”灯火親しむ”は、読書の秋と言われる元となった言葉です。
中国の詩人・韓愈が息子への手紙に”涼しい秋の夜は灯火をともして読書をするのに適しているから、しっかり勉学にいそしみなさい”と書いた故事に基づいています。
涼しく、夜の時間が過ごしやすい10月上旬から中旬ごろに使うと良い時候の挨拶です。
灯火親しむ候の読み方、意味、使える時期
読み方 | とうかしたしむのこう |
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意味 | 「灯火親しむ候」は、”秋となり、読書にもってこいの夜長の時期となりましたね”という意味です。 「灯火親しむ候」は、暦の上の秋の終わりの時候の挨拶です。 |
使える時期 | 夜が暑くも寒くもない10月上旬から中旬にかけて 10月上旬10月中旬 |
灯火親しむ候を使った文例
灯火親しむ候のように、”~の候”とつく漢語調の挨拶は、時候の挨拶の中で最もあらたまった丁寧な言葉です。
ビジネス・公的な手紙や、目上の方に出す手紙の場合には、漢語調の時候の挨拶を使うのが慣例です。
では、よく使われる文例をご紹介しましょう。
ビジネスや公的な手紙
- 拝啓 灯火親しむ候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 灯火親しむ候、貴社におかれましては、いよいよご隆盛の由、心からお喜び申し上げます。
- 拝啓 灯火親しむ候、貴社におかれましては、ますますご繁栄の段、慶賀の至りに存じます。
ちょっと一言
貴社は、会社の尊敬語です。
団体や協会に送る場合は、貴社を貴会に変えればそのまま使えます。
団体や協会に送る場合は、貴社を貴会に変えればそのまま使えます。
目上の方に出すような改まった手紙
- 拝啓 灯火親しむ候、○○様にはいよいよご活躍のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 灯火親しむのみぎり、皆々様におかれましては一段とご健勝のことと拝察いたしております。
- 拝啓 灯火親しむの折、ご家族の皆様にはますますご壮健のことと存じます。
ちょっと一言
「灯火親しむの候」は「灯火親しむのみぎり」「灯火親しむの折」に変えて使うこともできます。
親しい方に出す手紙ならこんな時候の挨拶はいかが
- 灯火親しむ頃となり、皆様におかれましてはご健勝のこととお慶び申し上げます。
- つい夜更かししてしまう読書の秋ですね。お元気でいらっしゃいますか。

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「灯火親しむ候」は改まった印象が強いため、親しい方に送る手紙の場合、ご紹介したような柔らかい挨拶に言い換えることもできますので参考になさってください。
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