洗濯物に糊付けすると、汚れが付きにくい・洋服にハリが出る・アイロンがけでしわがとれやすいという3つのメリットがありますが、使う洗濯のりによってはメリットに差が出てきます。
それはなぜかと言うと、洗濯のりの成分と形状によって、特徴や使える範囲も変わってくるからです。
なんだか複雑と思われたかもしれませんが、洗濯のりは市販されている商品数が限定されているので、とても選びやすいのでご安心ください。
洗濯の後の糊付けと言う手間とそのあとのアイロンがけを考えると、一番使いやすい物を選びたいですよね。
それでは、洗濯のりの成分による種類の説明から始めますね。
洗濯のりの成分
洗濯のりは、まず初めの分類として天然のりか化学のりかに分かれます。
そして、化学のりは合成のりか半合成のりに分かれるのですが、それぞれの種類と特徴を詳しくお伝えしていきます。
天然のりが使われている洗濯のリ
洗濯のりの内、コーンスターチやタピオカなどのでんぷんで作られているのが天然のりです。
洗濯のりの中では、最もハリが出る仕上がりなので、シャツなどはシャキッとした着心地に仕上がります。
ただ、天然成分であるため、時間が経つと変質しやすく、長い時間しまっておくと虫やカビが発生する恐れがあります。
天然のりで糊付けしたものを長期保管するようなら、のりを洗い落としてから保管することをおすすめします。
化学のりが使われている洗濯のリ
現在、市販されている洗濯のりは、ほとんどが化学のりです。
化学のりは、天然のりに比べて使いやすいのですが、使われている成分によっては色柄物に使えないなどの制約があります。
化学のりは、半合成のりの合成のりの2種類に分かれますが、成分によってさらに4種類に分かれます。
4種類の成分と特徴を分かりやすく表にしましたのでご覧ください。
種類 | 主な成分 | 特徴 |
半合成のり | 加工でんぷん | 糊落ちがよいため、汚れと一緒に洗濯で簡単に落とせます。 色柄物には使わないほうがよいです。 |
カルボキシメチルセルロース(CMC) | 糊付けした衣類の汚れ落ちがよくなります。 色柄物はむらになるので使えません。 | |
合成のり | ポリ酢酸ビニル(PVAc) ポリビニルアルコール(PVA) | 洗濯機での糊付けに使えます。 色柄物や綿・ウール、化学繊維など、どんな繊維にも使えます。 しわ防止機能に優れています。 |
耐熱性ポリマー | 高温に強いためアイロンがけで焦げ付きません。 |
後ほど、主な市販商品の成分などもご紹介しますが、市販されている洗濯のりはポリビニルアルコール(PVA)か耐熱性ポリマーの成分のものが多いです。
特徴から見ても、この2つの成分には大きなデメリットがありませんし、使い勝手が良いということがわかりますね。
洗濯のりの形状
洗濯のりの成分による種類を見てきましたが、洗濯のりはスプレーで使うものや液状のものに分かれます。
中には粉状のものもあるのですが、粉状のものは使い方や特徴が液状のものと同じですので、スプレータイプがそれ以外かで種類分けしていきます。
種類 | 特徴 |
スプレータイプ | 部分的な糊付けに適している。 シャツの襟や袖口など、部分的にシャキッとさせるのに便利。 耐熱ポリマーを含むものが多いので、高温でのアイロンがけでも安心して使える。 割高なので、全体の糊付けには使わないほうが良い。 |
液状 (粉状も含む) | 全体を糊付けするのに適している。 洗濯機や手洗いでの糊付けに使う。 柔軟剤と一緒に使えるタイプもある。 |
形状の違いは、糊付けを襟や袖口など部分だけか全体か、この一点につきます。
形状記憶のワイシャツなどは、スプレータイプで襟と袖口の汚れ防止という使い方が良さそうですね。
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主要な市販商品の分類
ここからは、市販されている洗濯のりが今まで見てきた成分と形状のどれにあたるのかをご紹介しましょう。
目的に応じて、一番使いやすそうな洗濯のりを選んでくださいね!
成分:天然のり(タピオカでんぷん)
形状:液状(というより本当に糊状)
洗濯物がパリッと仕上がる。
通常ののりとしても使うことが可能でふすまや障子の張替えにも使える。
成分:合成のり(ポリビニルアルコール(PVA))
形状:液状
しわがつきにくくアイロンがけがきれいに仕上がる。
色柄物や繊維を選ばずに使える。
今まで色落ちしたりムラになったりと困ったこともなく、使いやすいですよ!
成分:合成のり(ポリビニルアルコール(PVA))
形状:液状
糊落ちが良く、むらなくしなやかな仕上がり。
柔軟剤など、他の仕上げ剤と一緒に使うと糊の効果が落ちる。
成分:合成のり(耐熱性ポリマー)
形状:スプレータイプ
商品名に表記されているとおり、アイロンをかけるときに部分的な糊付けに使います。
耐熱性ポリマーが入っているので、高温でアイロンをかけても、のりの焦げ付く心配がありません。
成分:合成のり(酢酸ビニル系ポリマー)
形状:液状
洗濯機に入れて使うタイプ。
柔軟剤と一緒に使える。
まとめ
洗濯のりは、成分と形状で種類分けされます。
成分による種類では、天然か化学のりという大きな分類がありますが、流通している多くは使いやすさから化学のりになります。
化学のりは、さらに成分によって特徴があり、色柄物では使えないなどの制約が出てきます。
形状については、襟・袖口など部分だけを糊付けしたい場合はスプレータイプ。
全体に糊付けする場合は液状タイプを選ぶという分け方です。
洗濯のりの商品数はそんなに多くありませんので、その中から、最も使いやすいものを選んで使ってくださいね!