うんちく話 お役立ち

ことわざ一覧!有名なことわざを意味も一緒に500連発!

昔から使われてきたことわざは、それだけで意味が通じて、会話が締まるという便利なものですよね。

また、人前で話すようなときに、内容と合致したことわざを一つ入れるだけで、とても気が利いた印象を与えることも可能だったりします(笑)。

でも、ことわざもある意味ボキャブラリーと一緒で、増やそうとしないと増えてこないものです。

そこで、本日は、有名なことわざを500個リストアップしてきました。あ・い・う・え・おの順番で、意味似たことわざもあわせてお伝えしていきますね!

「あ行」の有名なことわざ

「あ」から始まることわざ

会うは別れの始め

開いた口が塞がらない(あいたくちがふさがらない)

  1. あまりのひどさにあきれ果てている様子

会うは別れの始め(あうはわかれのはじめ)

  1. 人が人と出会うと、必ず別れの時が来るのだから、出会いは別れの始まりとなる

人生のむなしさを表すことわざですね。仏教用語の「会者定離」と同じ意味があります。

阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)

  1. 二人以上で何かをするときに、互いの気持ちと息がぴったり合う事

「阿吽」とは、出す呼吸と数呼吸という意味がある梵字です。

青は藍より出でて藍より青し(あおはあいよりいでてあいよりあおし)

  1. 教えを受けた弟子が、師匠よりも優れた技量をもつ、または人物になる

青色の染料は、藍の葉から採りますが、藍の葉よりも美しい色をしていることから生まれたことわざです。

秋茄子は嫁に食わすな(あきなすはよめにくわすな)

  1. 秋なすは、おいしいので、姑がもったいないから嫁に食べさせない
  2. 秋なすは、体を冷やすことと種が少ないため、子宝に恵まれないと困るから嫁に食べさせてはいけない

嫁姑のなさぬ仲を表すことわざと言われていましたが、実は②の嫁を労わる意味があると言われるようになりましたね。

秋の日は釣瓶落とし(あきのひはつるべおとし)

  1. 秋の夕暮れはすぐに暗くなってしまう

秋は、夕日が井戸に釣瓶を落とすように、あっという間に沈んでしまうことから生まれました。

秋の夕日は釣瓶落とし

悪事千里を走る(あくじせんりをはしる)

  1. 善い行いはなかなか人に知ってもらえないが、悪い行いや良くない評判はあっという間に知れ渡ってしまう

「悪事千里を行く」とも言いますが、一度落とした信用を回復するのは大変ですからね。日頃の行動から正しましょうという戒めを感じます。

悪銭身に付かず(あくせんみにつかず)

  1. 不当に得たお金は、大切にせずに使ってしまうのですぐに無くなってしまう

「悪銭」とは、盗みもですがギャンブルに勝って手に入れたお金も含みます。お金は働いて得るものだという教えです。

明日は明日の風が吹く(あしたはあしたのかぜがふく)

  1. 今日がどんな日でも、明日になればいいことがあるかもしれないから、くよくよするのは止めましょう

過ぎたことでくよくよしたり、これからのことを心配したりするのは止めて、明るい気持ちでいきましょう!

明日は我が身(あすはわがみ)

  1. 他人の不幸や苦しむ姿を見て、自分にも同じような不幸や苦しむが起こるかもしれないと身につまされる気持ちになること

頭隠して尻隠さず(あたまかくしてしりかくさず)

  1. 悪事や欠点をすべて隠せたと思っていても、その一部しか隠せておらず世の中から見えてしまっている
  2. 頭を草むらの中に隠しさえすれば、尾っぽが見えても大丈夫と思っている雉の習性から生まれたことわざです。いろはがるたの一枚目でした。

頭の蝿を追う(あたまのはえをおう)

  1. 人のことを心配してあれこれ言う前に、まずは自分のことをしっかりしなさい

中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず)

  1. 推測や答えが、正解しているとまでは行かなくても、大筋で当たっていること

当たるも八卦当たらぬも八卦(あたるもはっけあたらぬもはっけ)

  1. 占いは当たることもあれば外れることもあるものなので、結果を気にする必要はない

占いの結果を気にせず、まずはトライ!という意味にも使いますよ。

当たるも八卦当たらぬも八卦

彼方立てれば此方が立たぬ(あちらたてればこちらがたたぬ)

  1. 一方に対して配慮すれば一方に対しては配慮が足りなくなるというように、ものごとの両方を同時にうまくいくようにするのは難しい

同じ意味で「あなた立てればこなた立たぬ」とも言いますよ。

暑さ寒さも彼岸まで(あつささむさもひがんまで)

  1. 夏の暑さも冬の寒さも彼岸の頃には、ようやくやわらぎ、過ごしやすい気候になる

羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)

  1. 一度の失敗にこりて、必要以上に心配して用心深くなること

羹とスープや汁物で、膾はさしみ類のことです。
スープを飲んだら熱くて火傷をしてしまい、つぎから火傷の心配のない冷たい料理の膾まで冷まして食べる様子から出来たことわざです。

後足で砂をかける(あとあしですなをかける)

  1. お世話になった人の元を去るときに、恩返しどころか、迷惑をかけるようなことをすること

「立つ鳥跡を濁さず」が、反対の意味を持つことわざです。
恩返しとまでいかなくても、迷惑をかけるのは、絶対ダメですね。

後は野となれ山となれ(あとはのとなれやまとなれ)

  1. 前の前の問題さえ何とかなれば、後から何か問題が起こってもかまわない

その場しのぎの無責任な態度の極みを指すことわざですね。

後は野となれ山となれ

痘痕も靨(あばたもえくぼ)

  1. 相手に好意や好感を持つと、欠点すらも長所に見えてくる

痘痕(あばた)とは、天然痘が治った後に残る発疹の跡で、ぶつぶつとした小さなくぼみのことです。

虻蜂取らず(あぶはちとらず)

  1. 二つの物を手に入れようと欲張ると、結局両方とも手に入らない

欲張りすぎると失敗しますよ、一つのことをしっかり集中して取り組むましょうねという戒めですね。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」と同じ意味です。

雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)

  1. わずかな力でも、根気よく長く続けることで、最後には大きな結果を残すということ

小さな雨垂れも、一か所にずっと落ち続ければ、やがて石に穴が出来るということが本来の意味ですね。
言葉の響きも格好良くて、一番好きなことわざかもしれません。

雨降って地固まる(あめふってじかたまる)

  1. 色々と問題が起こって解決した後には、かえって物事が安定して、うまくいくにようになる

雨が降った後は、地盤が締まってしっかりすることから、生まれたことわざです。

過ちを改むるに憚ることなかれ(あやまちをあらたむるにはばかることなかれ)

  1. 間違っていたと思ったら、ためらうことなく、すぐに直しなさい

ぐずぐずしていると、余計に傷が深くなることは往々にしてあることです。。。

案ずるより産むが易し(あんずるよりうむがやすし)

  1. あれこれ心配しているよりも、物事は実行してみると、思っていたより上手くいく

取り越し苦労が先に立って、行動に移せないことを戒めることわざですね。

「い」から始まることわざ

言うは易く行うは難し(いうはやすくおこなうはかたし)

  1. 口で言うだけなら誰でも出来るが、実行することは難しいことだ

生き馬の目を抜く(いきうまのめをぬく)

  1. 生きている馬の目を抜き取るほど動きが素早く油断がならないこと

「生き馬の目を抜くような大都会」と使われることが多いのでは。都会ではウカウカしていると、他人に出し抜かれてしまうという事ですが、なんとも世知辛いことわざです。

石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)

  1. どんなことでも、辛抱して続ければいつかは成功する

冷たい石の上でも3年座っていれば暖かくなるというのが素の意味です。3年というのは、続けるという辛抱の期間の比喩ですが、3年続けるというのは確かに一つの目安だと感じます。

石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)

  1. 非常に用心深く、確認に確認を重ねて物事を始めること

丈夫な石橋であっても、叩いて安全を確かめて渡るという慎重さの例えですね。中には、石橋を叩いても渡らないという人もいますが(笑)。

石橋を叩いて渡る

医者の不養生(いしゃのふようじょう)

  1. 立派なことを言っておきながら、行動が伴っていないさま

お医者さんが、患者には体を大事にするよう言っておきながら、自分の健康をおろそかにすることから出来たことわざですね。
同じ意味のことわざに、「坊主の不信心」があります。

衣食足りて礼節を知る(いしょくたりてれいせつをしる)

  1. 人というものは、生活が豊かになって初めて、礼儀や作法に心を向けることができる

同じ意味で「衣食足りて栄辱を知る」とも言います。

急がば回れ(いそがばまわれ)

  1. 危険な近道を行くより、遠回りでも安全な道の方が、早く目的地に着くものであり、物事は慌てずに着実な手段を選んで行わなければならない

個人的には、焦る時に自らに「急がば回れ」と言い聞かせるように使っていますね。
「急いては事をし損ずる」が似た意味のことわざです。

痛くもない腹を探られる(いたくもないはらをさぐられる)

  1. 身に覚えのないことで疑いを受けること

一事が万事(いちじがばんじ)

  1. ある一つの物事に対する姿勢を見れば、他のすべての面についてもどういう姿勢が推測できる

人の嫌な行動を非難するときに使うことが多いでしょうか。
「一事が万事」が正解な時もあれば、外れることもあり。人は、簡単には分かりません(笑)。

一難去ってまた一難(いちなんさってまたいちなん)

  1. 災難や面倒なことが次から次にやってくること

一つ解決したとホッとするのもつかの間、次のトラブルが起こる。そんな時が確かにあります。
じたばたしても仕方ないので、一つずつこなすしか無いのですけどね。
こういう事は多いと見え、「前門の虎後門の狼」「泣きっ面に蜂」「弱り目に祟り目」と、同じ意味のことわざが多いですね。

一年の計は元旦にあり(いちねんのけいはがんたんにあり)

  1. 物事は、最初に計画をしっかりと立ててから取り掛かるべきものだという例え

一年の計画は年の初めに立てるべきであるということですが、同じ意味で「一日の計は朝にあり」というものもあります。

一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)

  1. 初夢で見ると縁起が良いとされるものを順番に並べた語

徳川家康が基礎を築いた駿河(現在の静岡県)の名物と言われていますね。

一富士二鷹三茄子

一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)

  1. わずかな事を聞くだけで多くのことを理解できるほど、優秀であること

一矢を報いる(いっしをむくいる)

  1. 大勢を変えるには及ばなくても、わずかであっても反撃・仕返しをする

元の意味は、敵の攻撃に対して矢を射返すというものですが、それが転じて今の意味になりました。

一寸先は闇(いっすんさきはやみ)

  1. 先のことは、どんなに近い将来でも何が起こるか分からない

いろはかるた(京都)の1枚だったものです。一寸は約3㎝という単位。そんなわずか先であっても、どんな不幸が待ち受けているか分からないという例えです。

一寸の光陰軽んずべからず(いっすんのこういんかろんずべからず)

  1. わずかな時間であっても無駄に過ごしてはいけない

「光陰」は時間を意味する言葉です。
原文は、偶成という詩ですが、前の区にあたる『少年老い易く学成り難し』も有名ですね。

一寸の虫にも五分の魂(いっすんのむしにもごぶのたましい)

  1. どんなに小さく弱い者にも、相応の意地があるものだから、侮ってはいけない

一寸の虫にも五分の魂

いずれ菖蒲か杜若(いづれあやめかかきつばた)

  1. どちらも同じぐらい優れていて、優劣が付けられないこと

菖蒲(あやめ)と杜若(かきつばた)は、とてもよく似た美しい花ですが、区別がなかなか難しいことから出来たことわざですね。

犬も歩けば棒に当たる(いぬもあるけばぼうにあたる)

  1. じっとしていればよいものを出しゃばるから痛い目に合う
  2. 出歩くからこそ、思いがけない幸運にも出会える

いろはかるた(江戸)で有名なので知ってはいたのですが、これもことわざだったのですね。

井の中の蛙大海を知らず(いのなかのかわずたいかいをしらず)

  1. 狭い世界に閉じこもっていて広い世界があることを知らない、狭い世界から得た知識で、物事を判断すること

視野の狭い人を指して、「井の中の蛙」と揶揄することもありますね。

今鳴いた烏がもう笑う(いまないたからすがもうわらう)

  1. ほんの少し前まで泣いていた子供が、機嫌を直して笑うさま

色気より食い気(いろけよりくいけ)

  1. 虚飾よりも実質を重んじること
  2. 色気より食い気が盛んな年ごろ
  3. 食料の不足時には、食料の確保が優先する

鰯の頭も信心から(いわしのあたまもしんじんから)

  1. イワシの頭のようなつまらないものでも、信じて拝めば有難く見える

信仰心の不思議さを例えることわざですが、いろはかるた(京都)の1枚です。

言わぬが花(いわぬがはな)

  1. 何でもかんでも口に出しては値打ちが無い
  2. 口に出して言ってしまうと差し障ることがあるので言わない方が良い

「う」から始まることわざ

魚心あれば水心(うおごころあればみずごころ)

  1. 相手が好意を示すならば、こちらも好意を持って対応するということ

本来は、「魚、心あれば、水、心あり」と言うのだそう。魚に水に親しむ心があれば、水もそれに応じる心を持つという意味があります。

雨後の筍(うごのたけのこ)

  1. 雨の後、タケノコが一気にニョキニョキと顔を出すように、似たような物事が一斉に現れ出ることのたとえ

雨後の筍

牛にひかれて善光寺参り(うしにひかれてぜんこうじまいり)

  1. ふとした偶然や他人の誘いから、意図せずに善いことを行ったり、良い結果を得られたりすること

善光寺の近くに住んでいたお婆さんが、さらしていた布を隣の牛が角に引っ掛けて走っていくのを追いかけて善光寺に着き、それがきっかけで日ごろの不信心を反省し善光寺を信仰するようになったという話に基づくことわざです。

氏より育ち(うじよりそだち)

  1. 家柄の良さや身分よりも、育った環境の方が、人間性に影響し大切である

京都のいろはかるたの1枚だったことわざです。お公家さんが多かった京都ならではのことわざという感じがしますね。

嘘から出た真(うそからでたまこと)

  1. はじめは嘘だったことが、何かの偶然で本当のことになってしまうこと

江戸のいろはかるたの1枚だったことわざ。世の中、偶然の力で信じられないようなことが起こるという意味でも使います。

嘘つきは泥棒の始まり(うそつきはどろぼうのはじまり)

  1. 平気で嘘をつくようになると、そのうち盗みも平気になってしまうようになるから、嘘はついてはいけない

嘘も方便(うそもほうべん)

  1. 物事を円滑に進めるためには、時と場合によっては嘘をつくことも必要なことがある

さっきは、泥棒の始まりと言ったくせにという感じですけどね(笑)。

独活の大木(うどのたいぼく)

  1. 体が大きいだけで、役に立たない人をあざけって言う言葉

鵜の真似をする烏(うのまねをするからす)

  1. 自分の能力もわきまえず、人のまねをしても失敗する

カラスが、色や姿が似ているからといって、鵜のように水に潜って魚を取ろうとしても溺れてしまうよというのが本来の意味です。

鵜の目鷹の目(うのめたかのめ)

  1. 何かを探し出そうとして、鵜や鷹が狩りをする時のように鋭い目つきで辺りを見ること

馬には乗ってみよ人には添うてみよ(うまにはのってみよひとにはそうてみよ)

  1. 人や物の本当の値打ちは、簡単に分かるものではないのだから、最初から敬遠せずに経験してみることだ

馬の良しあしは乗ってみないと分からず、人柄の良しあしも付き合ってみないと分からないというのが言葉そのものの意味ですね。

馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ)

  1. 馬に有難いお経を聞かせても意味がないということから、人の意見や忠告を理解できない、聞き流して分かろうとしないことの例え

馬の耳に念仏

海千山千(うみせんやません)

  1. 海に千年、山に千年住んだ蛇は龍になるという言い伝えから、経験豊かで、世の中の裏表に通じており、したたかで抜け目がないこと。

海の物とも山の物ともつかない(うみのものともやまのものともつかない)

  1. 将来的に、どのようになるのか全く見当がつかないこと

瓜の蔓に茄子はならぬ(うりのつるになすびはならぬ)

  1. 平凡な親からは平凡な子供しか生まれない

「鳶が鷹を生む」は、真逆の意味のことわざとして有名ですね。

ナスの花

噂をすれば影(うわさをすればかげ)

  1. 誰かの噂話をしていると、当人がその場に姿を現わすものだ

人の噂話や悪口は、ほどほどにしないと痛い目に合いますよという戒めです。

雲泥の差(うんでいのさ)

  1. 雲と泥、つまり天と地ほどに大きな差があること

「月とすっぽん」ということわざもありましたねぇ。

「え」から始まることわざ

海老で鯛を釣る

江戸の敵を長崎で討つ(えどのかたきをながさきでうつ)

  1. 意外なところや、筋違いのところで、昔の恨みを果たすことのたとえ

江戸での恨みを遠く離れた長崎の地で晴らすという意味です。思いがけないところで、思いがけない人に再会することって確かにありますよね。それが会いたい人とばかりとは限らないのも不思議な話ですが。

絵に描いた餅(えにかいたもち)

  1. いくら立派な理論や観念であっても、実際の役には立たない
  2. 理想の形に実現性が乏しいこと

どんなに本物のように見えても、絵のお餅ではお腹は膨らまないということです。

海老で鯛を釣る(えびでたいをつる)

  1. わずかな元手や努力で、大きな利益や成果を得ること

略して「えびたい」。バレンタインで数百円の義理チョコが千円のハンカチになって返ってくるみたいな話です(例えが小さい?)。

燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや(えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや)

  1. 志のない者や凡人には、大志をもつ人の考えや気持ちは理解できない

史記の故事に基づくことわざですね。ちょっと取っつきにくいですが、サラッといえると「かっこえー」と思われること間違いなしです(笑)。

縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち)

  1. 人知れず、誰かのために努力や苦労をすることや、そのような人

いろはがるた(京都)の「え」の札から来ています。

「お」から始まることわざ

老いては子に従え(おいてはこにしたがえ)

  1. 年をとったら、自分の意見よりも、子供のいうことに従う方が良い

いろはがるた(江戸)の「お」の札です。世の中はどんどん変わっていくので、いつまでも「昔取った杵柄」が通用するとは限りませんが、「亀の甲より年の劫」ということもあります(笑)。

起きて半畳寝て一畳(おきてはんじょうねていちじょう)

  1. 人間が生きていくのに、それほど多くの物は必要ない

「起きて半畳寝て一畳、天下取っても二合半」と続けて使うことも。
寝起きするには、一畳もあれば十分な広さ。天下を取ったとしても、一食に二合のご飯は要らない。
人間の贅沢を求める心を戒めることわざです。

屋上屋を架す(おくじょうおくをかす)

  1. 必要のない無駄を重ねること

屋根の上にさらに屋根を重なるという無駄を表しています。取り越し苦労を戒める意味もありますよね。

驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず)

  1. 地位や財力を得て、身勝手な振る舞いをしていると、長くは続かず落ちぶれてしまうということ

栄華を極めた平家一門が、平清盛亡き後、滅んでしまった故事がベースになっています。「平家物語」の冒頭、「驕れる人は久しからず」から来ています。
順調な時ほど、調子に乗らないようにという戒めが込められています。

鬼が出るか蛇が出るか(おにがでるかじゃがでるか)

  1. これから先に、どんな恐ろしい事態が起こるか予想がつかないことのたとえ

鬼に金棒(おににかなぼう)

  1. もともと強い存在が、さらに強化されて、とうてい敵わなくなること

ただでさえ強い鬼が金棒を持ってしまうとお手上げという意味ですね。
いろはがるた(江戸)の「お」の札から出来ました。

鬼に金棒

鬼の居ぬ間に洗濯(おにのいぬまにせんたく)

  1. 怖い人や口うるさく注意する人がいない間に、思う存分くつろぐこと

鬼の霍乱(おにのかくらん)

  1. 普段は丈夫で病気もしそうにない人が、珍しく病気にかかること

「霍乱(かくらん)」とは、夏場の暑気あたりからくる下痢のことです。

鬼の目にも涙(おにのめにもなみだ)

  1. 無慈悲で鬼のようだと思われている人でも、時には同情したり哀れに思ったりして涙を流すような人情味を見せることがある

帯に短し襷に長し(おびにみぢかしたすきにながし)

  1. 何かに使うには中途半端で、結局何の役にも立たないこと

帯に使うには短すぎるし、襷(たすき)に使うには長すぎる、結局どちらにも使えないという状況から生まれたことわざです。

溺れる者は藁をもつかむ(おぼれるものはわらをもつかむ)

  1. 困っている時は、助けにならなそうなものであっても、すがってしまうということ

困っている時は、判断力も鈍る傾向にあるので、藁が立派な流木ぐらいに思ってしまうという事もあるかもです。

思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ)

  1. 物事を始めようと決意したら、その日にすぐに行動に移すと良い

とりあえず、“やってみなはれ”ということですね。行動に移してみないと、その考えが正しいのかどうかも分かりませんしね。

親の心子知らず(おやのこころこしらず)

  1. 親が子のために思う心や愛情を子供の方は分からずに好き勝手に振舞うものだ

親が子供の行動を嘆いて使うこともありますし、親の自分を思ってくれている心に気づいて子供が使う時もあります。

親はなくとも子は育つ(おやはなくともこはそだつ)

  1. 世の中のことは何とかなるものだから、それほど心配することは無い

親を亡くしても、残された子供はどうにか育つというのが本来の意味。最近は、過保護を戒めるときにも使うような気がします。

終わりよければ総て良し(おわりよければすべてよし)

  1. 物事は結末や最後が良ければ、途中に色々といざこざや失敗があっても、帳消しにできる

シェークスピアの戯曲「All’s well that ends well」が元となったことわざです。

「か行」の有名なことわざ

「か」から始まることわざ

飼い犬に手を噛まれる

飼い犬に手を噛まれる(かいいぬにてをかまれる)

  1. 日ごろから、目をかけて世話をしてきた相手や部下に裏切られ、思わぬ害を受ける羽目になること

快刀乱麻を断つ(かいとうらんまをたつ)

  1. もつれた麻の糸を鋭い刃物で断ち切ることから、難しい状況や問題を明快に素早く解決すること

蛙の子は蛙(かえるのこはかえる)

  1. 子は親の才能や性質を受け継ぐものだから、凡人の親からは平凡な個しか生まれない
  2. 子どもが親と同じ職業や道を選ぶこと

蛙の面に水(かえるのつらにみず)

  1. カエルに水をかけても平気でいる様子から、どんな仕打ちを受けても平気でいる様子

いろはがるた(京都)の1枚です。
叱られてもケロッとしている人っていますよね。叱っている方が疲れたりして(笑)。

学問に王道なし(がくもんにおうどうなし)

  1. 学問には近道はなく、地道に努力して身につける物である

風が吹けば桶屋が儲かる(かぜがふけばおけやがもうかる)

  1. ある事が起こった結果として、回りまわって思いがけない意外な結末に結びつくこと

大風が吹く⇒ほこりが目に入って目が見なくなる人が増える⇒三味線で生計を立てる⇒三味線を作るのに猫の皮が必要になる⇒ネズミが増える⇒ネズミが桶に穴をあける⇒桶屋が繁盛する
という図式です。遠い!遠すぎ!

風邪は万病のもと(かぜはまんびょうのもと)

  1. 風邪をひくと、体力が落ちて、色々な病気になってしまうから、風邪を引かないように用心しないといけない

火中の栗を拾う(かちゅうのくりをひろう)

  1. 自分に災いが降りかかるかもしれないのに、他人のためにあえて危険なことをすること

そんな愚かなことはしないようにという戒めの意味があります。

勝って兜の緒を締めよ(かってかぶとのおをしめよ)

  1. 物事が自分の思うようにいったときほど、おごることなく、気を引き締めなくてはいけない

河童の川流れ(かっぱのかわながれ)

  1. 泳ぎの上手い河童でも川に流されることがあるという意味から、名人・達人であっても時には失敗するということ

「弘法も筆の誤り」「猿も木から落ちる」と同じ意味ですね。

河童の川流れ

勝てば官軍(かてばかんぐん)

  1. 力の強い方が正しいとされ、弱い方が悪いとされるのが、世の常である

「勝てば官軍、負ければ賊軍」とも言います。

蟹は甲羅に似せて穴を掘る(かにはこうらににせてあなをほる)

  1. 人は自分の力量や分に応じた考えや行動をしたり、望みを持ったりするものだ

蟹が自分の大きさに合わせて穴を掘ることから生まれたことわざです

金の切れ目が縁の切れ目(かねのきれめがえんのきれめ)

  1. その人に金がある時は周りに人が集まるものだが、金がなくなると冷たくなり去っていくのが世の中である

金は天下の回り物(かねはてんかのまわりもの)

  1. お金は人から人へと世間を回っているものだから、いつかは自分のところにも回ってくるから、今は貧しくてもくよくよすることは無い
  2. 入ってきたお金も出ていくものだ

壁に耳あり障子に目あり(かべにみみありしょうじにめあり)

  1. 秘密にしていても、どこで誰が見聞きしているか分からないから、秘密はとにかく漏れやすい物だ

果報は寝て待て(かほうはねてまて)

  1. 幸運は人の力で呼び寄せることはできないものだから、焦らずに時機が来るのを待っていた方が良いということ

亀の甲より年の功(かめのこうよりとしのこう)

  1. いざという時には、年長者が身に付けた長年の経験や知識が役に立つものだ

鴨が葱を背負って来る(かもがねぎをせおってくる)

  1. 鴨の肉と葱が揃えば、すぐに鴨鍋が出来るということから、こんなにおあつらえむきで好都合なことはない

画竜点睛を欠く(がりょうてんせいをかく)

  1. 最後の仕上げが不十分で、仕事や作品の価値が損なわれていること
  2. おおよそはよくできているが、肝心のところに不備や不足がある様子

枯れ木も山の賑わい(かれきもやまのにぎわい)

  1. どんなつまらない者でも、その場にいると座がにぎやかになるからいないよりはましだ

人に対してだけではなく、物に対しても使いますね。

可愛い子には旅をさせよ(かわいいこにはたびをさせよ)

  1. 子どもが可愛いければ、世の中の苦しみや辛さを経験させた方が、子供の将来のためになる

昔の旅は、交通も不便で大変だったことから生まれたことわざです。

可愛さ余って憎さ百倍(かわいさあまってにくさひゃくばい)

  1. ある人に感じていた愛情が、何かをきっかけに憎しみに変わると、愛情の分だけに組む気持ちが強くなるということ

閑古鳥が鳴く(かんこどりがなく)

  1. 人影がなく寂しい様子。客が来なくて商売が流行らないこと

閑古鳥は、カッコウを指しています。カッコウの鳴き声が、人を呼ぶような鳴き声に聞こえることから生まれたことわざです。

肝胆相照らす(かんたんあいてらす)

  1. お互いに、心の底まで打ち解けて交わること

意気投合した親しい友人について使うことわざですね。

艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)

  1. 辛いことや苦しいことを経験することで、一人前の立派な人間になれる

堪忍袋の緒が切れる(かんにんぶくろのおがきれる)

  1. 我慢に我慢を重ねてきた怒りが爆発すること

「き」から始まることわざ

聞いて極楽見て地獄(きいてごくらくみてじごく)

  1. 人から聞く話と、実際を見てみると、極楽と地獄のように大きな違いがあるということ

いろはがるた(江戸)の1枚です。
「聞くと見るとは大違い」と同じ意味です。

聞くと見るとは大違い(きくとみるとはおおちがい)

  1. 話に聞いていたことと、実際に自分の目で確かめてみるのとでは、大きな違いがあること

「聞いて極楽見て地獄」と同じ意味です。

聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥(きくはいっしょうのはじ きかぬはいっしょうのはじ)

  1. 知らないことを人に聞くのは、その時は恥ずかしいことかもしれないが、聞かずに知らないままでいると、かえって恥をかくことになるから、知らないことは知っている人にその場で聞くのが良い

雉も鳴かずば撃たれまい(きじもなかずばうたれまい)

  1. 無用なことをせず、無用なことを口にしなかったら、災難にあわなかったであろう

キジも鳴かなければ居場所を知られて撃たれなかったであろうという意味です。不用意な発言を戒めることわざですね。

狐につままれたよう(きつねにつままれたよう)

  1. どうしてそうなったのか意外で、ただ呆れている様子

「つままれる」とは化かされるという意味です。
昔、私は「狐につつまれる」と言っていました(笑)。

狐につままれる

木で鼻を括る(きではなをくくる)

  1. 相手にひどく冷淡な態度をとる様子

昨日の友は今日の敵(きのうのともはきょうのてき)

  1. 人の心や運命は移ろいやすく、あてにならないものだということ

昨日までは親しい友であった人も、事情が変わると今日は敵に変わってしまうという意味があります。
「昨日の敵は今日の友」とも言われますね。

昨日は人の身今日は我が身(きのうはひとのみきょうはわがみ)

  1. 人の運命はいつ何が起こる分からないということ。

他人に降りかかった災難だと思っていたら、自分の身にも同じことが起こるという意味があります。

九死に一生を得る(きゅうしにいっしょうをえる)

  1. 普通に考えれば命を失うような危ない状態から、かろうじて助かること

窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)

  1. 弱者も追いつめられると必死になって、強者を苦しめることがある

猫に追い詰められたネズミが、猫に反撃して噛みつくというという状況を意味しています。

漁夫の利(ぎょふのり)

  1. 当事者同士が争っているすきに、第三者が利益を横取りすること

シギが、食べようとした貝にくちばしを挟まれてしまい、互いに譲らず争っているうちに、漁師が来て両方とも採ってしまったという話から生まれたことわざです。

清水の舞台から飛び降りる(きよみずのぶたいからとびおりる)

  1. 決死の覚悟で、何かをしようと思い切った決断をすることのたとえ

義を見てせざるは勇無きなり(ぎをみてせざるはゆうなきなり)

  1. 人として行うべきであることと知りながら実行しないのは、その人に勇気が無いからだ

木を見て森を見ず(きをみてもりをみず)

  1. 物事の一部分だけに気を取られてしまい全体が見えていないことのたとえ

「く」から始まることわざ

臭い物に蓋をする(くさいものにふたをする)

  1. 悪事や不正を抜本的に解決することも無く、隠すことで外部に漏れないようにすること

いろはがるた(江戸)の1枚です。

腐っても鯛(くさってもたい)

  1. 本当に価値のあるものは、一見悪くなったようでも、それなりの価値はあるということ

口は災いの元(くちはわざわいのもと)

  1. うっかり口にしたことが原因で、思わぬ失敗や災難を招くことがあるから、言葉は慎まなければならないという戒めです

「口は禍の本、舌は禍の根」とも言います。

国破れて山河在り(くにやぶれてさんがあり)

  1. 戦乱で国は破壊されて元の姿をとどめないが、山や河などは変わらぬ姿を見せているという感慨の言葉

愚の骨頂(ぐのこっちょう)

  1. あらゆる点で馬鹿げていて、話にならない様子

苦しい時の神頼み(くるしいときのかみだのみ)

  1. 人は困って切羽詰まると、頼れるものには何でもすがろうとする

信心のない者が困った時だけ神仏に救いを求めることから生まれたことわざです。

苦しい時の神頼み

君子危うきに近寄らず(くんしあやうきにちかよらず)

  1. 教養のある立派な人は、慎重に行動するため、危険な事には初めから近寄らないという

君子豹変する(くんしひょうへんする)

  1. 教養のある立派な人は、自分が間違ったと分かったら、すぐに改めて行動を変える

「け」から始まることわざ

鶏群の一鶴

鶏群の一鶴(けいぐんのいっかく)

  1. 多くの凡人の中に、一人だけ突出して優れた人物がいることのたとえ

鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)

  1. 大きな組織でどこにいるか分からない立場でいるよりも、小さな組織であってもトップになるべきだというたとえ

継続は力なり(けいぞくはちからなり)

  1. 何事も、あきらめずに続ければ、力がついて成功する

芸は身を助ける(げいはみをたすける)

  1. 趣味で身に付けた芸が、暮らしに困ったときに生計を立てる手段になる

いろはかるた(江戸)の1枚です。
「芸が身を助けるほどの不幸せ」とも言われたそうな。

怪我の功名(けがのこうみょう)

  1. 失敗したと思ったことや、何気なくやったことが、思いがけなく良い結果を生むこと

逆鱗に触れる(げきりんにふれる)

  1. 目上の人を激しく怒らせること

竜の喉の下に逆さについた鱗があり、それに触ると竜が怒って、その人を殺すと言うそうです。竜は天子の象徴ともされ、元は天子の怒りを買うという意味でした。

犬猿の仲(けんえんのなか)

  1. 犬と猿のように、きわめて仲が悪い間柄にあること

犬猿の仲

喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)

  1. 喧嘩の当事者は、どちらが正しいか悪いかにかかわらず、両方とも同じように罰すること

健全なる精神は健全なる肉体に宿る(けんぜんなるせいしんはけんぜんなるにくたいにやどる)

  1. 精神と肉体は一体であり、身体が健康であると精神も健全であるということ

犬馬の労(けんばのろう)

  1. 他人のために力を尽くして奔走すること
  2. 他人に対して尽くした自分の行為を謙遜して言う言葉

「こ」から始まることわざ

恋は思案の外(こいはしあんのほか)

  1. 恋は常識や理性では割り切れないため、常識を超えた想定外のことが起こるものだ

光陰矢の如し(こういんやのごとし)

  1. 月日は経つのは飛ぶ矢のように早いものだ

時間を大切にしないといけないといういましめでもあります。

後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)

  1. 済んでしまったことを後から後悔しても、どうにもならないのだから、始める前に後悔しないように十分に考えてから行動に移さないといけない

口角泡を飛ばす(こうかくあわをとばす)

  1. つばを飛ばすほどの勢いで、激しく議論する様子のこと

孝行のしたい時分に親は無し(こうこうのしたいじぶんにおやはなし)

  1. 親が死んでから親のありがたみが分かっても孝行は出来ないのだから、後悔しないように親が生きているうちに孝行しなさいということ

好事魔多し(こうじまおおし)

  1. 物事が順調な時ほど、意外なところに落とし穴があるものだから、注意しないといけない

後塵を拝す(こうじんをはいす)

  1. 人に先んじられて遅れをとってしまうこと
  2. 地位や権力のある人に付き従うこと

郷に入っては郷に従え(ごうにいってはごうにしたがえ)

  1. その土地に入ったら、その土地の習慣に従えという意味で、新しい環境に入ったら逆らわずに馴染むようにすることが世渡りのコツであるということ

弘法筆を選ばず(こうぼうふでをえらばず)

  1. 真に優れた人は、道具や材料の良し悪しにかかわらず、立派な仕事をするものだ

書の名人として知られた弘法大師は、字を書くのに筆を選ばないという意味ですね。
初心者ほど、道具から入るものです(笑)。

弘法は筆を選ばず

弘法も筆の誤り(こうぼうもふでのあやまり)

  1. その道の名人でも失敗することはあるものだ

弘法大師のような達人でも書き損じられること、あったんでしょうね。

故郷に錦を飾る(こきょうににしきをかざる)

  1. 故郷を離れて、立身出世を果たした者が晴れがましい思いで故郷へ帰ること

虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)

  1. 危険を冒さなければ成功や望むものは手に入らないというたとえ

虎の住む穴に入らなければ、虎の子を生け捕りにはできないという意味です。

ここで会ったが百年目(ここであったがひゃくねんめ)

  1. 長い間、探していた相手に巡り合った時に、逃さないという決意を表す言葉

「百年」というのは、決着の付く時を意味しています。

五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ)

  1. どちらも似たりよったりで、大したちがいがない

戦場で50歩退却した者が100歩退却した者を臆病だと笑ったが、逃げたという点では両者に差はないという「孟子」の寓話から出来たことわざです。

五十にして天命を知る(ごじゅうにしててんめいをしる)

  1. 人間は50歳になってようやく自分の人生の運命や宿命が分かる

「論語」の有名な一節ですね。

子はかすがい(こはかすがい)

  1. 仲の悪い夫婦でも、子どもの存在が夫婦の縁を保ってくれるというたとえ

かすがいは、材木と材木を繋ぐための釘です。

ごまめの歯ぎしり(ごまめのはぎしり)

  1. 力のない者が、どんなに頑張ったところで、どうしようもないこと

ごまめは、ごく小さい鰯(いわし)を素干しにしたものです。

転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)

  1. 失敗してから後悔しないように、何事も先のことを考えて用心してかかるべきだ

何かにつまずいて、転ばないよう杖を突いて用心するという意味です。

転んでもただでは起きぬ(ころんでもただではおきぬ)

  1. たとえ失敗したとしても、そこから何かを得ようとす貪欲な人や態度のたとえ

紺屋の白袴(こんやのしろばかま)

  1. 他人のためばかりに忙しく、自分のことをする暇がないということのたとえ

染物屋なのに、自分は染めない袴をはいているというのが元の意味です。
”こうやのしらばかま”とも読みます。

「さ行」の有名なことわざ

「さ」から始まることわざ

賽は投げられた

歳月人を待たず(さいげつひとをまたず)

  1. 歳月は、人の都合にかかわらず淡々と流れていくものだから、今という時を大切に努力すべきということ

賽は投げられた(さいはなげられた)

  1. 一旦、実行に移した以上、最後までやり抜くしかないということ

シーザーがルビコン川を渡るときに言った言葉で、「賽」はさいころのことです。

先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす)

  1. 有利な立場に立とうとするなら、他人よりも先に事を起こすことが必要だ

策士策に溺れる(さくしさくにおぼれる)

  1. 策略に優れた人が、自らの策略に頼り過ぎて失敗してしまうこと

酒は百薬の長(さけはひゃくやくのちょう)

  1. 酒は適量であれば、どんな良薬よりも健康によいものだ

鯖を読む(さばをよむ)

  1. 実際の数値を自分に良いように、ごまかすこと

年齢をごまかす時によく使われますね。
元々は、腐りやすい鯖(さば)を早口で数えたときに、数え間違えることが多かったことから生まれたことわざです。

猿も木から落ちる(さるもきからおちる)

  1. 木登りの上手な猿でも木から落ちることがあるように、どんなに優れた名人・達人でも失敗することがあるというたとえ

「弘法も筆の誤り」「河童の川流れ」が同じ意味です。

去る者は日々に疎し(さるものはひびにうとし)

  1. 死んだ人は月日が経つにつれて忘れられていくように、親しかった人も遠く離れると疎遠になってしまうものだ

触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)

  1. そのことにかかわらなければ災いを招くことは無いという意味で、余計なことには関わらないほうが良いというたとえ

山椒は小粒でもぴりりと辛い(さんしょうはこつぶでもぴりりとからい)

  1. 体は小さくても、才能や気迫など、侮れないものがあることのたとえ

山椒の実は2~3mmの小さな粒ですが、ピリッと辛いことから出来たことわざです。

三度目の正直(さんどめのしょうじき)

  1. 何かをするときに、初めは失敗しても、3回目ぐらいにはうまくできるようになるものだ

三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ)

  1. 1人では無理でも、3人集まって考えれば、凡人でも優れた知恵が出てくるものだ

「文殊」は、知恵の徳を持つと言われる菩薩様です。

「し」から始まることわざ

敷居が高い(しきいがたかい)

  1. 不義理なことをして、その人の家に行きにくい状態のこと

最近では、「高級すぎる、上品すぎて、入りにくい」という使われ方をする若い人が多いとか。誤用ですが、そのうち主流になってしまうかも?

地獄で仏に会ったよう(じごくでほとけにあったよう)

  1. 危険な目に合っている時や困難な状況の時に、思いがけない助けを受けた嬉しさのたとえ

地獄の沙汰も金次第(じごくのさたもかねしだい)

  1. 世の中のことは金の力で左右されるものであり、お金さえあればどうにでもなるということ

いろはがるた(京都)の1枚です。
地獄の閻魔様の裁定さえ、お金でどうにでもなるという意味です。

獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)

  1. 仏徒でありながら仏道を害する者
  2. 組織の内部にいながら、組織に災いや害となる者

「獅子」はライオンのことで、ライオンに寄生して生きてきた虫が、ライオンを死に至らせるという意味から生まれたことわざです。

事実は小説よりも奇なり(じじつはしょうせつよりもきなり)

  1. 現実の世界に起こる出来事は、空想で書かれた小説よりも不思議であることがある

獅子の子落とし(ししのこおとし)

  1. 自分の子にわざと試練を与えて、その力を試すことのたとえ

獅子(ライオン)は、子を産むと、深い谷に投げ落とし、這いあがってきた強い子だけを育てるという言い伝えから出来たことわざです。

獅子の子落とし

地震雷火事親父(じしんかみなりかじおやじ)

  1. 世の中で恐ろしいものを順番に並べた言葉

親父(父親)が怖いものの4番目というのも過去の話ですかね。

親しき中にも礼儀あり(したしきなかにもれいぎあり)

  1. 人との付き合いにおいて、どんなに親しい間柄でもお互いに礼儀を守らなければならない

失敗は成功の本(しっぱいはせいこうのもと)

  1. 失敗したときに、その原因を究明し改善していけば、やがて成功するものだ

釈迦に説法(しゃかにせっぽう)

  1. その方面についてよく知っている人に、何かを教えることは無意味である

蛇の道は蛇(じゃのみちはへび)

  1. 同類のものは、お互いにその世界の事情に通じているものだ

重箱の隅をつつく(じゅうばこのすみをつつく)

  1. 全体から見ればどうでもいい些細なことを問題としてとりあげることのたとえ

柔よく剛を制す(じゅうよくごうをせいす)

  1. 力が弱くとも、柔軟なやり方によって、強者を制することができるということ

朱に交われば赤くなる(しゅにまじわればあかくなる)

  1. 人は付き合う人に影響されて良くも悪くもなるものだ

友人を選ぶことの大切さを説く言葉として使われます。

春眠暁を覚えず(しゅんみんあかつきをおぼえず)

  1. 春の夜は寝るのに心地が良いので、朝が来ても気づかず眠り続けること

小異を捨てて大同につく(しょういをすててだいどうにつく)

  1. 多少の考えの違いがあっても、大局的な見地から、大勢の支持がある考えに従うこと

正直の頭に神宿る(しょうじきのこうべにかみやどる)

  1. 正直な人には、つねに神仏のかごがあるということ

正直者が馬鹿を見る(しょうじきものがばかをみる)

  1. 正直な人は、ずるく立ち回るということが出来ないので、損をすることがある

上手の手から水が漏る(じょうずのてからみずがもる)

  1. どんなに上手な人でも失敗することがある

掌中の珠(しょうちゅうのため)

  1. 最愛のこどもや妻のこと
  2. 最も大切にしているもの

いつも手の平に持っている珠(真珠)のように大切という意味です。

少年老い易く学成り難し(しょうねんおいやすくがくなりがたし)

  1. 若いと思っていると、すぐに月日が流れて年をとり、結局何も学んでいないという事になるのだから、若いうちから勉強に励まなければならない

勝負は時の運(しょうぶはときのうん)

  1. 勝ち負けはその時の運も影響するから、必ずしも力のあるものが勝つとは限らない

将を射んと欲すれば先ず馬を射よ(しょうをいんとほっすればまずいまをいよ)

  1. 目的を果たすためには、その周囲にあるものから攻めてかかるのが早道である

敵将を討ち取るには、乗っている馬を射て倒せという意味です。杜甫の詩「前出塞」の一節。

食指が動く(しょくしがうごく)

  1. ある物事に関心を持ち、やってみたい、手に入れたいという気持ちが起こること

「食指」は人差し指です。鄭の子公が、自分の人差し指が動くのを見て、ご馳走にありつける前兆だといった故事に基づきます。

初心忘るべからず(しょしんわするべからず)

  1. どんなことでも始めた当時の決心や、謙虚で真剣な気持ちを忘れてはいけないということ

世阿弥が能楽の修行について言った言葉です。

知らぬが仏(しらぬがほとけ)

  1. 知れば腹が立つが、知らなければ仏のように穏やかでいられるものだ

知らないほうが良いというよりは、知らない人をあざけって使うことが多いのでは。
いろはがるた(江戸)の1枚です。

白羽の矢が立つ(しらはのやがたつ)

  1. 大勢の中から、何かの役割に選び出されること

神が人身御供として望む娘の家の屋根に白羽の矢を立てたということに由来します。

人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ)

  1. できることを全て行ったうえで、その結果は天に任せるという意味で、全力を尽くしたのだから、どんな結果になっても悔いはないという心境

進退これ谷まる(しんたいこれきわまる)

  1. 進むことも退くこともできない困難極まりない状態のこと

死んだ子の年を数える(しんだこのとしをかぞえる)

  1. 死んだ子が生きていれば何歳になっているかを数えるという意味で、いまさら言っても仕方のない過去のことについて思い出したり愚痴をこぼしたりすること

死んで花実が咲くものか(しんではなみがさくものか)

  1. 生きているからこそいいこともあるのだから、死んでしまっては何もならない

心頭を滅却すれば火もまた涼し(しんとうをめっきゃくすればひもまたすずし)

  1. どんな苦痛であっても、無念無想の境地になれば、その苦痛を感じることは無い

織田信長に寺を焼き討ちされた甲斐・恵林寺の僧が唱えたことで有名です。
もとは、杜荀鶴「夏日題二悟空上人院一」の一節です。

「す」から始まることわざ

水魚の交わり(すいぎょのまじわり)

  1. 水がなければ生きていけない魚のように、切っても切れない親密な関係のたとえ

垂涎の的(すいぜんのまと)

  1. 誰からもうらやまれるようなもので、簡単に手に入らないもの

「垂涎」とは、ご馳走を見てよだれを垂らすという意味です。欲しくてたまらないという状況です。

酸いも甘いも噛み分ける(すいもあまいもかみわける)

  1. 人生経験が豊かな人は、世間の裏表や人情の機微に通じているものだ

好きこそものの上手なれ(すきこそもののじょうずなれ)

  1. 好きなことであれば、自然と努力しようとするため、上達が早いということ

過ぎたるは猶及ばざるが如し(すぎたるはなおおよばざるがごとし)

  1. 物事はやり過ぎると、足りていないのと同じようによくないことだ

何事も程ほどが肝心です。

雀の涙(すずめのなみだ)

  1. 小さな雀の流す涙ほどに、物や金額がごくわずかだというたとえ

雀の涙

雀百まで踊り忘れず(すずめひゃくまでおどりわすれず)

  1. 雀は死ぬまで飛び跳ねる鳥だということから、幼い時に身に付けた習慣は年をとってからは改まらないというたとえ

いろはかるた(京都)の1枚。
道楽癖が治らないということに使われていました。

捨てる神あれば拾う神あり(すてるかみあればひろうかみあり)

  1. 世の中は広いから、相手にしてくれない人もあれば、親切に助けてくれる人もあるものだ

住めば都(すめばみやこ)

  1. 長く住んでいると、どんな場所であっても居心地がよくなってくるものだ

相撲に勝って勝負に負ける(すもうにかってしょうぶにまける)

  1. 順調に進んで経過は良かったのに、結果として失敗すること

相撲の取り口は勝っているのに、土俵際で最後に負けてしまうという相撲用語から転じたものです。

「せ」から始まることわざ

青雲の志(せいうんのこころざし)

  1. 立派な人物になろうとする心
  2. 立身出世して、高い地位につこうという強い気持ち

清濁併せ呑む(せいだくあわせのむ)

  1. 事の良し悪しにかかわりなく、受け入れて対応する度量の広さをあらわすたとえ

「清濁」は、正邪、善悪の意味です。

急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる)

  1. 焦って物事を進めると、しなくてもよい失敗をするものだ

青天の霹靂(せいてんのへきれき)

  1. 晴れた青空に突然雷鳴がとどろくように、突然予期しない出来事が起こることのたとえ

背に腹は代えられぬ(せにはらはかえられぬ)

  1. さしせまった危機を乗り切るためには、他を犠牲にすることもやむを得ない
  2. 切羽詰まった状態では、他をかえりみる暇など無い

「背」は他人を「腹」は自分を意味します。いろはがるた(江戸)の1枚です。

狭き門より入れ(せまきもんよりはいれ)

  1. 事を成就するためには、簡単で楽な道よりも困難な道を選ぶ方が自分を鍛えて役に立つ

新約聖書マタイ伝第七章の言葉です。

栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)

  1. 将来大成する人は、子どもの時から優れているものだ

いろはがるだ(京都)の1枚。
栴檀とは、香木です。

船頭多くして船山に上る(せんどうおおくしてふねやまにのぼる)

  1. 指図をする人が多いために意志の統一がとれずに、見当違いの方向に進んでしまうこと

善は急げ(ぜんはいそげ)

  1. 良いと思ったことは先延ばしせずに、すぐに実行に移すべきだ

前門の虎後門の狼(ぜんもんのとら こうもんのおおかみ)

  1. 一つの災難を逃れたと思ったら、すぐ次の災難に見舞われること

「一難去ってまた一難」と同じ意味です。

千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぱから)

  1. どんなに遠大な計画も第一歩を踏み出すことから始まるものだ

「そ」から始まることわざ

そうは問屋が卸さない(そうはとんやがおろさない)

  1. 自分に好都合なことばかり考えても、物事は自分の思いどおりにはいかないものだ

問屋が客の望むような安値では卸してくれないという意味です。

俎上の魚(そじょうのさかな)

  1. まな板に乗せられて調理される鯉のように、相手のなすがままになるほか仕方がない状態のこと
  2. いまさらジタバタしても仕方がないと覚悟すること

袖振り合うも他生の縁(そでふりあうもたしょうのえん)

  1. 袖が触れ合うようなちょっとした出会いも、何からの因縁によって結ばれているものだから大切にすべきだ

「多生」は仏教用語で前世のことです。

備えあれば患いなし(そなえあればうれいなし)

  1. 日頃から、もしもの時に備えていれば、いざという時にも心配することは無い

損して得取れ(そんしてとくとれ)

  1. 目先の小さな利益よりも、将来の大きな利益を得るほうが良い

「た行」の有名なことわざ

「た」から始まることわざ

棚からぼた餅

大海は芥を選ばず(たいかいはあくたをえらばず)

  1. 広い海がどんなごみでも受け入れるように、度量の大きい人は、人をえり好みせずに受け入れるものだ

大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき)

  1. 大変なことが起こると大騒ぎした割には、大した結果にならなかったこと

大山鳴動して鼠一匹

大事の前の小事(だいじのまえのしょうじ)

  1. 大きなことを成し遂げるためには、小さなことは犠牲にしてもやむを得ない
  2. 大きなことの前には、どんな小さなことにも油断してはならない

大は小を兼ねる(だいはしょうをかねる)

  1. 大きなものは小さなものの代わりに使うことが出来る

宝の持ち腐れ(たからのもちぐされ)

  1. 役に立つものを持っていながら、使えていないこと
  2. 才能や技量がありながら活用しないこと

他山の石(たざんのいし)

  1. どんなつまらないことや自分より劣っている人の行動でも、自分の才能や人格を磨く反省の材料にすることが出来る

多勢に無勢(たぜいにぶぜい)

  1. 少人数で大勢に立ち向かっても、かなわない

叩けば埃が出る(たたけばほこりがでる)

  1. 誰にでも、細かく調べ上げれば、他人には知られたくないような弱みがあるものだ

只より高いものはない(ただよりたかいものはない)

  1. ただで物をもらうと、お礼にお金がかかたり、相手の頼みごとを断れなかったりするから、かえって高くつくということ

立っている者は親でも使え(たっているものはおやでもつかえ)

  1. 緊急の場合には、そばに立っている人なら、それが親であっても手伝いを頼みなさいということ

立つ鳥跡を濁さず(たつとりあとをにごさず)

  1. 水鳥は水を濁さずに飛び立つという意味から、立ち去るときには、汚点を残したり、残る人に迷惑がかかったりしないようにすべきたということ

立て板に水(たていたにみず)

  1. 立てかけた板に水を流すように、弁舌がすらすらとよどみないことのたとえ

いろはがるた(京都)の1枚です。

蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)

  1. 苦い蓼の葉を好む虫がいるように、人の好みは人それぞれであるということ

立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花(たてばしゃくやくすわればぼたんあるくすがたはゆりのはな)

  1. 美しい女性の容姿や立ち居振る舞いを形容する言葉

さらに、「歩く姿は百合の花」と続きます。

棚からぼた餅(たなからぼたもち)

  1. 何の苦労もなく思いがけない幸運に恵まれるということ

”棚ぼた”と略して使うことが増えていますが、棚の下で寝ていたら、落ちてきたぼた餅がちょうど口に入るという意味です。

旅の恥は掻き捨て(たびのはじはかきすて)

  1. 旅先では、知っている人もいないために、普通であれば恥ずかしいような行いも気にせずしてしまう旅行者特有の気分をあらわす言葉

旅は道連れ世は情け(たびはみちずれよはなさけ)

  1. 一人旅よりも同行者がいたほうが心強いように、世の中を渡るうえでも互いに助け合う思いやりが大切だ

いろはがるた(江戸)の1枚です。

玉に瑕(たまにきず)

  1. 申し分のないほど完璧であるが、ほんのわずかだが欠点があること

玉磨かざれば光なし(たまみがかざればひかりなし)

  1. 生まれつき才能や素質があっても、努力して鍛えなければ、立派な人物にはなれない

便りの無いのは良い便り(たよりのないのはよいたより)

  1. 困った時や異変があった時には知らせるものだから、何の知らせも無いのは無事でいるということだから安心してよい

足るを知る者は富む(たるをしるものはとむ)

  1. 満足することを知っている者は、むやみに欲しがったりしないから、たとえ貧しくても心が豊かだ

短気は損気(たんきはそんき)

  1. 短気を起こすと、上手くいくはずの物事も失敗に終わることが多く、自分が損をする

短気はくれぐれも起こさないようにという戒めです。

断腸の思い(だんちょうのおもい)

  1. こらえきれないほど悲しく辛い思いを抱くこと

「ち」から始まることわざ

竹馬の友(ちくばのとも)

  1. 一緒に竹馬に乗って遊んだ小さい頃からの友達のこと

竹馬の友

血は水よりも濃い(ちはみずよりもこい)

  1. 親子・兄弟など、血縁によって結ばれた人間関係は、どんなに深い他人との関係よりも強い

長所は短所(ちょうしょはたんしょ)

  1. 長所も別の見方をすれば、短所になることもある
  2. 長所を当てにしすぎると、かえって失敗することがある

提灯に釣り鐘(ちょうちんにつりがね)

  1. 2つのものが形は似ているが、大きさなど違いすぎて比較にならないこと
  2. 釣り合わないことのたとえ

「月とすっぽん」と同じ意味です。

蝶よ花よ(ちょうよはなよ)

  1. 良家で娘を大切に可愛がって育てること

塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)

  1. 小さなものでも積み重なると無視できないほどの大きなものになる

いろはがるた(江戸)の1枚です。

沈黙は金雄弁は銀(ちんもくはきん ゆうべんはぎん)

  1. 上手に話せることも重要だが、沈黙すべき場面を心得ていることは、さらに重要だ

「つ」から始まることわざ

月とすっぽん(つきとすっぽん)

  1. 月とすっぽんは、どちらも丸く似ているようだが、比べられないぐらい違うというたとえ

「提灯に釣り鐘」と同じ意味です。

月夜に提灯(つきよにちょうちん)

  1. 明るい月夜に提灯をともすということから、無駄なこと、不必要なことのたとえ

月夜に提灯

辻褄があう(つじつまがあう)

  1. 話の内容などに矛盾がなく、筋道が通っていること

角を矯めて牛を殺す(つのをためてうしをころす)

  1. 少しの欠点を直そうとして、かえってそのもの自身をだめにしてしまうこと
  2. 末端のどうでもいい事にこだわって、根本をだめにしてしまうことのたとえ

牛の角が曲がっているのを直そうとして牛を殺してしまうという意味です。

罪を憎んで人を憎まず(つみをにくんでひとをにくまず)

  1. 罪そのものは憎んでも、罪を犯した人のことは憎んではならない

爪の垢を煎じて飲む(つめのあかをせんじてのむ)

  1. 優れた人の物なら、爪の垢であっても有難いという意味から、優れた人にあやかれるように、その言動を少しでも真似るというたとえ

面の皮をはぐ(つらのかわをはぐ)

  1. 図々しい人をやり込めて、恥をかかせること

鶴の一声(つるのひとこえ)

  1. その場にいる多くの人を従わせる権威や権力のある人の一言

鶴は千年 亀は万年(つるはせんねん かめはまんねん)

  1. 鶴と亀のように、寿命が長くめでたいことを祝う言葉

「て」から始まることわざ

泥中の蓮

泥中の蓮(でいちゅうのはす)

  1. 蓮の花が泥の中で清らかに咲くことから、周囲の環境に染まらずに心の清らかさを保って生きることのたとえ

敵に塩を送る(てきにしおをおくる)

  1. 競争相手が困っている時に、援助の手を差しのべること

戦国武将の武田信玄が、宿敵上杉謙信が今川・北条の塩止めに苦しんでいた時に塩を送ったという逸話に基づきます。

敵は本能寺にあり(てきはほんのうじにあり)

  1. 本当の目的は別のところにあるということのたとえ

明智光秀が毛利攻めに行くと見せかけて、本能寺に入る織田信長を襲うと家臣に明かした言葉とされますね。

梃子でも動かない(てこでもうごかない)

  1. 人から動かそうとされても、その場から絶対に動かないこと
  2. 人から何と言われても、絶対に意志を変えないこと

鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて)

  1. 人は若く、考え方が柔軟に時に鍛えたほうが良い
  2. 物事は関係者の熱意がある時期を逃していけない

鉄は熱いうちに打て

轍を踏む(てつをふむ)

  1. 前の人が犯した失敗を、後の人も同じように繰り返すことのたとえ

「轍」は、車の通った後の車輪の跡。
ひっくり返った前の車のあとを、そのまま行ったために同じようにひっくり返ったという意味です。

手前味噌を並べる(てまえみそをならべる)

  1. 自分のしたことを大げさに自慢して並べ立てること

手も足も出ない(てもあしもでない)

  1. なすすべもなく、どうしようもない状態

出物腫れ物所嫌わず(でものはれものところかまわず)

  1. おならやおできは、時や場所にかかわりなく勝手に出てしまうということ

出る杭は打たれる(でるくいはうたれる)

  1. 頭角を現した有能な人は、人から憎まれて邪魔をされるものだ
  2. 差し出た振る舞いをする者は、人から非難され制裁を受けるものだ

他より高く出ている杭は、他と同じ高さに打ち込まれるという意味です。
昨今では、”出すぎた杭は打たれない”から、へこまずに出すぎろという言葉もありますね(笑)。

伝家の宝刀を抜く(でんかのほうとうをぬく)

  1. 大事な場面で、とっておきの手段・切り札を使うこと

天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)

  1. この世に存在する自分より尊い存在は無いとして、人間の尊厳を表している言葉

お釈迦様誕生の折に発せられたと伝わる言葉ですね。
「唯我独尊」だけをもって、自分より優れたものはいないと傲慢な使い方もされます。

転石苔を生ぜず(てんせきこけをしょうぜず)

  1. たびたび職業や住居を変える人は地位も得られず、財産が出来ないというたとえ

「転石苔むさず」とも言われます。

天高く馬肥ゆる秋(てんたかくうまこゆるあき)

  1. 秋の過ごしやすい気候を表す言葉

秋になると、空気が澄んで空が高く感じられるようになり、馬のえさとなる草を育って馬が肥えてたくましくなるという意味です。

天高く馬肥ゆる秋

天に唾する(てんにつばする)

  1. 空に向かって唾を吐いても、自分に降りかかることから、悪意を持って人に接すると自分に返ってきて損をするということのたとえ

天は二物を与えず(てんはにぶつをあたえず)

  1. 天は一人の人に長所や美点をいくつも与えはしないのだから、長所ばかりの人はいないということ

天は人の上に人をつくらず、人の下に人を作らず(てんはひとのうえにひとをつくらず、ひとのしたにひとをつくらず)

  1. 天はすべての人を平等に送り出しているので、人間には本来貴賤や上下はないものだ

福沢諭吉が「学問ノススメ」で説いた言葉です。

天は自ら助くる者を助く(てんはみずからたすくるものをたすく)

  1. 自らの努力で人生を切り開こうとする者には、自然と幸運が訪れるものだということ

天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそにしてもらさず)

  1. 天が張り巡らした網の目は粗いが悪いことをした人は決して漏らすこはないという意味から、悪いことをすれば必ず天罰を受けるということ

「老子」の一節です。

頭角を現す(とうかくをあらわす)

  1. 才能や技能が優れていて、周囲から抜きんでて目立っていること

「と」から始まることわざ

灯台下暗し(とうだいもとくらし)

  1. 身近にある物事には、意外と気づきにくいものだ

灯台下暗し

問うに落ちず語るに落ちる(とうにおちずにかたるにおちる)

  1. 問い詰めても口を割らなかったのに、話しているうちに自ら本当のことを漏らしてしまうこと

豆腐にかすがい(とうふにかすがい)

  1. 豆腐にかすがいを打ち込んでも効果が無いように、相手にいくら働きかけても何の手ごたえも反応もないこと

遠い親戚より近くの他人(とおいしんせきよりちかくのたにん)

  1. 遠くに住んでいる親類良いrも、近くにいて日ごろから付き合いのある親しい他人の方が、いざという時に頼りになるものだ

時の氏神(ときのうじがみ)

  1. ケンカや争いの仲裁をちょうどよい時に現れて、よい解決を与えてくれる人は氏神のようにありがたい存在だ

時は金なり(ときはかねなり)

  1. 時間は金銭と同じように価値があり貴重なものであるから、無駄に過ごしてはならない

Time is money.の訳語です。

毒にも薬にもならない(どくにもくすりにもならない)

  1. その存在が邪魔にもならないが、役にも立たない様子

毒を食らわば皿まで(どくをくらわばさらまで)

  1. いったん悪事を犯したからないには、徹底的に悪事を重ねるということ

毒を食べてしまった以上は、毒を持った皿までなめるという意味です

毒を以て毒を制す(どくをもってどくをせいす)

  1. 悪事を抑えるために、他の悪事を利用すること
  2. 悪人を除くために、他の悪人を利用すること

所変われば品変わる(ところかわればしなかわる)

  1. 場所が変わると品物の名前や形も違うという意味から、土地によって風俗・習慣から言葉まで変わるものである

年寄りの冷や水(としよりのひやみず)

  1. 老人が冷水を飲むような、高齢にふさわしくない危険な行為や無茶をすることのたとえ

いろはがるた(江戸)の1枚。

塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ)

  1. 泥にまみれて火に焼かれるようなひどい苦しみの意味で、天災・戦火などで受ける非常な苦しみの例え

隣の花は赤い(となりのはなはあかい)

  1. 他人の物は何でもよく見えて、うらやましく思うこと

「隣の芝生は青く見える」はよく言いますが、「隣の花は赤い」が初めて知りました。

隣の花は赤い

怒髪天を衝く(どはつてんをつく)

  1. 怒りで髪が逆立つばかりに激怒する様子のこと

鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ)

  1. 平凡な親から才能が優れた子どもが生まれること

飛ぶ鳥を落とす勢い(とぶとりをおとすいきおい)

  1. 権勢が、きわめて盛んで勢いのある様子のこと

取らぬ狸の皮算用(とらぬたぬきのかわざんよう)

  1. まだ捕まえてもいない狸の皮を売ることを考えるという意味で、まだ手に入らないものを期待して計画を立てること

虎の威を借る狐(とらのいをかるきつね)

  1. 有力者の権威をかさに着て威張るもののたとえ

虎は死して皮を残す(とらはししてかわをのこす)

  1. 虎が死ぬと美しい毛皮を残すように、人も後世にまで伝えられるような名誉や功績をのこすべきである

「人は死して名を残す」とセットですね。

どんぐりの背比べ(どんぐりのせいくらべ)

  1. どれも似たりよったりで、大して優れたものがいないこと

どんぐりの背比べ

飛んで火にいる夏の虫(とんでひにいるなつのむし)

  1. 明るさにつられて飛んできた夏の虫が火で焼け死ぬという意味から、自ら進んで危険を承知で災いに飛び込むことのたとえ

鳶に油揚げを攫われる(とんびにあぶらあげをさらわれる)

  1. ようやく手に入れたものを、不意に横取りされて呆然とすることのたとえ

「な行」の有名なことわざ

「な」から始まることわざ

ない袖は振れぬ

無い袖は振れぬ(ないそではふれぬ)

  1. 袖が無ければ振りようが無いように、無いものはどうしようもない

特に金銭の持ち合わせがないために力になれないという時に使います。

泣いて馬謖を斬る(ないてばしょくをきる)

  1. いかに信頼する部下や身内であっても、規則に背けば全体の秩序を守るために処罰するということ

三国志の逸話をもとにしています。

長い物には巻かれろ(ながいものにはまかれろ)

  1. 権力者や時の流れには、逆らわずに従っておいた方が、世の中を渡っていくうえで得だ

流れに掉さす(ながれにさおさす)

  1. 棹を水底について舟を進めることから、時流にうまく乗り、目的に向かって順調に進んでいること

泣きっ面に蜂(なきっつらにはち)

  1. 良くないことがあった上に、さらに風なことが続けて起こること

泣いてむくんでいる顔を蜂が刺して、さらに腫れてしまうという意味です。いろはがるた(江戸)の1枚です。

泣きっ面に蜂

泣く子と地頭には勝てぬ(なくことじとうにはかてぬ)

  1. 泣いてだだをこねる子どもと、横暴な地頭のように、理屈が通じない相手には、道理や正論は通じないということ

なくて七癖(なくてななくせ)

  1. 人は誰でも多かれ少なかれ、何らかの癖を持っているものだ

情けは人の為ならず(なさけはひとのためならず)

  1. 人に親切にすれば、相手のためになるだけでなく、巡り巡って自分にも返ってくるものだ

人には親切にしましょうと言う教えが含まれていることわざです。

梨の礫(なしのつぶて)

  1. 便りを出しても何の返事もないこと

礫(つぶて)は投げる小石の事です。”投げた小石のように戻ってこない”として、「無し」と「梨」を語呂でかけたものです。

為せば成る、為さねば成らぬ何事も(なせばなる、なさねばならぬなにごとも)

  1. 出来ないと思えることでも強い意志を持ってやり通せば、必ず出来るようになるものだ

米沢藩の名君をして名高い上杉鷹山が家臣に示した歌の一節です。

七転び八起き(ななころびやおき)

  1. 何度失敗してもくじけず、そのつど奮起してさらに努力すれば、最後に成功するということ

七回転んでも八回立ち上がるという意味です。

名は体を表す(なはたいをあらわす)

  1. 人や物の名前は、そのものの性質や実体をよくあらわすものだということ

怠け者の節句働き(なまけもののせっくばたらき)

  1. 普段怠けている者に限って、他の人が休むときに働いているか、働かざるを得ないこと

生兵法は大怪我のもと(なまびょうほうはおおけがのもと)

  1. 中途半端な知識や技術は、かえって失敗を招くことになる

蛞蝓に塩(なめくじにしお)

  1. すっかりしょげてしまうこと
  2. 苦手な人の前で委縮してしまうこと

習うより慣れよ(ならうよりなれよ)

  1. 物事を習得するためには、知識を教わるのではなく、実際に経験したり練習をしたりする方が効果的だ

名をとるより得を取れ(なをとるよりとくをとれ)

  1. 名誉より実利を取った方が良いということ

「得を取るより名を取れ」という言葉もあります。価値観の違い極まれり、ですね。

汝の敵を愛せよ(なんじのてきをあいせよ)

  1. 人間はみな兄弟であるから、あなたの敵であっても愛さなければならない

新約聖書、マタイによる福音書第五章・ルカによる福音書第六章言葉です。

「に」から始まることわざ

煮え湯を飲まされる(にえゆをのまされる)

  1. 信用していた人に裏切られて、ひどい目にあわされること

二階から目薬(にかいからめぐすり)

  1. 二階から階下の人に目薬をさすように、もどかしく思うような効果が無いこと

「天井から目薬」とも言います。いろはかるた(京都)の1枚です。

二階から目薬

逃した魚は大きい(にがしたさかなはおおきい)

  1. 釣り上げたのに落として逃してしまった魚は、実際よりも大きく見えるという意味で、手に入れかけて失ったものを惜しんで悔しく思う時に使う言葉

「釣り落とした魚は大きい」とも言います。

苦虫を噛み潰したよう(にがむしをかみつびしたよう)

  1. ひどく不機嫌で不快そうな顔をしている様子

憎まれっ子世に憚る(にくまれっこよにはばかる)

  1. 人に嫌われるような人に限って、世間ではかえって幅を利かせるものだ

いろはがるた(江戸)の1枚です。

肉を切らせて骨を断つ(にくをきらせてほねをたつ)

  1. 自分も痛手を受けるかわりに、相手にそれ以上の打撃をあたえるという意味で、捨て身で戦う覚悟をあらわす言葉

逃げるが勝ち(にげるがかち)

  1. まともに戦っても勝てそうにない楚期は、逃げてしまうことが一番得になるということ

二足の草鞋を履く(にそくのわらじをはく)

  1. 普通なら両立しないような2つの職業を同じ人が兼ねること

江戸時代、ばくち打ちでありながら、罪人を捕まえる役人(捕吏)を兼ねる人がいたそうです。それって本当に両立できたんでしょうか??

似て非なるもの(にてひなるもの)

  1. 外見は似ているが、実質的な中身は全く異なっていること

煮ても焼いても食えぬ(にてもやいてもくえぬ)

  1. 相手がしたたかなために、どうにも手に負えないこと

二度あることは三度ある(にどあることはさんどある)

  1. 同じことが二度起これば、もう一度同じことが起こることが多いものだ

物事は繰り返されるから、気を付けるようにという戒めも込められています。

二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)

  1. 同時に二つのことを得ようと欲張っても、どちらもうまく行かないものだ

二匹のウサギをおいかけても一匹も捕まえられないという意味ですね。
なんとローマの古いことわざが元でした。

二の足を踏む(にのあしをふむ)

  1. 先に進めず足踏みをするという意味で、決断をためらう様子のこt

二の句が継げない(にのくがつげない)

  1. 相手の言葉にあきれたり気後れしたりして、次に言うべき言葉が出てこないこと

二の舞を演じる(にのまいをふむ)

  1. 前の人がやった失敗を同じように繰り返すこと

「安摩(あま)」という舞楽の中で、それをまねて滑稽に見せる舞を「二の舞」と読んだことから出来たことわざです。

人間至る処青山有り(にんげんいたるところにせいざんあり)

  1. この世には骨を埋める場所ならどこにでもあるという意味から、故郷を出て大いに活躍すべきだ

「青山」は墓地のことです。幕末の僧、月性の詩の一節。

人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)

  1. 人の幸不幸は、すぐに変わるので予測できないものだ

「塞翁が馬」だけでも使います。
不幸だと思っていたことが幸運をもたらしたり、幸運だと思っていたことが不幸をもたらしたりするので、一喜一憂しないほうが良いといういましめもあります。

「ぬ」から始まることわざ

糠に釘(ぬかにくぎ)

  1. 糠に釘を打ち込むように、何の手ごたえもないこと
  2. いくら意見しても効果がないこと

「豆腐に鎹」「暖簾に腕押し」と同じ意味です。

盗人猛々しい(ぬすっとたけだけしい)

  1. 悪事を働いていながら、平然としていて、とがめられても逆に居直ったりする態度を非難していう言葉

盗人にも三分の理(ぬすっとにもさんぶのり)

  1. 悪事を働く人間にも、悪事を正当化するそれなりの理屈があるという意味で、どんなことにも理屈はつけられるということ

「泥棒にも三分の理」とも言います。

盗人にも三分の理

濡れ手に粟(ぬれてにあわ)

  1. 濡れた手で粟をつかむと手に粟粒がたくさんつかめることから、大した苦労もせずに多くの利益を得ること

「ね」から始まることわざ

猫に鰹節(ねこにかつおぶし)

  1. 猫のそばに好物の鰹節をおくと危険であることから、油断できない状態のさす言葉

猫に小判(ねこにこばん)

  1. 猫に小判をあたえても何の価値もないことから、価値の分からないものに貴重なものをあたえても意味がないというたとえ

いろはがるた(京都)の1枚です。

猫に小判

猫にまたたび(ねこにまたたび)

  1. 猫にとってのまたたびのように、非常に大好物なもののたとえ
  2. 大好物をあたえておけば、機嫌が良くなるといった効果があること

「またたび」は猫の大好物として知られるつる性の植物です。

猫の首に鈴を付ける(ねこのくびにすずをつける)

  1. そうすることが最上の策を分かっていても、いざ実行に移すとなると、引き受け手がいないほど難しいことのたとえ

イソップ寓話が元になることわざです。
猫に鈴を付ければ、近づいてくるのがすぐに分かって逃げられるが、実行するネズミがいなかったという話です。

寝た子を起こす(ねたこをおこす)

  1. ようやく事態が収まりつつあるときに、余計な口出しや手出しをして、再び問題を起こすことのたとえ

寝耳に水(ねみみにみず)

  1. 思いがけない出来事に驚き慌てること

「寝耳」とは、寝ている時に夢うつつに聞くことを言います。
眠っている時に、突然「大水だ」という声が聞こえて慌てるという意味です。

根も葉もない(ねもはもない)

  1. 事実であることを裏付ける根拠が何もないこと

寝る子は育つ(ねるこはそだつ)

  1. 日頃からよく眠る子は、健康な証拠なので、丈夫に育つということ

年貢の納め時(ねんぐのおさめどき)

  1. 悪事を働き続けたものが、とらえられて刑に服するようになること

転じて、物事から逃げるのをあきらめて観念したときにも使われるようになりました。
多いのは、結婚を決めた時に男性が使うケースでしょうか(笑)。

念には念を入れよ(ねんにはねんをいれよ)

  1. 注意をしたうえに、さらに注意せよという意味で、物事を慎重に行うよう注意する言葉

いろはがるた(江戸)の1枚です。

「の」から始まることわざ

能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)

  1. 本当に実力や才能のある人は、普段は謙虚にしているもので、いざというときに真価を発揮するものだ

残り物に福がある(のこりものにふくがある)

  1. 人が先に選んだ後でも意外とよいものが残っているという意味で、我先に争わない遠慮深い人に幸運があるものだ

実際には、後れを取って順番が遅くなってしまった人を慰める言葉として使われます。

喉元過ぎれば熱さを忘れる(のどもとすぎればあつさをわすれる)

  1. 人は苦しい経験をしても、月日がたてば、その苦しさも、その時に受けた恩恵のありがたみも忘れてしまう

いろはがるた(江戸)の1枚絵dス。

乗り掛かった舟(のりかかったふね)

  1. 一度やり始めた以上は、事態や条件が悪化しても、途中でやめるわけにはいかない

港を離れた船からは、目的地まで降りられないということです。

暖簾に腕押し(のれんにうでおし)

  1. 吊るされている暖簾を押しても手ごたえがないように、働きかけても少しの手ごたえも反応もないこと

「豆腐に鎹」「糠に釘」と同じ意味です。

暖簾に腕押し

「は行」の有名なことわざ

「は」から始まることわざ

早起きは三文の得

敗軍の将は兵を語らず(はいぐんのしょうはへいをかたらず)

  1. 失敗をした者は、失敗について意見を述べたり弁解したりする資格がないということ

「史記・准陰候」の故事に基づきます。
戦いに負けた将軍が、兵法について言い訳する資格はないという意味です。

背水の陣(はいすいのじん)

  1. 退路を断って、一歩も後ろへは引かないという覚悟で当たること

わざと川を背に陣を引き、退却できないような決死の状況に兵を追い込み、敵を破ったという「史記・准陰候」の故事に基づきます。

吐いた唾は飲めぬ(はいたつばはのめぬ)

  1. 一度口にした言葉は、取り消せないこと

這えば立て立てば歩めの親心(はえばたて たてばあゆめのおやごころ)

  1. 子どもがハイハイをすれば早く立たないかと思い、立つようになれば早く歩かないかと、子どもの健やかな成長を願う親心を表す言葉

這えば立て立てば歩めの親心

馬鹿の一つ覚え(ばかのひとつおぼえ)

  1. 何かを一つ覚えると、そればかりを得意げに持ち出すこと
  2. その様子をあざける言葉

掃き溜めに鶴(はきだめにつる)

  1. 優れたものや美しいものが、全く不釣り合いなつまらない場所に存在するということ

「掃き溜め」はゴミなどが掃き集めておく場所です。そうした場所に舞い降りた鶴の姿が清らかで美しいという意味です。

馬脚を露す(ばきゃくをあらわす)

  1. ごまかしていた素性や実力のほどが分かってしまうこと

お芝居で、馬の足に扮した役者の姿がうっかり見えてしまうという意味です。

薄氷を踏む(はくひょうをふむ)

  1. 非常に危険な状況に身を置くたとえ

化けの皮が剥がれる(ばけのかわがはがれれる)

  1. 隠していた正体が見破られること

箸が転んでもおかしい(はしがころんでもおかしい)

  1. 箸が転がるような何でもないことをおかしがって笑うという意味で、とにかくよく笑う10代後半の女の子を指す言葉

箸にも棒にも掛からない(はしにもぼうにもかからない)

  1. あまりにも劣っていて、何の役にも立たない様子

蓮の台の半座を分かつ(はすのうてなのはんざをわかつ)

  1. 死んだ後も、極楽で同じ蓮の花に座ろうという意味で、夫婦仲の良いことをいう言葉

破竹の勢い(はちくのいきおい)

  1. とどまることを知らないほど、勢いよく進むたとえ

竹は、初めの一節を割ると、一気に割れることから出来たことわざです。

花より団子(はなよりだんご)

  1. 風流よりも実利、外観よりも実質を重んじるということ

いろはがるた(江戸)の1枚として有名です。
見て美しい花より、お腹のふくれる団子が良いという意味ですね。

花より団子

早起きは三文の得(はやおきはさんもんのとく)

  1. 早起きをすると、必ず何か得をするということ

朝寝坊をいましめる言葉です。

腹が減っては戦は出来ぬ(はらがへってはいくさはできぬ)

  1. 空腹では力が出ないから、何事も取り掛かるときには、ちゃんと食べて腹ごしらえをしてから当たるべきだ

万事休す(ばんじきゅうす)

  1. もはや手の施しようがなく、打つ手が何もないこと

「ひ」から始まることわざ

贔屓の引き倒し(ひいきのひきだおし)

  1. 贔屓をし過ぎると、かえって当人のためにならないということ

引かれ者の小唄(ひかれもののこうた)

  1. 負け惜しみで強がりを言うこと

「引かれ者」とは、処刑のために刑場に連れて行かれる罪人のことで、わざと平静を装って小唄をうたっているという意味です。

庇を貸して母屋を取られる(ひさしをかしておもやをとられる)

  1. 軒先を貸しただけなのに、いつのまにか家全体を取られるという意味で、一部を貸したために全部をとられてしまうことのたとえ

「軒を貸して母屋を取られる」とも言います。

必要は発明の母(ひつようははつめいのはは)

  1. 必要に迫られると、新しい工夫や発明が生まれるということ

必要は発明の母

人の噂も七十五日(ひとのうわさもしちじゅうごにち)

  1. 世間というのは忘れやすいものだから、どんな噂であってもいつまでも続かないということ

「急ぐべからず、不自由を常と思えば不足なし」と続きます。

人の口に戸は立てられない(ひとのくちにとはたてられない)

  1. 噂や風評は、人の口から口に広がるもので、それを防ぐことは出来ないということ

「世間の口に戸は立てられぬ」とも言います。

人の振り見て我が振り直せ(ひとのふりみてわがふりなおせ)

  1. 他人の行動を見て、自分の行動を反省し、悪いところは直しなさいという意味

人は見かけによらぬもの(ひとはみかけによらぬもの)

  1. 人柄や性質は外見からは判断がつかないものだ

第一印象は重要ですが、それだけでは分からないのが人という事ですね。

人を呪わば穴二つ(ひとをのろわばあなふたつ)

  1. 人に危害を与えようとすれば、自分にもその報いが来るということ

人を呪って穴を掘るときは、自分を埋める穴も用意する必要があるという、とても怖い意味のことわざです。

人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ)

  1. 他人を簡単に信用せずに、まずは疑うぐらい用心したほうが良いという言葉

火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ)

  1. 火に油を注ぐと火の勢いがさらに増すように、高ぶっている感情や騒ぎをさらにあおるような言動をすること

火のない所に煙は立たぬ(ひのないところにけむりはたたぬ)

  1. 火の気のないところに煙は立たないように、噂が立つからには何かの根拠や事実があるのだとうということ

ほぼそうなのですが、時々、火のないところで煙が立つのが、世間が小説よりも奇なりな点です。

百害あって一利なし(ひゃくがいあっていちりなし)

  1. 弊害ばかりを生み出して、利益になるような良いことは何一つ無いこと

百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)

  1. 何かを理解するためには、人の話を何度も聞くよりも、一度でも自分の目で見て確かめたほうがよい

経験の大切さを説いたことわざです。

冷や水を浴びせる(ひやみずをあびせる)

  1. 得意の絶頂にいる人や、意気込んでいる人に、本人の気づいていない点を指摘して、やる気や元気を失わせるような言動をすること

「冷水を浴びせる」とも言います。

瓢箪から駒が出る(ひょうたんからこまがでる)

  1. 意外なところから意外なものが出てくること
  2. 実際には考えられないようなことが、現実になること

”駒”は、将棋の駒だと思っていましたが、”馬”のことでした。瓢箪から馬が飛び出したら、それは腰を抜かします。。。

瓢箪から駒

貧すれば鈍する(ひんすればどんする)

  1. 貧しくなると日々の暮らしのことで頭がいっぱいになり、才気まで鈍くなり、やがて品性も卑しくなるということ

貧乏暇なし(びんぼうひまなし)

  1. 貧乏な人は、生活に追われるため、忙しくて時間のゆとりもない

いろはがるた(江戸)の1枚です。

「ふ」から始まることわざ

夫婦喧嘩は犬も食わない(ふうふげんかはいぬもくわない)

  1. 夫婦の間のことは夫婦にしか分からないものであり、どんなにケンカしてもすぐに仲直りをするから、放っておけばよい

何でも食べる犬でさえ、見向きもしないという意味ですね。

笛吹けども踊らず(ふえふけどもおどらず)

  1. 何かをしてもらおうと準備を整えて誘っても、誰も応じないことのたとえ

新約聖書マタイ福音書十一章から来ています。

覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)

  1. 離婚した夫婦の仲は、二度と元には戻らない
  2. 一度起こしてしまったことは、取り返しがつかない

周の太公望が、若い頃、貧乏なのに働かずに読書ばかりしているので、愛想をつかした妻に離縁されました。
後に太公望が出世したときに、妻が復縁を求めたのですが、その時に太公望が盆の水をこぼして言った言葉とされます。

不幸中の幸い(ふこうちゅうのさいわい)

  1. 不幸な出来事の中にも、せめて慰めとなるようなこと

武士に二言はない(ぶしににごんはない)

  1. 武士は一度口にしたことは必ず守りとおすという意味

武士という身分が何よりも信義を重んじだという事を表しています。

武士に二言はない

武士は食わねど高楊枝(ぶしはくわねどたかようじ)

  1. 貧しい境遇でも、誇りを失ってはならないということ
  2. やせ我慢をすること

いろはがるた(京都)の1枚です。体面を重んじた武士が、貧しくて食事が出来なくても、食べたかのように楊枝を使って見せるという意味です。

豚に真珠(ぶたにしんじゅ)

  1. 高価なものでも価値の分からないものには何の役にも立たないことのたとえ

「猫に小判」と同じ意味です。

冬来たりなば春遠からじ(ふゆきたりなばはるとおからじ)

  1. 冬の後には春が必ず来るように、現在は不遇でも、必ずまた幸せな時期がくる

「へ」から始まることわざ

へそで茶を沸かす(へそでちゃをわかす)

  1. おかしくてたまらない気持ちを表す言葉

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる(へたなてっぽうもかずうちゃあたる)

  1. 下手でも何度も試していれば、まぐれで成功することもあるというたとえ

下手な鉄砲打ちも何発も撃っていれば当たることもあるという意味です。

下手の考え休むに似たり(へたのかんがえやすむににたり)

  1. 良い考えも浮かばないのに長時間考えるのは時間の無駄だということ

碁や将棋で、下手な人が長時間考えるのをあざけって使われます。

下手の考え休むに似たり

下手の横好き(へたのよこずき)

  1. 下手なくせに、そのことが好きで熱心なこと

自分を謙遜して使います。

蛇に睨まれた蛙のよう(へびににらまれたかえるのよう)

  1. 強い相手や苦手な相手の前で、怖さや苦手意識から、身がすくんで動けない様子のこと

蛇の生殺し(へびのなまごろし)

  1. 半死半生の状態において苦しめること
  2. 物事の決着をつけずに中途半端な状態で苦しめること

弁慶の泣き所(べんけいのなきどころ)

  1. 強い者の唯一の弱点

弁慶ほどの強い人でもぶつけると痛くて泣く箇所として、向うずねを意味します。

ペンは剣よりも強し(ぺんはけんよりもつよし)

  1. 学問や文学の力は、武力よりも偉大であるということ

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い(ぼうずにきけりゃけさまでにくい)

  1. その人が憎いと、その人を連想させるもの、関係するもの全てが憎くなるということ

「ほ」から始まることわざ

臍を噛む(ほぞをかむ)

  1. どうにもならないことをひどく後悔すること

「臍(ほぞ)」とは、おへその事です。自分のおへそを噛もうとしても噛めないという意味です。

仏作って魂入れず(ほとけつくってたましいいれず)

  1. 苦労して成し遂げても最後の最も肝心なところが欠けていること

仏の顔も三度(ほとけのかおもさんど)

  1. どんなに穏やかな人であっても、ひどい仕打ちを繰り返されれば腹を立てるということ

いろはがるた(京都)の1枚です。
「地蔵の顔も三度」とも言います。
同じ意味に「兎も七日なぶれば噛みつく」というものもあります。

仏の顔も三度

骨折り損のくたびれ儲け(ほねおりぞんのくたびれもうけ)

  1. 努力や苦労のかいのなく、何の成果も出ずに、疲れだけが残ること

いろはがるた(江戸)の1枚です。

盆と正月が一緒に来たよう(ぼんとしょうがつがいっしょにきたよう)

  1. 非常に忙しい様子
  2. うれしいことが重なること

お盆と正月は1年でも大切な行事ですよね。それが一緒に来たように忙しく、また楽しいという意味です。

「ま行」の有名なことわざ

「ま」から始まることわざ

蒔かぬ種は生えぬ

蒔かぬ種は生えぬ(まかぬたねははえぬ)

  1. 種を蒔かないと収穫できないように、何事も実行してこそ成果が得られる

いろはがるた(京都)の1枚です。

枕を高くして寝る(まくらをたかくしてねる)

  1. 不安や危険を感じることなく安心してゆっくりと眠れること

「史記・張儀伝」の故事に基づきます。

負けるが勝ち(まけるがかち)

  1. 無理をして争わずに、一時的に勝を譲ったほうが、結果的に特になるということ

いろはがるた(江戸)の1枚です。

馬子にも衣裳(まごにもいしょう)

  1. どんな人でも、身なりを整えれば、立派な人に見えることのたとえ

「馬子」は、馬を引いて荷物や人を運んでいた人です。
皮肉を込めて使う言葉ですので、うっかり誉め言葉として用いないようにしましょう。

待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり)

  1. 今は悪条件でも、辛抱強く時期を待てば、いつかチャンスが巡ってくる

「待てば甘露の日よりあり(日照りでも待っていれば雨が降る)」から転じたことわざです。

丸い卵も切りようで四角(まるいたまごもきりようでしかく)

  1. 同じことを言うにしても、言い方一つで良くも悪くも受け取られるということ

「物は言いようで角が立つ」と続きます。

真綿に針を包む(まわたにはりをつつむ)

  1. 言葉は表面上優しいが、言葉の裏に悪意や敵意が潜んでいる様子のたとえ

「み」から始まることわざ

木乃伊取りが木乃伊になる(みいらとりがみいらになる)

  1. 人を連れ戻しに行った人が戻らずに、同じように連れ戻す立場になること
  2. 説得に行った人が、逆に説得されて、同調してしまうこと

身から出た錆(みからでたさび)

  1. 自分の言動や過失が原因となり、災難や苦労が起こること

いろはがるた(江戸)の1枚です。

見ざる聞かざる言わざる(みざるきかざるいわざる)

  1. 自分に関係のない物事や他人の欠点などは、見ないふり、聞かないふりをして、批判的なことを言わないようにすること

「ざる」に”猿”をかけて、三猿が有名ですね。

見ざる聞かざる言わざる

水清ければ魚棲まず(みずきよければうおすまず)

  1. 水があまりに清らかだと魚が住みつかないように、人も清廉潔白すぎると敬遠されて孤立するものだ

三日天下(みっかてんか)

  1. ごく短い間、権力や地位を得ること

明智光秀が織田信長を倒して天下を取ったが、わずか12日で豊臣秀吉に滅ぼされたことに基づきます。

三日坊主(みっかぼうず)

  1. 飽きやすく、一つのことを続けられない人のこと

出家したものの、修行と戒律の厳しさから、3日で還俗してしまうことを意味します。

三つ子の魂百まで(みつごのたましいひゃくまで)

  1. 幼いころの性格や気質は、一生変わらないものだ

「三つ子」は、三歳の子どもの事ですね。

身に勝る宝なし(みにまさるたからなし)

  1. 人は何よりも我が身を大切に思うものだ

それでいいんです!

実るほど頭の下がる稲穂かな(みのるほどあたまのさがるいなほかな)

  1. 稲穂は実ると重く垂れさがるように、優れた人物ほど謙虚だ

耳が痛い(みみがいたい)

  1. 人の言っていることが、自分の弱点や欠点を指摘しているようで、聞いていて恥ずかしさを感じること

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ(みをすててこそうかぶせもあれ)

  1. 後がないような困難な状態でも、捨て身の覚悟で立ち向かえば、何とか活路を見いだせるものだ

「む」から始まることわざ

昔取った杵柄(むかしとったきねづか)

  1. かつて身に付けた技量や得意なことは、年を取っても体が覚えていて衰えない

いろはがるた(京都)の1枚です。

無理が通れば道理が引っ込む(むりがとおればどうりがひっこむ)

  1. 理屈が通らないことが世の中で通用するようになると、理屈の通った正しいことが行われなくなる

いろはがるた(江戸)の1枚です。
道理に合わないことが世の中に多いために生まれた言葉でしょうか。

「め」から始まることわざ

名馬に癖あり(めいばにくせあり)

  1. 名馬は扱いにくい癖があるものだということから、優れた能力を持つ人は強い個性を持っていることのたとえ

目から鱗が落ちる(めからうろこがおちる)

  1. 今まで分からなかったことや疑問に思っていたことが、何かのきっかけて急に理解できるようになること

新約聖書使徒行伝・第九章に、失明していた人が突然見えるようになったという逸話があり、そこに出てくる言葉です。

目くそ鼻くそを笑う(めくそはなくそをわらう)

  1. 自分の欠点に気づかずに、他人の欠点をあざ笑うこと

目には目を 歯には歯を(めにはめを はにははを)

  1. 受けた仕打ちに対して、同等の仕打ちを持って報いること

ハンムラビ法典を訳した言葉です。
”やられたらやり返せ”ととらえられていますが、倍返し(過度な復讐)を禁じたというのが本来の主旨だそうですよ。

目の上のたんこぶ(めのうえのたんこぶ)

  1. 自分より立場が上で、何かにつけて邪魔な存在のたとえ

いろはがるた(江戸)の1枚です。

目に中に入れても痛くない(めのなかにいれてもいたくない)

  1. 可愛くてたまらない様子

目に中に入れても痛くない

目は口ほどにものを言う(めはくちほどにものをいう)

  1. 言葉でいうのと同じくらい、感情のこもった目つきは気持ちを相手に伝えることが出来る

「も」から始まることわざ

孟母三遷の教え(もうぼさんせんのおしえ)

  1. 子どもの教育に良い環境を選ぶこと

孟子の母が、孟子のために3回引っ越したという逸話から出来た言葉です。

  • 初めは墓地の近く⇒葬式ごっこをした
  • 次は市場の近く⇒商売の真似をして遊んだ
  • 最後に学校の近く⇒先生ごっこをした
  • これで、ようやく孟子のお母さんは安心して引っ越すのを止めたのだそうです。

    餅は餅屋(もちはもちや)

    1. 物事は専門家に任せるのが一番というたとえ

    いろはがるた(京都)の1枚です。
    餅は餅屋がついたものが一番おいしいものだという意味です。

    元の木阿弥(もとのもくあみ)

    1. 状況を良くしようとした努力が無駄になり以前の状態に戻ってしまうこと
    2. 一度良くなったものが、再び元の状態に戻ること

    求めよさらば与えられん(もとめよさらばあたえられん)

    1. 何かを得ようと真剣に努力すれば、必ずふさわしい結果を得ることが出来る

    新約聖書マタイによる福音書七章の言葉です。
    「叩けよ さらば開かれん」と続きます。

    物言えば唇寒し秋の風(ものいえばくちびるさむしあきのかぜ)

    1. 不用意に余計なことを言うと、人間関係がこじれて、災いと招く

    松尾芭蕉の句です。

    桃栗三年柿八年(ももくりさんねんかきはちねん)

    1. 植えてから実がなるまで、桃・栗は3年、柿は8年かかるように、物事を成し遂げるには相応の時間がかかるということ

    桃栗三年柿八年

    両刃の剣(もろはのつるぎ)

    1. 役に立つものだが、使い方を誤ると害になる危険があるということ

    門前の小僧習わぬ経を読む(もんぜんのこぞうならわぬきょうをよむ)

    1. 日頃、常に見たり聞いたりしていると、習わなくても覚えるものだ

    お寺の門前に住む小僧さんが、お経を聞き覚えるという意味です。
    いろはがるた(江戸)の1枚です。

    「や行」の有名なことわざ

    「や」から始まることわざ

    柳に風

    焼け石に水(やけいしにみず)

    1. 焼け石に水をかけてもすぐに蒸発することから、努力や援助が少ないため、事態を好転させる効果が期待できないこと

    安物買いの銭失い(やすものがいのぜにうしない)

    1. 安いものは、品質が悪く長持ちしないから、かえって高くつくものだ

    いろはがるた(江戸)の1枚です。

    痩せの大食い(やせのおおぐい)

    1. 痩せている人は、体に似合わず大食いのことが多い

    柳に風(やなぎにかぜ)

    1. 他人からの文句などを、風によそぐ柳のように、まともに応じず受け流す様子

    柳に雪折れなし(やなぎにゆきおれなし)

    1. 柔らかいものは、硬いものより、かえってよく耐えて丈夫だ

    柳はしなやかなので、雪が積もっても他の木のように、重みで折れることがないという意味です。

    柳の下にいつもどじょうはいない(やなぎのしたにいつもどじょうはいない)

    1. 一度上手くいったからといって、同じやり方で上手くいくとは限らない

    藪から棒(やぶからぼう)

    1. 予想もしていなかったことを突然言われて驚く様子

    藪をつついて蛇を出す(やぶをつついてへびをだす)

    1. 余計なことをして、思いがけない災難にあったり、損したりすること

    病は気から(やまいはきから)

    1. 病気は気の持ち方次第でおこる
    2. 病気は気の持ちようで良くも悪くもなる

    病は気から

    山高きが故に貴からず(やまたかきがゆえにたっとからず)

    1. 外見が立派だから価値があるのではなく、内容が伴って初めて尊いのである

    「樹あるを以て貴しとなす(きあるをもってとうとしとなす)」と続きます。

    闇夜に鉄砲(やみよにてっぽう)

    1. 真っ暗で見えないのに鉄砲を打つのと同じく、当てもないのに何かをすること
    2. やっても効果のないこと

    いろはがるた(京都)の1枚です。

    「ゆ」から始まることわざ

    有終の美を飾る(ゆうしゅうのびをかざる)

    1. 最後までやり遂げて、立派な成果を上げること

    行き掛けの駄賃(ゆきがけのだちん)

    1. 事のついでに、他の仕事をして人稼ぎすること

    馬子(まご)が問屋へ空馬を引いていくついでに、荷物を運んで運賃を自分のものにすることから出来たことわざです。

    「よ」から始まることわざ

    羊頭を懸けて狗肉を売る(ようとうをかけてくにくをうる)

    1. 見かけは立派だが、実質が伴わないことのたとえ

    「狗肉」は犬の肉のことです。
    羊の頭を看板に出しておきながら、犬の肉を売るという意味です。

    横紙破り(よこがみやぶり)

    1. 無理を承知で自分の考えを押し通そうとすること

    和紙が横に裂きにくいことから生まれた言葉です。

    葦の髄から天井を見る(よしのずいからてんじょうをみる)

    1. 狭い見聞に基づいて、大局を判断することはできない

    いろはがるた(江戸)の1枚です。
    「管を以て天を窺う」「管の穴から天を覗く」は同じ意味です。

    寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ)

    1. 身を寄せるなら大きな樹の下のほうが良いという意味で、頼りにする相手は勢力のある者の方が安全で得だということ

    寄らば大樹の陰

    弱り目に祟り目(よわりめにたたりめ)

    1. 不運の上に不運が重なること

    「泣きっ面に蜂」が同じ意味です。

    「ら行」の有名なことわざ

    「ら」から始まることわざ

    来年の事を言えば鬼が笑う

    来年の事を言えば鬼が笑う(らいねんのことをいえばおにがわらう)

    1. 将来は何があるか分からないのだから、あれこれ今から決めても仕方ない

    いろはかるた(京都)の1枚。
    未来を予知できる鬼が、何も知らない人が、先のことも知らずに楽しい夢を口にするのをあざ笑うという意味だそうです。

    楽あれば苦あり(らくあればくあり)

    1. 楽しいことの後には苦しいことがあるもので、人生は苦楽の両方を伴うものだ。

    「苦あれば楽あり」と続く、いろはがるた(東京)の1枚。

    楽は苦の種 苦は楽の種(らくはくのたね くはらくのたね)

    1. 楽の後から苦が、苦の後には楽が生じるものだから、今の苦労は将来の楽につながるとして希望を持たないといけない

    「り」から始まることわざ

    李下に冠を正さず(りかにかんむりをたださず)

    1. 他人から疑いをかけられるような行為は慎まなければならない

    すももの木の下(李下)で冠を直すと、すももを盗んでいると疑われるという意味です。
    「古楽府・君子行」の一節です。

    溜飲が下がる(りゅういんがさがる)

    1. わだかまりや不満が一気に解消して、さっぱりとした気分になること

    「溜飲」は、消化不良の時に出る酸っぱいげっぷのことです。

    両手に花(りょうてにはな)

    1. 価値のあるものを二つ同時に手に入れること

    独り占めしている状態を同時に指すことが多いです。

    良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし)

    1. 苦い薬ほど効き目があるという意味で、ためになる忠告ほど、聞く本人にとっては不快でつらいということのたとえ

    いろはがるた(江戸)の1枚ですが、孔子の言葉が元です。

    良薬は口に苦し

    両雄並び立たず(りょうゆうならびたたず)

    1. 同じ時期に、同じような力を持つ二人の英雄は、必ず一方が倒れるまで争うため、共存することはあり得ない

    「る」から始まることわざ

    類は友を呼ぶ(るいはともをよぶ)

    1. 気の合う者や、趣味や考えが似ている者同士は、自然と集まって仲間を作るものだ

    瑠璃も玻璃も照らせば光る(るりもはりもてらせばひかる)

    1. 優れた素質を持つ者は、機会をあたえれば真価を発揮するということ
    2. 優れた素質や才能を持つ者は、どこにいても目立つということ

    「ろ」から始まることわざ

    労多くして功少なし(ろうおおくしてこうすくなし)

    1. 苦労をしたわりには、得られた効果が少なかったこと

    ローマは一日にして成らず(ろーまはいちにちにしてならず)

    1. 大事業の完成には、長い年月と努力が必要となる

    ”Rome was not built in a day.”を訳したものです。

    ローマは一日にして成らず

    論語読みの論語知らず(ろんごよみのろんごしらず)

    1. 書物を読んで言葉として理解しているが、真髄まで理解して実践できないことのたとえ

    いろはがるた(京都)の1枚です。
    論語をすらすらと読めても、論語の精神を理解できていないという意味です。

    論より証拠(ろんよりしょうこ)

    1. 何かを証明するためには、議論を重ねるよりも、証拠を示した方が早く確実だ

    いろはがるた(江戸)の1枚です。

    「わ行」の有名なことわざ

    若い時の苦労は買ってでもせよ(わかいときのくろうはかってでもせよ)

    1. 若いときの苦労は、人としての成長に繋がり、将来のためになるから、進んで苦労を経験するほうが良い

    我が身をつねって人の痛さを知れ(わがみをつねってひとのいたさをしれ)

    1. 自分の身に苦痛として感じてみて、はじめて他人の苦しみを思いやることができる

    禍を転じて福と為す(わざわいてんじてふくとなす)

    1. 災難であっても、うまく対処して、逆に幸福を得るようにすること

    渡る世間に鬼はない(わたるせけんにおにはない)

    1. 世の中は白磁上な人ばかりではなく、親切で情け深い人がいるものだ

    笑う門には福来る(わらうかどにはふくきたる)

    1. いつもニコニコしている人、笑い声の絶えない家には、自然と幸福が訪れる

    いろはがるた(京都)の1枚です。

    破れ鍋に綴じ蓋(われなべにとじぶた)

    1. 破損した鍋に取り繕った蓋があるという意味で、どんな人にでもぴったり合う相手がいるということのたとえ
    2. 似たもの同士が一緒になればうまくいく

    いろはがるた(江戸)の1枚です。

    和を以て貴しとなす(わをもってとうとしとなす)

    1. 何事も、人と協調して和やかに進めることが大切だ

    聖徳太子が制定した「十七条憲法」の第一条として有名ですね。

    まとめ

    ことわざの数は本当に多く、こちらの方が有名?と思いながら、何とか500個に絞ってご紹介しました。

    普段、よく使うものもあれば、微妙に語尾を間違えて覚えているものもあったり、そういう意味もあったの?と思うものもあったりで、なかなか勉強になりました(笑)

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