のはずなのに、少し寂しい数値ですね。
さて、登場回数の寸評はこれぐらいにして、それぞれの秋がどういう由来を持つのかを少し見ていくことにしましょう。
○○の秋、それぞれの由来
11種類の「○○の秋」ですが、
- 実りの秋と収穫の秋は食欲の秋として
- 美術の秋と音楽の秋は芸術の秋として
- 紅葉の秋は行楽の秋として
6つの分類に整理する形でご紹介していきますね。
食欲の秋、実りの秋、収穫の秋
秋と言えば、食欲の秋!
秋は言わずと知れた収穫の季節ですよね。
食べ物はやはり収穫されたばかりの旬の時期が最もおいしいですし、その季節に必要な栄養素がたっぷりです。
秋さんまは、あまりにも有名ですが、カツオやサケも秋が旬の魚です。
柿にブドウ、なしが秋の果物の代表格ですが、りんごやミカンも早生のものが旬の走りで店頭に並びだします。
そして秋は人の体も生理的に秋は食欲が増すようになっています。
今のように1年中食べ物があふれている時代になっても、寒くて食料が少なくなる冬に備えて、秋にせっせと脂肪を蓄えようとする本能が働くのです。
それとやはり、夏の暑さで受けたダメージを回復をはかる側面もあるのでしょう。
つまり、食欲の秋は、自然の摂理に基づいたものなのです。
ただ、困ったことに、最近は冬でも食べ物は豊富です(笑)。
ウェイトコントロールの効く範囲で、食欲の秋を楽しむようにしないといけませんね。
芸術の秋、美術の秋、音楽の秋
紙面の登場回数は、芸術の秋が、美術の秋・音楽の秋をおさえて3位に入っていましたが、先に美術の秋があったものが、いつしか芸術の秋になったようです。
日展や院展・二科展などの権威ある美術公募展が秋に開催されていることから、美術の秋と称されるようになったと言われています。
秋の夜長は、音楽に耳を傾けるのにも、ピッタリなイメージもありますし、芸術に親しむ秋も素敵ですね。
スポーツの秋
「スポーツの秋」が、新聞紙上に初めて登場したのは、1927年(昭和2年)9月25日付の朝日新聞の朝刊です。
レガッタと小学生のサッカー大会(昭和初期にあったのですね!)の記事の見出しに「スポーツの秋」とう表現が使われました。
ただ、世間で広く使われるようになったのは、1964年10月10日に開会した東京オリンピック以降のことになります。
かつて農業が日本の主要産業だったころ、秋は収穫を終えた農家にとって閑散期であることから、小中学校の運動会が開かれる季節でもあったのですね。
そうした土台があるところに、東京オリンピックの開催が重なって、「スポーツの秋」は受け入れやすかったのでしょう。
読書の秋
読書の秋が、新聞紙面に初めて登場したのは、スポーツの秋よりも早く1918年(大正7年)9月21日付の読売新聞です。
ただし、由来はうんと古く、中国の唐の時代の詩人、韓愈(かんゆ:768-824年)が息子に送った漢詩の一文とされています。
「燈火(とうか)親しむべし」
この言葉を夏目漱石が自身の小説「三四郎」で紹介し、秋は読書の季節というイメージが全国に広がったと言われています。
読書の秋の由来!今に通じる読書を進める親心がそこに!
秋といえば「読書の秋」。 他にも食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋と、秋は引っ張りだこの季節ですが、夏の暑さも終わって、体も心も充実してくるからなのでしょうか。 その中でも、秋の澄んだ空気には、秋こそ読 ...
行楽の秋、紅葉の秋
行楽の秋は、残念ながら、いつごろから言われだしたのか、また由来となる事柄が分かりませんでした。
ですが、紅葉も見ごろとなり、さわやかな気候の秋は旅行やお出かけに最適なシーズンなのは間違いありません。
そして、祝日が多くカレンダーが良ければ三連休が隔週で出現するのも秋ならでは。
カレンダーのお出かけのしやすさも、行楽の秋と言われるようになった由来かもしれませんね。
季節 | 祝日日数 | メモ |
春(3~5月) | 5日 | GWに4日 |
夏(6~8月) | 2日 | |
秋(9~11月) | 5日 | |
冬(12~2月) | 3日 | 元旦除く |
睡眠の秋
新聞紙上で一番取り上げられていなかった「睡眠の秋」ですが、「睡眠の日」が3月18日と9月3日にあることから、睡眠の秋が誕生したという説を発見しました。
3月18日は、世界睡眠医療学会が定めている世界共通の「世界睡眠の日」です。
一方の9月3日は「ぐっすり」の語呂から2011年に定められた日本だけの睡眠の日です。
前後の1週間は、秋春ともに「睡眠健康週間」として良い睡眠のための知識啓発活動を行う期間だとか。
まだまだ登場してから日が浅い「睡眠の秋」、広まるのはこれからかもしれませんね。
まとめ
○○の秋、私が数えることができたのは全部で11種類でした。
新聞紙上で直近1年に登場した回数も調べたところ、トップは「実りの秋」で、「収穫の秋」「食欲の秋」も合わせると登場回数の半分以上になる結果になりました。
続いては、個人的には意外でしたが、「芸術の秋」。
「美術の秋」「音楽の秋」と合わせて、知的なイメージの秋にぴったりな結果です。
使われている回数が少なかった「睡眠の秋」は、由来も浅く、これから広く使われるようになるのかもしれません。
どの○○の秋も、秋のさわやかな季節にこそ満喫できるものばかり。
○○の秋と、一つに絞る必要もありません。
ぜひ、秋の季節を楽しんでくださいね。