お付き合い

お歳暮の意味!日ごろの感謝以外にも大切な意味があるってホント?

11月に入ると、早くもデパートから届くお歳暮の案内。お歳暮の案内を受け取ると、今年も残すところわずかだという気になりますよね。

日ごろお世話になっている方に感謝の気持ちを込めてお歳暮を贈る。お歳暮の意味として、多くの人が上げるのはこれかなと思います。

ところが、お歳暮の意味は、日ごろの感謝だけでは無かったのです!知らずに贈ると、翌年になって礼儀知らずになってしまうかもしれません。。。

本日は、そんなお歳暮の意味と、お歳暮の由来についてお届けしますね。

お歳暮を贈る2つの意味

お歳暮の意味
お歳暮を贈るという行為には2つの意味があります。

  • 日ごろお世話になっている人に感謝を伝える意味
  • 日ごろお世話になっている人にこれからもよろしくお願いしますという意味

感謝の方は常識といえるほどですが、これからもお願いしますという意味はあまり知られていないのではないでしょうか?

ここで重要になってくるのが、お歳暮は基本、“これからもお付き合い”がある人、もっと言えば、“これからもお世話になる人”に贈るものということです。

今年何かでお世話になったので、今年だけのつもりでお歳暮を贈って、翌年は知らん顔というのは、礼儀知らずということになる恐れが!

知らなかったとはいえ、本当に怖いですよね。

お歳暮を贈るときは、少なくとも3年はこの方にお歳暮をする前提で贈ってくださいね!

では、続いて、お歳暮の由来についてお伝えしていきますね。

お歳暮の由来は年神様を迎える行事

お歳暮は、江戸時代に現在のような形になり、明治時代に一気に広がったものと言われています。

そして、由来となっているのは江戸時代よりもっと古い時代の年神様をお迎えする年末の行事だそうです。

年神様へのお供えがお歳暮の起源

日本には、古くから「年神様」信仰というものがありました。歳神様というのは、大晦日の夜に訪れ、次の大晦日まで1年間、その家の暮らしを守る神様のことです。

年末には、年神様にお供えする餅や魚・お酒などを本家に贈るという習慣があり、これがお歳暮の始まりではないかと言われています。

この習慣が、いつごろから始まったかというのははっきりしていませんが、遅くとも室町時代には定着していたようです。
年神様

現在のお歳暮になったのは江戸時代

年末の歳神様へのお供えを本家に贈るという風習が、日ごろお世話になっている親類や取引先、仕事の上役に贈るという現在のお歳暮の形になったのは江戸時代に入ってからです。

現在では、企業間の取引は月度締めが基本ですが、江戸時代の商取引は6月末と年末の半年ごとに締めて支払ってもらう形態が主でした。

下半期分の支払いを年末に集金に回るわけですが、その時に1年の取引のお礼の品を持っていくようになったことがお歳暮の始まりと言われています。

また、武士の世界では、旗本が組頭で無役の御家人が数名という小普請組という組織がつくられます。組頭に対して、年末にお歳暮を贈るということも習慣化していました。

歳の暮れに贈り物を届けて回ることから、「お歳暮回り」と呼んでいたのですが、やがて贈り物そのものを「お歳暮」と呼ぶようになったということです。

江戸の承認

お歳暮で定番のあの品の意味は!

お歳暮の魚介類
さて、近ごろではお歳暮で贈りたいギフト・もらいたいギフトのトップはビールで安定しているようですが、少し前までは海苔や鮭といった海産物や乾物がお歳暮の定番でした。

海苔や鮭がお歳暮の定番だった理由は、やはり縁起物として好まれたということがあったようです。

お歳暮に鮭を贈る意味

ここで思い出していただきたいのが、お歳暮の由来となった年末の年神様へのお供えです。

年神様には、御神酒(おみき)とともに、酒肴(しゅこう:お酒のおつまみですね)として塩鮭、するめ、カズノコ、塩ぶりなどが一緒にお供えされる決まりでした。

その中でも、出世魚とされた鮭やぶりは、「年取り肴」として、年越しに必須な食べ物とされたのですね。

また、冷蔵庫も無かった時代には、塩引きされた鮭やぶりは保存もきくので、贈り物としても適していました。

ですが、縁起物として考えた時に、鮭は“裂ける”に通じて縁起が悪いとして、わらで巻いた「新巻鮭(あらまきじゃけ)」の形式で贈るようになったのです。

新巻鮭

お歳暮に海苔を贈る意味

現在では、海苔は養殖技術も確立されていて、いつでも買い求めることができるものですが、江戸時代には海苔はとても貴重なものでした。(海苔は、生産が不安定だったことから、「運草(うんぐさ)」と呼ばれていたそうです。)

そのため、海苔が手に入ることそのものが、運がよいことだったのです。

海苔自体には、神様にかかわるようないわれはないのですが、その希少価値から縁起が良い食べ物としてお歳暮で喜ばれるようになりました

海苔

お歳暮で貰うと嬉しいものは何?

お歳暮も同じ贈るのなら、やはり贈る先に喜んでもらいたいですよね。

アサヒグループホールディングスが2016年に実施されたアンケートによると、欲しいお歳暮は次のような顔ぶれになりました。

  1. ビール
  2. ハム・ソーセージ
  3. お菓子・デザート
  4. 産地直送の魚介類
  5. コーヒー・お茶

欲しいギフトの6位に入ったのは、「商品券」です。確かに貰うと嬉しい反面、ちょっと素っ気ないというか、身も蓋もないかんじですね(笑)。

(アサヒグループホールディングス第612回毎週アンケートから(2016年11月2日~11月8日実施))

まとめ

年末はお歳暮のシーズンですが、お歳暮を贈るという行為には2つの意味があります。

  • 日ごろお世話になっている人に感謝を伝える意味
  • 日ごろお世話になっている人にこれからもよろしくお願いしますという意味

今年何かでお世話になった人に、今年だけと思ってお歳暮を贈り、翌年以降は贈らないというのは、良くありません。

お歳暮は、少なくとも3年は贈り続けるつもりで贈るようにしましょう。

“これからもよろしくお願いします”という意味を私も恥ずかしながら知りませんでしたので、今までどうだったか、少し心配になり思い返しましたが、何とか大丈夫でした。




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