七福神が祀られている寺社を参拝して回る七福神巡りが各地で人気を集めています。
七福神の神様、それぞれにご利益の多い神様ですが、七福神すべてをお参りすることで得られるというご利益が、「七難即滅、七福即生」。
読んで字のごとく、「七つの難が去って七つの福が訪れる」ということを意味していますので、何だかとても有難いということは分かります。
ですが、具体的にはどういう”難”が去って、どんな”福”がやって来るのか気になります。
そこで本日は、七福神巡りで得られるご利益、「七難」「七福」とは何なのかについて詳しくお伝えしていきますね。
七福神巡りのご利益「七難即滅、七福即生」とは
室町時代に京都で始まり全国に広がったという七福神巡りには、七つの難が消え去り七つの福が訪れる「七難即滅、七福即生」のご利益があると言われます。
「七難」と「七福」に分けて、説明していきますね。
七福神巡りで消えさる「七難」
「七難」とは、仏教でいわれる7種の災難のことです。
火災や水害などは共通する厄災もあるものの、経典によって内容は少しずつ違うようです。
代表的とされるのが「仁王般若経」のもので、「七難」とは次の7種の災難を意味します。
- 太陽や月の異変
- 星の運行の異変
- 火災
- 大雨、洪水などの水害
- 暴風、台風などの風害
- 日照りによる干ばつ
- 盗難
太陽や月の異変というと、「天変地異」というイメージですね。また、おそらく昔の人は、日食や月食といった現象が、凶事の前触れと感じて恐れを抱いたのだろうと思われます。
次の星の運行の異変は、流星群を見て日食や月食と同じように「天変地異」を恐れたのでしょう。「星」で運勢を見るというのも世界共通ですから、星の運行の異変は人の運命を狂わすと受け止められたのかもしれません。
そのあとに続く火災・水害・泥棒などは現在でも避けたい災難なので、よく分かりますね。
七福神巡りをすることで、これら7つの厄災が即座に消え去るご利益があると信じられてきたのです。
そして、七難が消え去ると同時に、もたらされるとされたのが次でご紹介する「七福」です。
七福神巡りでもたらされる「七福」
七福神巡りで消え去る「七難」が、どの経典によるかで内容が変わるのと違って、「七福」は共通しています。
それも、どの福が、どの七福神のご利益なのかも決まっています。
詳しく見ていくと次のようになります。
- 寿命・長寿 ⇒ 寿老人のご利益
- 人望 ⇒ 福禄寿のご利益
- 清廉・正直 ⇒ 恵比須神のご利益
- 大量 ⇒ 布袋尊のご利益
- 威光 ⇒ 毘沙門天のご利益
- 財富・財福 ⇒ 大黒天のご利益
- 愛嬌 ⇒ 弁財天のご利益
一般に商売繁盛で知られる恵比須様には、「清廉・正直」のご利益もあると言われています。
恵比須様は、最近では狩衣をお召しになった姿で描かれることが多いですが、もとは裸に近い格好に鯛を抱えて大らかに微笑んでいらっしゃるという漁師の神様らしいお姿でした。
飾らない恵比須様のお姿には、足ることを知る無欲さの表れであり、無欲は素直で正直な精神の表れということなのです。
正直や誠実であることは商売繁盛にも欠かせませんし、人としてとても大切なことですから、大きなご利益ですよね。
それでは、続いて、七福神巡りの基本的な回り方についてお伝えしますね。
⇒七福神の由来とは?名前やご利益も一覧でご紹介!
七福神巡りの基本的な回り方
七福神巡りの時期はお正月だけ?!
さて、各地で人気の七福神巡りですが、場所によってはお正月の時期だけということも。
なぜなら、もともと七福神巡りは元日から松の内(関東は1月7日ですね)までに行うものとされているからなのですね。
元日から松の内の間は、家に一年の福をもたらす歳神様がいらっしゃると言います。その間に七福神巡りを済ませると、さらにご加護と福を授けていただけると考えられていたからのようです。
実際、東京都内には数十か所の七福神巡りがありますが、1月1日から1月7日までしか御開帳されていない七福神も多いようです。
また七福神巡り発祥の地、京都の「都七福神巡り」も1月1日から31日までと期間が限定されています。
その一方で、大阪七福神、鎌倉七福神など、一年中通じてお参りできる七福神巡りもあったりします。
行ってみようと思われる七福神巡りがあれば、まずはお参りの期間があるかどうかを確認してからお出かけください。
本殿と本堂の参拝を忘れずに!
恵比須様が祀られている各地のゑびす神社は、恵比須様が主祭神ですが、七福神が主祭神やご本尊ではない社寺の方が多いです。
七福神以外の主祭神やご本尊がお祀りされている社寺では、まず本殿や本堂を参拝してから、七福神をお参りしましょう。
七福神巡りの色紙や御朱印
七福神巡りといえば、七福神の御朱印を1枚の色紙におさめる御朱印が人気の理由でもありますね。
新年に頂いた御朱印は、一年の家内安全を守護してくれる縁起物と言われます。
もちろん持参した御朱印帳に御朱印をいただくことも可能。
御朱印帳にお願いするときは、通常の御朱印と七福神巡りの御朱印が別という社寺がほとんどですので、「七福神巡りの御朱印」としっかり伝えてお願いするようにしましょう。
千住七福神めぐりしゅーりょー\(^o^)/
参加の皆様お疲れ様でした🎵今年もいいことありますように~(*´ω`*)色紙&御朱印 pic.twitter.com/HoxWnkI78k
— ママレモンかとう@ すぅ様どこ⁉ (@mamaremonnkatou) 2017年1月3日
また、いただいた色紙を処分するときは、いただいた社寺にお返しするのが基本となります。
ですが、遠方で行けないということもありますので、そんなときはお近くの社寺にお返ししてお焚き上げをしてもらえば大丈夫。
七福神巡りは社寺が混ざっていることが多いですが、色紙を買い求めたのがお寺なら近くのお寺に、神社なら近くの神社にお返しするようにしてくださいね。
まとめ
各地で人気のある七福神巡りには、七つの難が消え去り、七つの福が訪れるという「七難即滅七福即生」のご利益があるといいます。
「七難」とは、仏教の経典に出てくる7種の厄災を指します。経典によって少しずつ中身が違うのですが、「仁王般若経」が代表的な経典といわれます。
- 太陽や月の異変
- 星の運行の異変
- 火災
- 大雨、洪水などの水害
- 暴風、台風などの風害
- 日照りによる干ばつ
- 盗難
「七難」が去ると同時に、もたらされるのが7つの福「七福」。1つのご利益ごとに、それぞれ七福神が司るものです。
- 寿命・長寿 ⇒ 寿老人のご利益
- 人望 ⇒ 福禄寿のご利益
- 清廉・正直 ⇒ 恵比須神のご利益
- 大量 ⇒ 布袋尊のご利益
- 威光 ⇒ 毘沙門天のご利益
- 財富・財福 ⇒ 大黒天のご利益
- 愛嬌 ⇒ 弁財天のご利益
七福神巡りは、地域によっては1月1日から松の内7日までと期間が限定されることがあります。
行ってみようと思われる七福神巡りがあれば、まずはお参りの期間があるかどうかを確認してからお出かけくださいね。