読書の秋の由来!今に通じる読書を進める親心がそこに!


秋といえば「読書の秋」。

他にも食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋と、秋は引っ張りだこの季節ですが、夏の暑さも終わって、体も心も充実してくるからなのでしょうか。

その中でも、秋の澄んだ空気には、秋こそ読書と思わせる説得力があるように思います。

でも、気候が「読書の秋」と言われるようになった理由なのでしょうか?
本日は、「読書の秋」の由来といつごろから広く知られるようになったのかを調べてみました。

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「読書の秋」の由来は漢詩から

読書の秋由来top
「読書の秋」の由来は、日本にではなく中国にありました。
しかも、時代もかなり古く唐の時代(618~907年)にまでさかのぼります。

唐の時代の有名な詩人で思想家である韓愈(768~824年)が49歳の時に18歳の息子・符に学問の大切さを説いた「符読書城南」に出てくる一節が「読書の秋」の由来だったのです。

「燈火(とうか)親しむべし」

「燈火(とうか)親しむべし」は、さきほどご紹介した「符読書城南」に出てくる一節です。
この一節こそが、読書の秋の由来とされていて、“秋の夜は灯りをともして読書をするのにふさわしい”という意味があります。

全文はかなり長いのですが、前後を少し引用します。

時秋積雨霽  時、秋にして積雨(せきう)霽(は)れ
新涼入郊墟  新涼(しんりょ)郊墟(こうきょ)に入(い)る
燈火稍可親  灯火(とうか)稍(ようや)く親しむ可(べ)く
簡編可卷舒  簡編(かんぺん)卷舒(けんじょ)す可(べ)し

出典:韓愈「符読書城南」(『全唐詩』341巻)

意訳すると次のようになります。

秋の長雨もやみ空が晴れ渡る頃、
初秋の涼しさが郊外の丘にも広がり始める
秋の夜にはようやく灯りを親しむことができるので
書物を広げて読書を進めることができる

電気のなかった時代、夜は火を灯して明かりをとっていたのでしょう。夏は、火がそばにあるとさすがに暑いですよね。

秋になれば、暑さを感じることもなく灯りをともして本を読める。

この一節からは、そうした当時の生活事情もあったことも伺える気がします。

韓愈は、「唐宋八大家」に数えられる文人ですが、「本を読みなさい!」と息子に書き送るだけでも本当に詩情が豊かなのは、さすがに唐代きっての詩人とされた人ですよね。

「読書の秋」というフレーズが登場したのは大正?

この「燈火親しむべし」という一節は、江戸時代には俳人が引用して使っていたそうですが、広く世間に知られるようになったのは、夏目漱石が「三四郎」(1908年)の中で用いたことがきっかけです。

これで、“秋の涼しい時期には読書”という全国にイメージが広がったといいます。

「読書の秋」というフレーズ自体の登場は大正に入ってからのようです。1918年(大正7年)9月21日付の読売新聞の見出しに使われているのが記録として確認されています。

ただ、これ以外では確認できる数もなく、「読書の秋」は大正の頃には、あまり使われていなかったようですね。

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「読書の秋」が広まったのは昭和になってから

大正の頃にはあまり使われていなかった「読書の秋」ですが、戦後に始まった読書週間の発展とともに、急激に広まり使われるようになります。

それこそ、読書週間が“秋”にあるのは、「読書の秋」だったからと思いがちですが、そこはあまり関係がないのです。

読書週間が始まったのは1947年(昭和22年)ですが、開催するにあたって参考にしたアメリカの「チルドレンズ・ブック・ウィーク」が秋の時期だったということです。

その後も読書週間は毎年読書を親しんでもらおうと毎年開催されており、ポスターで告知するなど秋のイベントとしてすっかり定着しました。こうしたことから、「読書週間」が秋にあることが、秋といえば読書というイメージをいっそう強めていきました。

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「読書の秋」、やっぱり本は売れている?

書店
「読書の秋」の由来と広まった背景は分かりましたが、そこで気になるのが、本当に秋は本が読まれているのだろうか?ということです(笑)

書店や図書館では読書週間の間、様々なイベントが実施されていますが、わが身を振り返ってみても「読書の秋」だからといって書店や図書館に足は運んでいません。
本は、年に20~30冊程度は読みますが、“秋”だから読むというのもあまり無いような。

実際、本が売れるのは、年間では12月、1月、3月の順だそうです。

12月は、この月に発表される年間ベストセラーが売れることと、クリスマスプレゼントとして本がよく買われて、1月は、お年玉が入ったリッチな子供たちが本を買い、3月は4月からの新生活準備関連の本が良く売れるのだそうです。

肝心の10月11月は、書店としては売り上げが低迷する月と言うのが業界の常識と言うことでした。9月も夏休みの反動なのか、決して良くなく、秋の行楽関係と資格関係の書籍が売れるのだとか。

本を買うイコール本を読む量ではないかもしれませんが、近しい線はついていると言えるでしょう。

まとめ

「読書の秋」の由来は、唐の時代の詩人・韓愈が息子に送った漢詩の一節『燈火(とうか)親しむべし』からでした。

“秋の夜は灯りをともして読書をするのにふさわしい”という意味があり、夏目漱石が「三四郎」の中で引用したことをきっかけに、秋は読書をするのに適した季節というイメージが定着しました。

さらに戦後に読書週間が始まると、その発展とともに「読書の秋」というフレーズが一気に広まり使われるようになったのです。

ただ、「読書の秋」とは裏腹に、書店では10月11月は年間で本が売れない時期だとか。

息子に、ようやく本が読める季節になったと説いた韓愈の時代からは比べ物にならないほど快適な現代の生活環境です。

秋ではなくても読書をするのに苦労はしませんが、窓を開けて過ごしやすい季節はやはり秋です。外からの爽やかな空気を感じつつ、「読書の秋」を満喫してみませんか。

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