春を迎える3月は、卒業シーズンでもありますね。
人生の門出を迎え、お世話になった人に感謝の手紙を書く人も多いのではないでしょうか。
ところが、いざ手紙を書くとなって悩むのが、手紙の初めの時候の挨拶<ではないでしょうか。 そこで本日は、月3の手紙にふさわしい時候の挨拶と結びを3月上旬・中旬・下旬別にまとめています。
目上の人・ビジネス | 知人・お知らせ | 親しい人 | |
3月上旬 | 時候の挨拶 | 時候の挨拶 | 時候の挨拶 |
結び | 結び | 結び | |
3月中旬 | 時候の挨拶 | 時候の挨拶 | 時候の挨拶 |
結び | 結び | 結び | |
3月下旬 | 時候の挨拶 | 時候の挨拶 | 時候の挨拶 |
結び | 結び | 結び |
手紙を書く上で大切な3月の季節感
時候の挨拶は、手紙の前文にあたり、手紙に欠かすことができない大切な箇所です。
時候にあった挨拶を書き入れることで、季節感を伝える美しい習慣です。
3月の上旬は、まだ春というより冬と呼びたい気候ですが、下旬ともなれば桜も開花し春本番を迎えます。
そのため3月でも上旬と中旬では時候の挨拶は全く異なってきます。
さらに、手紙では体で感じる季節の以外にも二十四節気や年中行事といった暦上の季節感を使うことが多くみられます。
3月上旬の季節感
3月の上旬は、まだ寒さが残る早春。
ひな祭りもありますので、春の陽気を楽しみに待つという挨拶が中心です。
- 3月3日は「ひな祭り」です
- 3月6日ごろは、冬ごもりの虫たちが地中から出てくる二十四節気「啓蟄」です
3月中旬の季節感
3月中旬は、暖かい日が増え、新緑の芽生えを実感する頃です。
- 3月1日から14日までは春を告げる「お水取り」があります
3月下旬の季節感
春の彼岸を迎え、いよいよ春本番です。3月の下旬は桜の開花便りが相次ぐ時期です。
- 3月21日ごろに、”暑さ寒さも彼岸まで”の春分を迎えます
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手紙のTPOで時候の挨拶を使い分ける
時候の挨拶を選ぶためのもう一つのポイントが、改まった手紙なのか、一般的な手紙なのか、親しい人に出す手紙なのかと言うTPOです。
目上の人やビジネスで出す改まった手紙
目上の人やビジネスで出すよう手紙では、改まった時候の挨拶である、漢語調の時候の挨拶を使います。
3月は、「浅春の候」「萌芽の候」「春暖の候」など。
定型的なものですので、暦の季節である二十四節気にちなんだものが多いです。
「の候」の他に、「の折」「のみぎり」と置き換えても使えます。
バリエーションが増えますので是非覚えておいてください。
知人やお知らせなどの一般的な手紙
そんなに親しくない知人や、学校行事のお知らせなどで出す手紙は、一般的な時候の挨拶を使います。
漢語調の時候の挨拶ほど紋切り型ではないですが、やはり定型的な表現が多く見られます。
3月は、日に日に春の陽気が増す月。
梅や桃・桜の開花といった自然にちなんだ挨拶がよく使われます。
時候のあいさつの後には、安否のおうかがいを続けますが、「お元気でしょうか」「お変わりありませんか」といった疑問形は親しみのある表現になるので使わないようにします。
親しい人に出す手紙
親しい人に出す手紙では、暦の季節だけでなく、その時々の天候や自然、イベントなどを時候の挨拶に盛り込みます。
3月は、ひな祭り、卒業、そして北上する桜前線など。
黄砂や花粉の飛散も、3月ならではの時候の挨拶として使えますね。
形にとらわれずに、季節感あふれる時候の挨拶を楽しんでみてください。
では、ここまでの3月の季節感や時候の挨拶のTPOルールを踏まえて、3月上旬・中旬・下旬の時候の挨拶と例文を見ていきましょう。
3月上旬の時候の挨拶
3月の上旬は、コートが手放さない寒さが残る中にも、春本番を心待ちにする時期。
時候の挨拶でも、本格的な春の陽気を楽しみに待つ気持ちをを伝えていきましょう。
行事としても桃の節句・ひな祭りがありますし、昔の季節の区分である二十四節気では、3月6日前後に「啓蟄」を迎えます。
「啓蟄」とは、地中で冬を過ごした虫や動物が地上に再び姿を現すこと。
春の訪れを象徴する節気です。
3月上旬の季節を表わすキーワードとしては、啓蟄、早春、浅春、雪解け、ひな祭りなどですが、手紙のTPO別では次のようになります。
改まった時候の挨拶 | 一般的な時候の挨拶 | 親しい人への時候の挨拶 |
では、3月上旬の時候の挨拶の具体的な例文をご紹介しましょう。
3月上旬の時候の挨拶の例文
改まった時候の挨拶の例文
- 啓蟄の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 浅春の折、ご家族の皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 早春のみぎり、○○様にはご壮健にてご活躍の段、慶賀の至りに存じます。
- 春和の候、皆様におかれましては、その後お健やかにお過ごしのことと拝察いたします。
- 弥生のみぎり、貴会に置かれましては、ますますご発展の由、心からお喜び申し上げます。
一般的な時候の挨拶の例文
- 春寒しだいにゆるむ折から、ご一同様には、ますますご壮健のことと存じます。
- 春まだ浅く、風邪に冷たさが感じられる今日この頃、ご家族の皆様もお元気でお過ごしのことと拝察いたします。
- 日増しに春めいてまいりました。ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
- 春一番が吹き、急に暖かくなってきましまいりました。
- 一雨ごとに寒さも緩み、○○様には、ますますお元気のことと承り何よりと存じます。
- ほのかに漂う沈丁花の香りに早くも春の到来を感じております。
- 桃の節句も過ぎ、ようやくすごしやすい季節となりました。
- 梅も散り、桃のつぼみがふくらんで参りましたが、皆さまお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。
- 弥生の空が美しく晴れ渡り、空気も暖かくなってまいりました。
- 淡雪も春の訪れを告げているようです。
- 寒さもようやく薄れ、少しずつ暖かさを感じる季節となりました。
- 早春の息吹身に染む今日この頃、皆々様にはその後もお変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 寒緋桜が目に鮮やかなこの頃、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
親しい人への時候の挨拶の例文
- 野山も雪解けをはじめ、水ぬるむ季節を迎えました。
- 3月に入ったとはいえ寒かったり暖かかったりの毎日ですが、ご一同様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 春とはいえ朝夕はまだ肌寒いですが、お元気にされていますか。
- 桃の節句も過ぎ、一日も早く春本番となってもらいたいところです。
- ○○ちゃんの初節句をご家族でお祝いされたことと存じます。
- 桃のつぼみもふくらみ、日中はだいぶ過ごしやすくなってきました。
- 雪解けの季節、窓から見える山々の色も変わってまいりました。いかがお過ごしでしょうか。
3月上旬の結びの例文
時候の挨拶の入る手紙の前文とセットになるのが手紙の結びです。
結びも、改まった手紙や一般的な手紙では定型文を使いますので、時候の挨拶とあわせて確認してみてください。
一方の親しい人への手紙には、その方との付き合いに応じたメッセージを入れてもOK。
色々なケースがあるとは思いますが、こちらもいくつか例文をご紹介しますので参考になさってください。
改まった手紙の結びの例文
- 春寒の折から、風邪など引かれませんようくれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。
- 浅春の折、なにとぞご自愛くださいますようお願い申し上げます。
- 早春の息吹を感じる今日この頃、益々のご活躍をお祈り申し上げます。
一般的な手紙の結びの例文
- 天候不順の時節柄、体調にはくれぐれもご注意ください。
- 寒暖定まらぬ時期ですので、ご自愛ください。
- 三寒四温と申します。気温の変化も大きいのでお身体にはお気をつけて下さい。
- 早春の息吹を感じる昨今、どうぞお健やかにお過ごしください。
親しい人への手紙の結びの例文
- 暖かくなりましたら、ぜひまたお会いしましょうね。
- ひと雨毎に寒さの緩む季節です。お体を大切に、ますますのご活躍を期待しています。
- 3月になったとはいえ、まだ肌寒い日が続きます。どうかお大事に。
3月中旬の時候の挨拶
3月の中旬は、一気に春めいてきます。
街に出れば、卒業式に向かう袴姿の女性を見かける時期でもありますね。
春を告げる東大寺のお水取りがあるのも3月中旬です。
こうした行事は、時期が決まっていますが、花などの自然に関しては季節の進み方は毎年違うものです。
使える時期が定まっている決まり文句以外は、実際の季節と相談しながら時候の挨拶を選びましょう。
改まった時候の挨拶 | 一般的な時候の挨拶 | 親しい人への時候の挨拶 |
では、3月中旬の時候の挨拶の具体的な例文をご紹介しましょう。
3月中旬の時候の挨拶の例文
改まった時候の挨拶の例文
- 軽暖の候、○○様にはますますご活躍の段、心からお喜び申し上げます。
- 萌芽の折、○○様ご一同様におかれましては、その後お健やかにお過ごしのことと拝察いたします。
- 陽春のみぎり、ご家族の皆様にはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます
- 麗日の候、貴店に置かれましては、いよいよご発展の由、大慶の至りに存じます。
- 春雪の折、○○様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
一般的な時候の挨拶の例文
- 春霞のただよう季節となりました。皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 野山にさわやかな風が吹く頃となりました。○○様には、お元気でお過ごしのことと承り何よりと存じます。
- 心地よい春風の吹く季節、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
- 若草色に染まる野山に命のきらめきを感じる季節となりました。
- 春らしいうららかな日和が続いております。
- 春の光もうららかな季節を迎え、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
親しい人への時候の挨拶の例文
- お水取りも済み、いよいよ春を感じる季節です。
- 花粉の飛散の季節がやってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- 愚息もとうとう卒業を迎えます。在学中はひとかたならぬご厚情をたまわりありがとうございました。
- 街を行き交う桍姿の女性を見るにつけ、春の訪れを感じる今日この頃です。
- お嬢様もこの春高校をご卒業を迎えられおめでとうございます。すっかり娘さんらしくなられたことでしょう。
- 春一番が吹き、さすがに暖かくなってきました。
- 春を告げる東大寺のお水取りも済みましたが、時折冬に逆戻りしたような寒い日がございます。
- 少しずつコートも不要な季節となってきましたが、お変わりございませんか。
- 待ちに待った春がやってきました。ご無沙汰してしまいましたが、お元気ですか。
- 昨晩からの強風で、洗ったばかりの車が黄砂にまみれです。こればかりは嬉しくない春の風物詩ですね
- 街もすっかり春色の装いとなり、心浮き立つ思いです。
3月中旬の結びの例文
時候の挨拶の入る手紙の前文とセットになるのが手紙の結びです。
結びも、改まった手紙や一般的な手紙では定型文を使いますので、時候の挨拶とあわせて確認してみてください。
一方の親しい人への手紙には、その方との付き合いに応じたメッセージを入れてもOK。
色々なケースがあるとは思いますが、こちらもいくつか例文をご紹介しますので参考になさってください。
改まった手紙の結びの例文
- 皆様が、よき門出をお迎えになりますよう、お祈り申し上げます。
- ○○様には、春陽のもと穏やかなる日々をお過ごしくださいませ。
- 春草萌え出ずる好季節をむかえまして、貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。
一般的な手紙の結びの例文
- 春の訪れとともに、皆々様の上にも幸せが訪れますようお祈りいたしております。
- 季節の変わり目ですので、体調にはお気をつけ下さい。
- 何かと体調を崩しやすい時期です。くれぐれもご自愛ください。
親しい人への手紙の結びの例文
- 天候の変わりやすい花どきの季節です。風邪など引かれませんように。
- 巣立ちの春に、心からのエールを送ります。
- 菜の花が春を競うように咲き誇っています。春の陽気を感じながらのお出かけをどうぞ楽しまれてください。
- お互い花粉症のつらい時期ですが、何とか乗り切っていきたいですね。
3月下旬の時候の挨拶
3月の下旬は、桜の開花宣言があちらこちらで聞こえ、いよいよ春本番を迎えます。
昔から”暑さ寒さも彼岸まで”と言いますが、3月21日ごろは春の彼岸の中日・春分です。
また、入学や就職で4月から新たな生活が始まる人にとっては、希望と不安に気持ちが浮き立つ時期です。
環境の変化を迎える人に出す手紙であれば、春の訪れとともに希望に満ちた生活が始まる励ましや活躍を祈る気持ちを込めた挨拶を選ぶといいですね。
改まった時候の挨拶 | 一般的な時候の挨拶 | 親しい人への時候の挨拶 |
では、3月下旬の時候の挨拶の具体的な例文をご紹介しましょう。
3月下旬の時候の挨拶の例文
改まった時候の挨拶の例文
- 春暖の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 春分のみぎり、皆さまお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます
- 春色の折、○○様には、いよいよご壮健にてご活躍の由、心からお喜び申し上げます。
一般的な時候の挨拶の例文
- 桜花の便りが聞こえてくる時節となりました。皆様には、その後お変わりなくご過ごしのことと存じます。
- 花の便りも聞かれるようになりましたが、○○様には、ますますお元気のことと承り何よりと存じます。
- 桜のつぼみも膨らんで春の訪れを告げていますが、皆様にはお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。
- 桜前線北上中の今日この頃、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
- 暑さ寒さも彼岸までと申しますように過ごしやすい季節となりました。
- 初蝶の姿に、本格的な春の到来を嬉しく感じております。
- 桜のつぼみもふっくらと、春色の深まりを感じる頃となってまいりました。
- 柔らかな春雨に草木がいっせいに背伸びを楽しんでいるようです。
- 心浮き立つ季節となりました。ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
親しい人への時候の挨拶の例文
- 桜前線も北上していますが、○○様のところでは開花宣言はありましたでしょうか。
- 例年より早い桜前線の北上に乗って、○○様からの朗報が届き、お元気でご活躍のご様子、何よりと存じます。
- 暑さ寒さも彼岸までとよく言ったもので、春の陽気が心地よい季節になりましたね。
- 暑さ寒さも彼岸までと申しますが、彼岸に入ってめっきり暖かかくなってまいりました
- 散策中につくしを見つけました。季節は着実に春ですね。
- 風に揺れる菜の花に春の息吹を感じる今日この頃、気分はすっかり春本番です。
- 吹く風もすっかり暖かくなり、コートが重く感じられる季節になりました。
3月下旬の結びの例文
時候の挨拶の入る手紙の前文とセットになるのが手紙の結びです。
結びも、改まった手紙や一般的な手紙では定型文を使いますので、時候の挨拶とあわせて確認してみてください。
一方の親しい人への手紙には、その方との付き合いに応じたメッセージを入れてもOK。
色々なケースがあるとは思いますが、こちらもいくつか例文をご紹介しますので参考になさってください。
改まった手紙の結びの例文
- 新天地でのさらなる飛躍をお祈り申し上げます。
- 春暖快適の候、皆様のますますのご健勝を心よりお祈り申し上げます。
- 新年度を迎えましても、変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願い申し上げます。
- 思わぬ花冷えにお風邪など召されませんようご自愛くださいませ。
一般的な手紙の結びの例文
- 旅立ちの季節ではございますが、なにとぞお元気でお過ごしください。
- お彼岸とはいえ、まだ寒い日がございます。どうかお体を大切に。
- 年度末の慌ただしい時期ですが、お体にはお気をつけてお過ごしください。
- 花冷えの頃は体調を崩しやすいものです。どうぞご自愛を。
親しい人への手紙の結びの例文
- 桜の便りが待ち遠しいこの頃、どうぞ皆様お元気で。
- まもなく桜が咲きそうです。近いうちにお花見でもしませんか。
- 桜もちらほら咲き始めていましたから、今から花見を楽しみにしています。
- 新生活が、実り多きものとなりますよう願っています。
- 新社会人としての自覚を持ち、職務に精進なさいますよう、大いに期待しております。
- 四月からの新生活、健康には特に気をつけて頑張ってください。
まとめ
手紙の書き出しに欠かせない要素の一つが時候の挨拶です。
季節に合った時候の挨拶を手紙の相手や用事によって使い分ける必要があるため、いざ手紙を書くときに悩むことが多いものです。
3月の手紙で大切にしたい季節感
- 上旬は、まだ寒さが残る時期ですが、季節としては早春。ひな祭りもありますので、春の陽気を楽しみに待つという挨拶が中心です。
- 中旬は、暖かい日が増え、新緑の芽生えを実感する頃です
- 下旬は、春の彼岸・春分を迎えいよいよ春本番、桜の開花便りが相次ぎます。
こうした季節感を表す、3月の代表的な時候の挨拶を整理したものが次の表です。
3月 | 改まった時候の挨拶 | 一般的な時候の挨拶 | 親しい人への時候の挨拶 |
上旬 | |||
中旬 | |||
下旬 |
入学や就職など、4月から新しいスタートを切る人たちに春の希望に満ちた手紙が書けるといいですね。
4月の時候の挨拶!上旬・中旬・下旬ごとの例文と結び文100選!
新しい年度が始まる4月は、入学・就職など新しい生活が始まるという人も多いことでしょう。 お世話になった人に、手紙で近況報告ということも起こってきますね。 ところが、いざ手紙を書くとなって悩むのが、手紙 ...