うんちく話

七十二候とは?読み方と意味を一覧表で分かりやすく!

七十二候と書いて、”ななじゅうにこう”と読みます。

よく耳にする立春や夏至・冬至などは、昔の季節の区分である二十四節気の一つですが、七十二候は二十四節気をさらに細かくしたものです。

現在の生活では、ほとんど使われなくなってしまいましたが、俳句など文学の世界には残されているものもあります。

本日は、そんな七十二候について、由来読み方・意味などをお伝えしていきますね。

七十二候の由来とは

七十二候top
七十二候は、1年を約5日ごとに分け、その時期の鳥や動物、草花の変化といった自然現象から季節の移り変わりを表したものです。

元となるのは、立春や夏至・冬至、春分や秋分などで知られる二十四節気。二十四節気をさらに細かく3区分して作られました。

起源は、紀元前770年ごろの中国といいますから、かなり古いものですね。中国の黄河中・下流流域(華北地方)で誕生しました。

二十四節気を同じく、奈良時代に日本に伝わります。日本の最初の暦とされる「具中暦(ぐちゅうれき)」にも記載されます。

ですが、中国・華北地方と日本では季節感も違うこともあり、農作業を行う上で重要だった二十四節気ほどには生活に根付かなかったようです。

とはいえ、暦に載っている七十二候と実際の季節のずれは何かと不都合だったようで、遅まきながら江戸時代に入って日本版七十二候である「本朝七十二候が作られたのです。(奈良時代から江戸時代まで、ずいぶん長く辛抱していたのですね(笑))

現在、七十二候というときに使われるのは、本朝七十二候に基づき1874年(明治7年)の「略本暦」に掲載されたものです。

では、本朝七十二候の読み方と意味をご紹介していきますね。

七十二候全部の読み方と意味

七十二候は、二十四節気をさらに細かく3等分したものです。

七十二候の読み方と意味とあわせて、二十四節気のどの区分で、時期はいつごろなのかも合わせてお伝えしますね。

ちなみに、二十四節気の

  • 最初の5日間は初候
  • 真ん中の5日間は次候
  • 最後の5日間は末候

と言います。

春の七十二候

二十四節気七十二候(読み方)意味
立春初候
(2/4~2/8ごろ)
東風解凍
(はるかぜこおりをとく)
東から風が吹き始め、厚い氷をとかし始める
東風は、春に吹く東から吹いてくる風のこと
次候
(2/9~2/13ごろ)
黄鶯睍睆
(うぐいすなく)
まだ寒い日が続く中、うぐいすが山里で美しく鳴き始める
末候
(2/14~2/18ごろ)
魚上氷
(うおこおりをいずる)
水温が上がりだし割れた氷の間から魚が飛び出る
冬の間に魚が肥えて氷の上に躍り出るという説も
雨水初候
(2/19~2/23ごろ)
土脉潤起
(つちのしょううるおいおこる)
雨が降って土が湿り気を含み始める
次候
(2/24~2/28ごろ)
霞始靆
(かすみはじめてたなびく)
霞がたなびき始める
末候
(3/1~3/5ごろ)
草木萌動
(そうもくめばえいずる)
草木が芽吹き始める
啓蟄初候
(3/6~3/10ごろ)
蟄虫啓戸
(すごもりむしとをひらく)
地中の穴で冬ごもりをしていた虫たちが土の扉を広げて出てくる
次候
(3/11~3/15ごろ)
桃始笑
(ももはじめてさく)
ようやく春めいて桃の花が咲き始める
末候
(3/16~3/20ごろ)
菜虫化蝶
(なむしちょうとなる)
菜虫(青虫)が羽化してモンシロチョウになる
春分初候
(3/21~3/25ごろ)
雀始巣
(すずめはじめてすくう)
春の気配が濃くなり、雀が巣を構え始める
次候
(3/26~3/30ごろ)
桜始開
(さくらはじめてひらく)
本格的な春となり桜の花が咲き始める
末候
(3/31~4/4ごろ)
雷乃発声
(かみなりすなわちこえをはっす)
遠くで雷の音がし始める
清明初候
(4/5~4/9ごろ)
玄鳥至
(つばめきたる)
燕が南からやって来る
次候
(4/10~4/14ごろ)
鴻雁北
(こうがんかえる)
雁が北へ渡っていく
末候
(4/15~4/19ごろ)
虹始見
(にじはじめてあらわる)
雨が降った後に鮮やかな虹がかかり始める
穀雨初候
(4/20~4/24ごろ)
葭始生
(あしはじめてしょうず)
水辺の葦が芽を吹きだし始める
次候
(4/25~4/29ごろ)
霜止出苗
(しもやみてなえいづる)
ようやく霜も降りなくなり、苗代では稲の苗が生長する
末候
(4/30~5/5ごろ)
牡丹華
(ぼたんはなさく)
牡丹が大きな花を咲かせる

桜

夏の七十二候

二十四節気七十二候(読み方)意味
立夏初候
(5/6~5/10ごろ)
蛙始鳴
(かわずはじめてなく)
蛙が鳴き始める
次候
(5/11~5/15ごろ)
蚯蚓出
(みみずいづる)
蚯蚓(みみず)が地上のはい出てくる
末候
(5/16~5/20ごろ)
竹笋生
(たけのこしょうず)
筍(たけのこ)が生えてくる
小満初候
(5/21~5/25ごろ)
蚕起食桑
(かいこおきてくわをはむ)
蚕が桑の葉を盛んに食べ始める
次候
(5/26~5/30ごろ)
紅花栄
(べにばなさかう)
紅花の紅黄色の花が盛りを迎える
末候
(5/31~6/5ごろ)
麦秋至
(むぎのときいたる)
麦が熟して麦畑が一面黄金色なる麦秋を迎える
芒種初候
(6/6~6/10ごろ)
螳螂生
(かまきりしょうず)
かまきりが生まれ出てくる
蟷螂は、かまきりのこと
次候
(6/11~6/15ごろ)
腐草為蛍
(くされたるくさほたるとなる)
腐った草が蒸れて蛍となる
水辺の腐った草の下から成虫になった蛍が光を発して夕闇を飛び始めること
末候
(6/16~6/20ごろ)
梅子黄
(うめのみきばむ)
梅の実が黄ばんで熟す
夏至初候
(6/21~6/26ごろ)
乃東枯
(なつかれくさかるる)
草木が生い茂る夏にあって、夏枯草だけが枯れる
次候
(6/27~7/1ごろ)
菖蒲華
(あやめはなさく)
あやめの花が咲き始める
末候
(7/2~7/6ごろ)
半夏生
(はんげしょうず)
からすびしゃくが生え始め、田植もそろそろ終盤
半夏は、からすびしゃくという毒草、日本の半夏生は雑節
小暑初候
(7/7~7/11ごろ)
温風至
(あつかぜいたる)
夏も盛りを迎え、暖かい風が吹いてくる
温風は、真夏から夏の終わりにかけて吹く暖かい風
次候
(7/12~7/17ごろ)
蓮始開
(はすはじめてひらく)
蓮の花が開き始める
末候
(7/18~7/22ごろ)
鷹乃学習
(たかすなわちわざをなす)
鷹の幼鳥が飛べるようになり空に舞い上がる
大暑初候
(7/23~7/27ごろ)
桐始結花
(きりはじめてはなをむすぶ)
桐の花が実を結んで卵型の固い実がなり始める
次候
(7/28~8/2ごろ)
土潤溽暑
(つちうるおうてむしあつし)
土がじっとりと湿り気をおび蒸し暑くなる
末候
(8/3~8/7ごろ)
大雨時行
(たいうときどきにふる)
時として大雨が降る

あやめ

秋の七十二候

二十四節気七十二候(読み方)意味
立秋初候
(8/7~8/12ごろ)
涼風至
(すづかぜいたる)
涼しい風が立ち始める
次候
(8/13~8/17ごろ)
寒蝉鳴
(ひぐらしなく)
蜩が鳴き始める
末候
(8/18~8/22ごろ)
蒙霧升降
(ふかききりまとう)
濃い霧がまとわりつくように立ち込める
処暑初候
(8/23~8/27ごろ)
綿柎開
(わたのはなしべひらく)
綿を包む萼(がく)が開く
次候
(8/28~9/1ごろ)
天地始粛
(てんちはじめてさむし)
ようやく暑さが治まる
末候
(9/2~9/7ごろ)
禾乃登
(こくものすなわちみのる)
稲が実る
禾(か)は、古くは粟を指した
白露初候
(9/8~9/12ごろ)
草露白
(くさのつゆしろし)
草に降りた露が白く光って見える
次候
(9/13~9/17ごろ)
鶺鴒鳴
(せきれいなく)
小川や沼などの水辺でセキレイが鳴き始める
末候
(9/18~9/22ごろ)
玄鳥去
(つばめさる)
ツバメが南へ帰っていく
秋分初候
(9/23~9/27ごろ)
雷乃収声
(かみなりすなわちこえをおさむ)
雷が鳴り響かなくなる
次候
(9/28~10/3ごろ)
蟄虫坏戸
(むしかくれてとをふさぐ)
虫が土の中に作った穴をふさぐ
蟄虫は、土の中にいる虫
末候
(10/4~10/7ごろ)
水始涸
(みずはじめてかる)
水田から水を抜いて干し始め、収穫に備える
寒露初候
(10/8~10/12ごろ)
鴻雁来
(こうがんきたる)
雁が飛来し始める
次候
(10/13~10/17ごろ)
菊花開
(きくのはなひらく)
菊の花が咲き始める
末候
(10/18~10/22ごろ)
蟋蟀在戸
(きりぎりすとにあり)
蟋蟀が戸の辺りで鳴く
霜降初候
(10/23~10/27ごろ)
霜始降
(しもはじめてふる)
田や野原に霜が降り始める
次候
(10/28~11/1ごろ)
霎時施
(こさめときどきふる)
秋も終わりを迎え小雨がしとしとと降る
末候
(11/2~11/6ごろ)
楓蔦黄
(もみじつたきばむ)
もみじや蔦の葉が黄葉する

菊

冬の七十二候

二十四節気七十二候(読み方)意味
立冬初候
(11/7~11/11ごろ)
山茶始開
(つばきはじめてひらく)
山茶花の花が咲き始める
次候
(11/12~11/16ごろ)
地始凍
(ちはじめてこおる)
さらに冷え込み大地も凍り始める
末候
(11/17~11/21ごろ)
金盞香
(きんせんかさく)
冬の気配が強まり、水仙の花が咲き出す
小雪初候
(11/22~11/26ごろ)
虹蔵不見
(にじかくれてみえず)
冬空に虹も見かけなくなる
次候
(11/27~12/1ごろ)
朔風払葉
(きたかぜこのはをはらう)
北風が木の葉を払いのける
末候
(12/2~12/6ごろ)
橘始黄
(たちばなはじめてきばむ)
橘の葉がよやく黄葉しだす
大雪初候
(12/7~12/11ごろ)
閉塞成冬
(そらさむくふゆとなる)
天地の気が塞がって真冬が訪れる
次候
(12/12~12/17ごろ)
熊蟄穴
(くまあなにこもる)
熊が冬眠のために穴に隠れる
末候
(12/18~12/21ごろ)
鱖魚群
(さけのうおむらがる)
鮭が群がって河川を遡上していく
冬至初候
(12/22~12/26ごろ)
乃東生
(なつかれくさしょうず)
草木が枯れている中、夏枯草だけは芽を出し始める
次候
(12/27~12/31ごろ)
麋角解
(おおしかのつのおつる)
大鹿が角を落とす
麋角はなれしか(大鹿)の角のこと
末候
(1/1~1/4ごろ)
雪下出麦
(ゆきわたりてむぎのびる)
一面雪に覆われても、雪の下で麦が芽を出し始める
小寒初候
(1/5~1/9ごろ)
芹乃栄
(せりすなわちさかう)
澄み切った冷えた空気の中、芹がよく生育する
次候
(1/10~1/14ごろ)
水泉動
(しみずあたたかをふくむ)
地中で凍った泉が動き始める
末候
(1/15~1/19ごろ)
雉始雊
(きじはじめてなく)
雄の雉が鳴き始める
大寒初候
(1/20~1/24ごろ)
款冬華
(ふきのはなさく)
寒さが厳しい中でフキノトウが蕾を出す
次候
(1/25~1/29ごろ)
水沢腹堅
(さわみずこおりつめる)
沢に氷が厚く張りつめる
末候
(1/30~2/3ごろ)
鶏始乳
(にわとりはじめてとやにつく)
春の気配を感じ鶏が卵を産み始める

椿

中国版の七十二候とはここまで違う

江戸時代に作られた日本版「本朝七十二候」を見てきましたが、中国版の七十二候も参考に一覧にまとめました。

「本朝七十二候」でそのまま使われているものは、赤字で同じと分かるようにしています。

古代中国の人の季節感が分かる反面、雀がハマグリに変わるとか、ところどころ不思議なものもあります(笑)。

二十四節気宣明暦(中国版)
七十二候と読み方意味
立春初候東風解凍(とうふうこおりをとく)本朝七十二候と同じ
次候蟄虫始振(ちっちゅうはじめてふるう)春の気配に冬ごもりの虫が動き始める
末候魚上氷(うおこおりをのぼる)本朝七十二候と同じ
雨水初候獺祭魚(たつうおをまつる)獺(かわうそ)が捕らえた魚などを岸に並べて食べる
次候鴻雁来(こうがんきたる)冬を湖や沼で過ごした雁が北へ帰っていく
末候草木萌動(そうもくほうどうす)本朝七十二候と同じ
啓蟄初候桃始華(ももはじめてはなさく)桃の花が咲く始める
次候倉庚鳴(そうこうなく)山里で倉庚(うぐいす)が鳴き始める
末候鷹化為鳩(たかけしたはととなる)鷹が春の気配が濃くなることを感じて郭公(かっこう)に姿を変える
春分初候玄鳥至(げんちょういたる)ツバメが南の地方から飛来する
次候雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)遠くで雷が鳴り響きだし、その音に驚く
末候始電(はじめていなびかりす)遠くで鳴っていた雷が近づいて、雨をともなった稲妻が初めて光る
清明初候桐始華(きりはじめてはなさく)陽気が暖かくなり桐の花が咲き始める
次候田鼠化為鴽(でんそかしてうずらとなる)くまねずみが、陽気を強く感じてウズラになる
末候虹始見(にじはじめてあらわる)本朝七十二候と同じ
穀雨初候萍始生(うきくさはじめてしょうず)湖や沼に生える浮草が芽を出し始める
次候鳴鳩払其羽(めいきゅうそのはねをはらう)鳴鳩(いかる)が羽を払う
末候戴勝降于桑(たいしょうくわにくだる)カッコウが桑の木にとまって蚕を生む
立夏初候螻蟈鳴(ろうこくなく)雨蛙が鳴き産卵を始める
次候蚯蚓出(きゅういんいず)本朝七十二候と同じ
末候王瓜生(おうしょうかず)王瓜(からすうり)の青い実が実り始める
小満初候苦菜秀(くさいひいず)苦菜(にがな)が、よく茂る
次候靡草死(びそうかる)田に生える草が強い陽射しで枯れる
末候小暑至(しょうしょいたる)ようやく暑さが感じられるようになる
芒種初候螳螂生(とうろうしょうず)本朝七十二候と同じ
次候鵙始鳴(もずはじめてなく)鵙(もず)などが鳴き始める
末候反舌無声(はんぜつこえなし)ウグイスが鳴かなくなる
夏至初候鹿角解(しかつのをおつ)鹿が角を落とす
次候蜩始鳴(せみはじめてなく)蝉が樹木にとまって鳴き始める
末候半夏生(はんげしょうず)本朝七十二候と同じ
小暑初候温風至(うんぷういたる)本朝七十二候と同じ
次候蟋蟀居壁(しつしゅんかべにおる)キリギリスが壁で鳴く
末候鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)本朝七十二候と同じ
大暑初候腐草為蛍(くそうほたるとなす)腐った草が蒸れて蛍となる
次候土潤溽暑(つちうるおいてあつし)本朝七十二候と同じ
末候大雨時行(たいうときにいく)本朝七十二候と同じ
立秋初候涼風至(りょうふういたる)本朝七十二候と同じ
次候白露降(はくろくだる)秋の気配が濃くなり、きらきら光る朝露が降り始める
末候寒蝉鳴(かんせんなく)ひぐらしが鳴き始める
処暑初候鷹乃祭鳥(たかすなわちとりをまつる)鷹が捕らえた鳥を並べて食べる
次候天地始粛(てんちはじめてしぼむ)本朝七十二候と同じ
末候禾乃登(かすなわちみのる)本朝七十二候と同じ
白露初候鴻雁来(こうがんきたる)雁が北の地方から飛来し始める
次候玄鳥帰(げんちょかえる)ツバメが南へ帰っていく
末候羣鳥養羞(ぐんちょうしゅうをやしなう)多くの鳥たちが食べ物を蓄えて冬に備える
秋分初候雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)本朝七十二候と同じ
次候蟄虫坏戸(ちっちゅうとをとざす)本朝七十二候と同じ
末候水始涸(みずはじめてかる)本朝七十二候と同じ
寒露初候鴻雁来賓(こうがんらいひんす)雁が多く飛来し客人となり、湖や沼などが鳴き声でにぎやかになる
次候雀入大水為蛤(すずめたいすいにはいりこはまぐりとなる)雀が海に入ってハマグリになる
末候菊有黄華(きくにこうかあり)菊の花が咲き出し、中には黄色の花が美しい
霜降初候豺乃祭獣(さいすなわちけものをまつる)山犬が捕らえた獣を並べて食べる
次候草木黄落(そうもくこうらくす)霜がふり、草木の葉が黄ばんで落ち始める
末候蟄虫咸俯(ちっちゅうことごとくふす)虫がみな地中の穴に潜って動かなくなる
立冬初候水始氷(みずはじめてこおる)寒さが一段と厳しくなり水が凍り始める
次候地始凍(ちはじめてこおる)本朝七十二候と同じ
末候雉入大水為蜃(やいけみずにいりおおはまぐりとなる)雉が海に入って大ハマグリになる
小雪初候虹蔵不見(にじかくれてみえず)本朝七十二候と同じ
次候天気上昇地気下降(てんきじょうとうしちきかこうす)天地の暑さ寒さが逆になり、寒さが厳しさを増していく
末候閉塞而成冬(へいそくしてふゆをなす)天気の気が塞がって真冬が訪れる
大雪初候鶡鳥不鳴(かっちょうなかず)冬の寒さにやまどりも鳴かなくなる
次候虎始交(とらはじめてつるむ)いち早く春の気配を感じ虎が交尾を始める
末候茘挺出(れいていいずる)寒さが強まり、おおにらが芽を出し始める
冬至初候蚯蚓結(きゅういんむすぶ)蚯蚓(みみず)が、寒さのため地中でかたまりとなる
次候麋角解(びかくげす)本朝七十二候と同じ
末候水泉動(すいせんうごく)地中で凍った泉が動き始める
小寒初候雁北郷(かりきたにむかう)雁が北へ向かって渡りはじめる
次候鵲始巣(かささぎはじめてすくう)カササギが巣を作り始める
末候雉始雊(やけいはじめてなく)本朝七十二候と同じ
大寒初候鶏始乳(にわとりはじめてにゅうす)春の気配を感じ鶏が卵を産み始める
次候鷙鳥厲疾(しちょうれいしつす)鷲や鷹などが空高く、速く飛び始める
末候水沢腹堅(すいたくあつくかたし)沢に氷が厚く張りつめる

まとめ

七十二候は、昔の季節の区分である二十四節気をさらに細かく3区分に分けたものです。

約5日が一つの候の期間にあたり、鳥や動物、草花の変化から季節の移り変わりを表しています。

紀元前770年ごろの中国が起源で、黄河中・下流流域(中国華北地方)で作成されました。

日本でも奈良時代・平安時代の暦に、すでに載っていますが、華北地方と日本の季節感のずれもあり、あまり重要視されてきませんでした。

江戸時代に入って、日本の季節感にあった日本版七十二候「本朝七十二候」が作られました。

現在、七十二候というときは「本朝七十二候」のことを意味します。

最近は、季節の移り変わる時期の変動が激しくて、2~3日で気温が10度近く差があったりしますが、七十二候を見ていると、のどかな様子が伝わってきますね。




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